なんちゃってニューヨーク

Etiquette Guru 　エチケット界の「尊師」

として世界で名を馳せている Sara Jane Ho サラ・ジェーン・ホさんをご存知でしょうか。香港出身で中国名は「何佩蓉」。中国本土では、奇跡を起こす人という意味で

奇遇小姐　Miss Wonder

とニックネームが付いているそうです。

現在、北京、上海、シンガポールに 本格的なエチケットとマナーの学校、Institute Sarita サリタ・マナースクール（サリタはサラのスペイン語名）を開講して、多くのお金持ちのプライベート顧客とビジネス顧客を抱え、世界を又にかけてマナーとエチケット教育で大成功している女性です。

昨年は “Mind Your Manners” 「礼儀にお気をつけになって」という 彼女の Netflix の番組が大ヒットしました。

この番組の第一話、厚化粧と派手な服でソーシャルメディアに超・露出している自分と本当の自分が見分けがつかないという心理的問題を抱えた女性に、服装、メイク、振る舞いを指導して自分に自信をもたせて見事に生まれ変わらせたというエピソードは私も見ました。

エチケットとマナー、しかもこの美貌なので、元モデルさんとか女優さん？と思ってしまいますが、彼女はもともと筋金入りのビジネスウーマンです。香港のインターナショナルスクールから、アメリカ、ニューハンプシャー州にある超一流の寄宿学校、Phillips Exeter Academy に留学、大学はまたまた名門の Georgetown ジョージタウン大学。

数年ウォールストリートで働いた後に進学したハーバード・ビジネススクール在学中にこのマナー業界に目をつけ、着々と準備を進めて今の成功を収めました。

ビジネススクールを卒業後にヨーロッパの貴族のお嬢さんたちが行くスイスの名門フィニッシング・スクール、Institut Villa Pierrefeu で自身のマナーと知識に磨きをかけて、北京に進出したのが2013年。その2年後にシンガポールに進出し、その年には

Forbes 30 Under 30 　注目すべき30歳以下の30人

BBC 100 Women　BBCが選ぶ女性100人

そして彼女の学校 Institute Sarita は「世界で最も革新的なビジネス50」の一つに選ばれています。コロナ後は、自社ビルではなく高級ホテルとのコラボで授業を続けているそうです。その辺りやっぱりスゴイな。

さて、彼女の学校、Institute Saritaの学費は、というと、直接コンタクトをしないとわからない仕組みになっています、が。ネットによると1週間50万円、3ヶ月190万円と裏情報が。

学校のウェブサイトの写真はナイフとフォークを使ってオレンジをきれいに剥いているものなんですけども、そういえばネトフリの番組でもバナナの上品な食べ方を教えていたな…

なんかそれって私も中学の家庭科で教えてもらったような？レトロやな….エチケットが必要な場に生のバナナがお皿に載って出されるようなことがあるんだろうか？？？それで最短コースが50万円、ふむ。

彼女の推定総資産は＄30Million、約45億円。すごいな。1月にはニューヨーク・タイムズ掲載された彼女のインタビュー、タイトルは「ボーイフレンドにチャットで別れを告げたエチケットのグル」。これは一般的にはマナー違反だろうけれど、結局エチケットって

Contextual　背景と事情による

ものだと思うのよ、と続けています。10年前に良いマナーだったものが今はそうとは限らないこともある、そのエチケットを守るのが不可能な状況、というときに無理して従うことはない、そのときどきで自己尊厳と、人間関係の潤滑油としてのマナーを正しく守ればいいと思う、と。

この、チャットでお別れ事件については、どうしても続けていけない、今日こそ言わないと、と思ったときに、彼と次に合う予定はものすごく先だったのでどうしようもなかったのだということです。

彼女の教えるマナーやエチケットは、とてもクロスカルチャー。子供時代には香港とアメリカだけでなく、パプアニューギニアやイギリスにも暮らしたことがあり、4ヶ国語を話します。それもあり特に中国系の子女にぜひご指南をいただきたいという親からの熱望で、学校は短くても6ヶ月待ちだそうです。

最後に、彼女が出た寄宿学校、有名人もたくさん輩出している Phillips Exeter Academy の年間授業料（2022年）は、$57,563、今日の日本円換算で 784万6,383円、そしてジョージタウン大学は年間 $81,515、日本円で1,111万1,268円となっています。ご実家もお金持ちのようですネ。ふふふ。