なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


ナイス・カントリーズとトランプ聖書

“Nice” Countires  ナイスな国

先日行われた選挙資金集めのイベントでトランプが言ったのは

「あのね、アメリカは、移民を受け入れるならナイスな国からだけにしたいの、ナイスな国、例えばデンマークとかさ」。

そういや彼は大統領任期中の2017年に「合衆国はグリーンランドの買収を考えている」とランダムに発言、直接打診されたかどうかは分からないがデンマーク首相が「売りになんか出てませんよ」とツイート(X)したという出来事があった。グリーンランドはデンマークの行政自治区。トランプは北欧が好きなのか?

グリーンランド?アイスランド?

第一なぜにグリーンランド?アイスランドの間違いじゃないの?風光明媚、観光地のアイスランドと勘違いして自分のホテルやゴルフ場を建設できると思ったんじゃないか?

建国のときに、現グリーンランドはアイスでいっぱいだからアイスランドと名付けられる予定だったらしい。「それだとほんとに寒そうに聞こえちゃう」ということで、寒い方にグリーン、そうでもない方にアイスと名付けたというエピソードがあるんだけども、トランプはグリーンランドのほうが現アイスランドだと思ってたに違いないとおばちゃんは確信している。

これもトランプ任期中、プエルトリコがハリケーンによる大被害を被ったときに、常に「アメリカ・ファースト」を謳っていたトランプが「なぜ他国の災害に巨額の支援をする必要があるのだ!」と却下。側近が「あ、あの、プエルトリコってアメリカ合衆国の一部、自治領なんですけど」とおずおずと修正。このウソのようなホントの話は退職した元職員の暴露本で明らかになった。トランプ大統領、自国と世界の地図くらいは勉強してから立候補してくれ。

結果トランプはプエルトリコを訪れ災害支援をアピール。困る住民に支援物資を「ほら、ペーパータオルだ!」「トイペが必要なやつはいるか?」と会場のあちこちで伸びる手に向かってフットボール投げ….。あー、そんなことをみんな忘れてしまったのか?なんだかアイツがまた大統領になるかもしれないというのが信じられんよ。

MSNBC News https://www.msnbc.com/top-stories/latest/solar-eclipse-2024-donald-trump-rcna146722

そしてね、前回、2017年の皆既日食。サングラスや裸眼で太陽を見上げないようにしましょうとテレビもSNSもどこを見ても言ってるし、ほとんど常識となっていたにも関わらず、しっかりと裸眼で太陽を見上げた人はだれでしょう。はい、トランプです。

上の画像に数字がついているのは画像提供元のMSNBCニュースがご丁寧にも「裸眼で6回も見上げました」とカウントしてくれているからだ(笑)今回の皆既日食のときにもこの映像がまた色んなところで流れていた。

いじられどころ満載のトランプ、時々日本ではユーモラスでおちゃめなおじいさんという感じの報道も見かける。確かにね、一般人だったらプエルトリコ知らないとか、つい日食を見上げちゃうってかわいいかもだけどさ、彼は元大統領だしこれからまた大統領になるという野心を抱いている危険思想の持ち主だ。可愛くなんかない。

一体「ナイスな国」って何よ?

経済が安定している国、という意味だろうか。それとも「白人の国」?イスラムじゃなくてキリスト教国?そう言えば、かさむ弁護士費用(トランプは合計96の罪状で複数の起訴を受けている)で火の車のトランプ家の台所、困った彼が金のスニーカー399ドル(6万1千22円!!)に続いて売り出したのは「トランプ聖書」。

(https://godblesstheusabible.comより)

God Bless TheUSA Bible  ガッドブレスThe USA聖書「The USA に神のご加護を」聖書と名付けられたこのトランプグッズ。「ガッドブレスアメリカ」という表現はよく口にされすっかり一般用語だけれど、この聖書はアメリカ、ではなく The USA

トランプの集会ではリー・グリーンウッドの曲 God Bless The USAが大音量で流れ参加者たちは声を合わせて「The USA! USA! USA!」と雄叫びをあげるのが習いとなっていて、この聖書、がっちりとトランパーの心をわしづかみにするタイトルが付けられている。革の装丁は星条旗だ。

ちなみにトランプの金のスニーカーについてはこちらのブログ読んでね 👇

なぜスニーカーや聖書を躍起になって売らないといけないかについてはこれらのブログをご参照のほど。

さてさて一体トランプ聖書とは

聖書販売元 GodBlessTheUSABible.com に行ってみた。聖書のお値段59ドル99セント、今日の換算で9,172円。約1万円としてChatGPTに「日本で1万円あったら何が出来ますか?」と聞いてみた。お答えは

「1万円は、投資信託やタンス預金、旅行などに利用できます」

(笑)(笑)(笑)タンス預金(笑)ChatGPT、堅実やな。

質問を「日本で一万円あったら何が食べられますか」に変えてみた。色々美味しいサジェスチョンが出てきた。

(画像は全農さんウェブサイトよりお借りしました)

岐阜県美濃加茂市に千年伝わる極上の干し柿「堂上蜂屋柿」一個8,000円っていう最高級品もあるそう。食べてみたーいい!!

お、お、これどうよ?名入り完全オーダーメイドの足立音衛門「栗のテリーヌ」、とにかく聖書なんかより全然いい。

(画像はぐるなびippinより)

さて、トランプ聖書に話を戻すと、これを1冊買うと巻頭おまけが色々ついている。

  • Handwritten chorus to “God Bless The USA” by Lee Greenwood トランプ手書きのリー・グリーンウッドの歌の歌詞。集会に持ってきて賛美歌のごとく歌えってか?
  • The US Constitution 合衆国憲法
  • The Bill of Rights 権利章典(憲法補足事項の人権保障規定)
  • The Declaration of Independence 独立宣言
  • The Pledge of Allegiance アメリカ合衆国への忠誠を表す宣誓

うーん、とっても右寄り….じゃないすか?とくに上から3番目、人権保障規定がやばい。これは合衆国憲法の補足事項1条から10条までを指すんだがね、これがまた解釈の余地がありすぎて今のアメリカの社会的問題、分断、対立の根源になってると言ってもいいすぎじゃないような。

第1条は「言論の自由」。トランプは2020年大統領選妨害の罪で起訴されているんだがこれを弁護団は「本当は俺が勝ったんだ、バイデンはズルをして勝ったんだぁ!と主張したのはトランプに保証されているべき言論の自由だ」と主張して却下された。

第2条は「武器携行の権利の保証」。1791年制定。「1991」年じゃないよ、「1791」年だよ。この2条を盾に取って、と言ってはなんだがね、銃を携行する権利を主張する輩も団体も多くてアメリカにはこんなにたくさんの銃がはびこっているわけなのだ。

西部開拓のパイオニア時代にはまあ必要だったかもしれないが、今2024年だしさ、だいたいね、制定された頃には軍隊仕様のAR15マシンガンなんてなかったわけだ。数秒で何十人も殺害できるような銃でさえ自己防衛の手段として素人がウォルマートで入手できるというのは何が何でも常軌を逸してると思うんだけれど、思惑とカネ。なくならないんだよね。トランプ支持者の大半はこの第2条の信奉者である。

まとめ

長くなったが何がいいたいかと言うとね、とにかくトランプ、どんどんと民主主義に背中を向けて逆方向に走る人たちを煽っている。アメリカだけじゃないこの傾向。ナイスな国とナイスじゃない国。白人と有色人種。お金持ちとそうじゃない人。LGBTQとそうじゃない人。クリスチャンとそうじゃない人。こんなふうにどんどん対立が増えてさ、困っちゃうよね(・_・;)

大統領選を控えたこのアメリカに住んでると日々いろんなことを考えてしまうわけなんだが、今日の残りは干し柿と栗のテリーヌの味を思い浮かべつつトランプのいない日本に思いを馳せて楽しく過ごそうと思うわけよ!



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ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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