なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


人生への切符

昨日の記事、3年前に起きた連邦国会議事堂襲撃事件についてちょっと補足。

昨日は襲撃の日からちょうど3年ということで特集を組む局も多かった。前日の5日には、普段は物言いの柔和なバイデン大統領がかなり激しい言葉でトランプを非難。彼こそデモクラシーへの危機であり、あなた達が記入する投票用紙に印刷されているのは、トランプ対バイデンではない、トランプ対民主主義なのだ、と言った。

昨日書いた通り、議事堂襲撃事件は現在までの起訴が約1,300人と、アメリカ建国以来最大の刑事事件だ。トランプについてはもう言い訳のしようもないが、扇動されて暴動に加わった人たちの多くは、申し訳ないがとても気の毒な境遇にある人たちだと常々感じていた。

Intergenerational Poverty

インタージェネレーショナルポバティ、代々伝わる貧困

という言葉も定着するくらいのアメリカのいわゆる『親ガチャ』。産業の定着しないアパラチア地方、以前炭鉱で栄えたウェストバージニア州、または自動車工場でさかえた中西部。産業構造の変化とともに失業者や貧困が増え、低学歴のためITやAI業界に転身することも難しい。アルコールやドラッグ中毒。多くは白人層だ。

世代を超えても貧困の連鎖を断ち切るどころか、ますます深みにハマりもがいてももがいても生活は楽にならない。自分たちがついているはずの就職口には勤労意欲の高い移民が就き、アジア系、ユダヤ系のリッチ層は益々増えるばかりだ。ムカつく。

苦しい生活から抜け出たい

そんな弱みを見抜いたトランプと取り巻きの一流大学出。生活に困ったことなどないだろうスタッフたちが『こんな社会を打倒し、本当のアメリカを取り戻すんだ、自分たちの自由な王国を作ろう!』(白人だけで!という隠れたメッセージ入り)というスローガンで救世主さながらに政府の表舞台に登場、そんな彼に愚かなのぞみを抱いて扇動されて、もう8年だ。

今も捜査が続く事件、昨日新たに公開された証拠映像を見た。議事堂警察が銃を構えながら、丸腰の保守党議員と暴動参加者数名が割れたガラス窓の隙間から興奮した声で会話をしている。落ち着かせようとする議員に対し、ある声が

We’ve never even gotten a ticket to life!

と叫ぶ。

『俺たちは人生の列車に乗る切符でさえもらってないんだ!』

…..衝撃。

『お前らなんかにはわからない、もうこんな人生はやっていられない。お前らみたいに腐敗した政治家たちを全部排除して、俺たちの新しい政府を立てるんだ!』とその声は続く。

これが多くの支持者を暴動にかき立てたホントの理由だったのだ。どんな気持ちなんだろうか。自分の人生でさえ、列車に乗り遅れた如く前に進めず次の列車なんかこないとわかって途方に暮れている状態。進みたい意欲も体力も在るのにその機会が待っても待っても訪れてくれない。

アメリカの傷と分断が深すぎて、一体どうやったら癒やしていけるものなんだろうか。

独断的だけど私の考えとしては…

専門家でもなんでもないおばちゃんのワタシ、具体的な実施方法なんか全然わからないけど、この角度から見てみては???と思う項目が2つある。かなり暴力的だけど、勇気を出して言ってみるね。

①国が大きすぎる EUみたいに国別にしてさ、州ごとにパスポート発行してこの際きっぱりと別れてみてはどうか → そうしたらまた州ごとの格差は広がるけれども、他国ということで多少の遠慮と、正式なシステムとして予算を組んでの援助運動が行える。

②憲法をイチから作り直す アメリカの立法行政のすべての拠り所になっているのは合衆国憲法、なんと1787年発行である。パンがないならケーキをお食べと髪の毛の中にニセの鳥の巣を作るのが流行した宮廷でアントワネットが言い放った、あのフランス革命の年が1789年、その2年前と言ったら古さのほどがよく分かる。立憲に関わったおっさんたちはみんな

Slave Owner  奴隷の所有者

または奴隷交易で富を積んだニューイングランドの名士たちだった時代。女性はみんなお人形またはめし炊き担当だった時代。そんなときに書かれたものがスムースに現代に通用するわけ無いじゃん?

ともかく、これからどうする

もう何をどうしたらいいのかわからないお手上げ状態、でもなんとかやっていかないとにゃー (・_・;) というのが今のアメリカっぽい。まずはなんでも格差を狭めていくのが第1歩だと思うが、どこから手をつけたらいいのやら。学歴格差、人種格差、経済格差。

その答えは絶対にトランプではないのは確か。他の保守党候補者もなんだかねえ。現在トランプについで、デサントス元フロリダ州知事と熾烈な2位争いを繰り広げているニッキ・ヘイリー元サウスカロライナ州知事。

先日このインド系美魔女ヘイリー候補が演説で「トランプが私のことでいい加減な情報をばらまいて悪く言うなら、覚悟しなさいよ、私もあなたの秘密をいくらでも暴くわよ」。

コレって、大統領選レベルの発言か?そういうことをお互い言ったりしたりしちゃいけないのを幼稚園で習わんかったんかい….?



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ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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