なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


Food Waste 🍛 食品ロス再考

今週はずっと Too Good To Go (TGTG) と言うフードロス防止のアプリについてご紹介してきたのだが、先日とうとうおばちゃんもアプリを使ってリアル体験、近所のアイスクリーム屋さんから夕方に売れ残った半端なくでかいクッキー1ダース入りの「お楽しみ袋」を受け取りに行ってきた。

「アプリやってみてどんなもん?役に立ってる?」とか加入の動機とかお店側のお話を聞きたいと思っていたんだが、あいにくお店にいたのはバイトのお兄ちゃんだけだった。

もう一つのカフェでも試してみたら

翌日アプリに時々行く近所のカフェの名前を発見、オーナーさんのお顔も知ってるからお話も聞きやすいかも。サプライズバックを購入し、カフェの閉店時間4時にお店を訪れた。

Sunday Motor Cafe Facebook

オーナーさんは残念ながら不在だったが、マネージャーの女性によるとこのカフェは純粋にその日の終わりに捨てるしかない焼き菓子やパン類が捌けるからよ、とおっしゃる。いつも座るところがないくらい混んでいるカフェだけに顧客獲得といったマーケティング色はあまりなさそうだった。

そこで面白い事件が。お話は聞けたんだけど、その日は「全て売り切れてしまってTGTG に回すものがない」という。インタレスティング。多分この問題はアプリ加盟店の間で頻発しているはずだ!

オーナーさんならなんとか他の商品を詰め込んでサプライズバッグを作るというようなこともできたのだろうが、その権限はなさそうなスタッフ。「ごめんね、どうしよ」と困っている。

実はお話聞きたいから買っただけ、商品はいらないのよというとほっとして、じゃあオーナーさんが戻ってくる火曜日に受け取りに来たら!?という。その辺に落ちていたぴらぴらのレシートを差し出して「後ろに名前書いてくれる?オーナーに火曜日に来るって言っとくから!」

(アメリカ30年の経験から言って、この伝言が伝わる可能性は推定約20%、火曜日に行って伝わっていたら感動するというくらいの確率だ。日本ではありえないユルさにいまだに驚くけど昔のように腹が立ったりしないよ。なぜならこのユルさに自分も恩恵を預かることが多々あるから(笑)。腹が立っていたのはそんないい加減なことはしないぞ、と自分だけ損をしていたまだまだちゃんとした日本人であった頃の私。えへ。)

アプリの対応

指定時間過ぎても「受け取りました」のスワイプがなかった商品はアプリ側でどんな対応をするのか。興味があってそのままにしておいたけど、なんの音沙汰もなかった。

はっきり言って忙しい毎日「この時間に来てね」というのはウザい。安い代わりにウザい。アプリで買ってはみたものの行くのが面倒とか会議が入っちゃったとかで受け取られなかった商品はかなりあるんじゃなかろうかと思った。

アプリによると、この二つの購入で私が世界に貢献したカーボン排出量の減少は、携帯の充電922回分(!)、コーヒー20杯分(どうやって計算するんだ?)、シャワー14分間分だそうだ。が、お店まで車でわざわざ行ったからネ、ガソリンとクッキーの箱の分はカーボン加算だ。ごめん、まだガソリン車乗っててさ💦

21世紀のアメリカで飢餓

日本でもコンビニのお弁当は、時間がすぎると捨ててしまうそうだが店舗によってはさりげなくホームレスの人が拾って食べられる ような捨て方をしているとも聞く(未確認情報)。どうなんだろうか?

No Kid Hungry という組織の調査では全米で1300万の子供達が飢えに苦しんでいるそうだ。学校で食べるランチがその日唯一の食事であり、コロナで学校が閉鎖になるとたちまち飢えてしまう子供がニューヨーク市だけで6万人いるというニュースを聞いて驚いたのは2020年だ。

この豊かなアメリカでそんな子供たちがいるとは。飢える子供と家族がいる一方で大量に捨てられる食べ物。 私としては、食品ロスを捌くことによるエコへの貢献よりも、とにかくもったいない、何とかしてお腹が空いている人たちに分配することはできないものか、とそっちに頭がいってしまう。

せめて温かい食事だけでも

World Central Kitchen ワールド・セントラルキッチン

という民間団体をご存じだろうか。スペイン人のセレブシェフ

Jose Andreas  ホセ・アンドレアスさん

が代表を務める団体で、 今年1月の能登地震の被災地に多くの食事と食材の提供をしたことが大きく報道されたのでご覧になった方もいるかと思う。 設立は2010年、 個人、企業、団体からの寄付のみで運営されている非営利団体。 コロナ自粛で収入の道をたたれた家族や学校でのランチにありつけない子供達へアメリカ国内だけで約40億食を提供した。

World Central Kitchen/WCK.org

ウクライナ侵略が始まった時には、ポーランドとの国境に8つの仮説キッチンを設け避難民に100億食を提供。そして現在は戦地のガザに支援を続け、投下支援物資への食糧寄付、そして食料を積んだ船を運行中である。

ホセさんはインタビューで「食べることは生きること」と述べていた。どんな悲惨な状況にある人もせめて温かい食事をできるよう何がなんでも貢献したい、という。

まとめ

貧困、戦災、災害と、食事が満足にできない人の数は世界中に必ず一定数いる。そんな中、豊かな国で捨てられていく食べ物。とっても考えさせられちゃうじゃないか….。

アメリカでは、フードドライブと言って食べ物の調達に困る家庭向けにパスタや 豆類の乾物や缶詰類、箱に入ったお菓子類の 寄付を募るチャリティーがとても盛んだし、 無料で食べ物を受け取りに行けるフードバンクという常設の施設もある。

Photo: Food Bank of North Indiana

ホリデー前にはサンクスギビングのターキーやクリスマスのハムを受け取れるイベントもあるのだが、日常出る食品のロスを効率的に再利用するシステムはあまり充実していないという事実。

行政レベルでの介入は私が調べたところ皆無、契約レストランの閉店後にバンで店を回って残り物を回収する、草の根的なボランティア活動はかなりある。TGTGはそんな中、画期的なアプリだと私的には思うしできるだけ利用したいとは思うんだが、我が家の近所でクッキーやクロワッサンばかりもらってきてもな….。

加盟店の増加と利用者の増加はみっちり相関関係にある。アプリの知名度が地方でも上がっていくことを望むばかりだ。 おばちゃんには世界の貧困や飢餓を助ける手立ては無いが、このアプリを使って携帯充電922回分をセーブし カーボン排出量 減少に貢献できたと言うのだけでもなかなかいい気分だ….。



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ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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