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いよいよ大統領選・ニューハンプシャーの巻

先日のブログで、大統領予備選について「簡単に」書いたつもりだったんだが、読んでみて書いた本人(私)もよくわかんないような複雑な仕組み。気を取り直して🦾今週の動きをまとめてみたい。

複数の立候補者の中から、各州ごとに行われる予備選で各党が代表の大統領候補を選抜し、11月の大統領本戦に臨むという仕組みはわかっていただけただろうか。

先週は保守党の予備選第一弾がアイオワで、昨夜は第二弾がニューハンプシャーで行われた。

民主党はバイデンの指名がほぼ決まっているため今年は予備選の重要度は低い。かたや保守党は10名以上の候補者が名乗りをあげていたが1人、また1人、と脱落し、現時点で残っているのはトランプと、元サウスカロライナ州知事、インド系美魔女のニッキ・ヘイリーのみ。この二人が保守党候補の座を巡って戦っている….

…のだが、昨夜行われたニューハンプシャー州での「プライマリー」と呼ばれる予備選で、アイオワ州に続きトランプが勝利。ニッキ・ヘイリーが全国的に勝つ見込みが低くなってしまったが、彼女は次のサウスカロライナでの予備選に向けてレースの離脱はせずトランプ打倒に向けて戦うと決意を表明した。

ニューハンプシャーでの結果はかなりの確率で今後の展開を正確に反映すると言われている。ブッシュがニューハンプシャーで敗退していながら大統領候補となった2000年のプライマリーがここ何十年間で稀なケースということだ。

ニューハンプシャーから一夜明けたアメリカは、トランプが保守党代表になるに違いない、つまり本戦はトランプ対バイデンの一騎打ちになるのだろうという予測が大方だ。

「保守党の皆さんに聞いてみました」

ここで驚くなかれ「保守党の皆さんに聞いてみました」。バイデンは前回の大統領選に勝って正当に大統領になったはずなんだが、「トランプがもっと票を集めていたにも関わらずバイデンはズルをして大統領になったと思いますか」との問いに、なんと保守党支持の70%が YES と答えるのだよ。彼らにとってはこの4年間はニセモノの大統領が職についていたわけで、トランプの返り咲きは正義を証明するためにも必要らしい。

トランプが、数百ページにも及ぶ証拠に基づいて連邦政府から選挙妨害・詐欺の疑いで起訴されて公判待ちという身であるに関わらず、保守党ではどうも、バイデンがトランプを人柱に立てて自分の不正をもみ消している、というという話になっているのだ。

目の前でガラガラと崩れていく感のある憲法の「立法行政司法」。犯罪や刑罰を司る「司法」に対する市民の信頼が低くなった社会っていうのはメッチャ怖いと思うんだが…..。

ニッキ・ヘイリーの勝算は

とにかく、全国的には70%の保守派がトランプのウソを信じているなかニューハンプシャー州では「オンリー49%」(それだって高いと思うが)であり、極右よりも中庸派が多く、そして大学卒の比率が高いことから(トランプ支持者の学歴平均は低い)ニッキ・ヘイリーの健闘が期待されたが、12%の差をつけられて敗退した。

彼女が勝てるとしたらニューハンプシャー州だと言われていたので、今後の巻き返しができるかどうか。出馬時には「まさかね」と言われつつ今日まで来た彼女だから、びっくりするようなこともないではないかもしれない。

トランプ、大丈夫か?

アイオワの直後に行った集会で、いつものとおり何の原稿もなく、政策について触れるでもなく、喋りたいことをただベラベラと喋るトランプが、えんえんと対抗馬ニッキ・ヘイリーの悪口を捲し立てていた。が、あれ?なんか話が噛み合わない。

ニッキ・ヘイリーは下院議長ではなかったし、トランプ派が起こした国会議事堂での暴動時には議事堂にいもしなかった、なのにニッキが議事堂で反旗を翻したことになっている。???

なんとトランプ、もう一人「大嫌いな女性」政治家である元下院議長ナンシー・ペローシとニッキを混同しちゃったのだよ(・_・;) 単なる言い間違いじゃないんだよ。5分以上だよ???

もしトランプが大統領になったら、現バイデン大統領の任命時よりも更にトシが上になる。ニッキとナンシーを取り間違えたように、フランスとイラクを間違えちゃったりしたらどうなるよ?韓国と北朝鮮を間違える、とかさ。ほんとに心配なんだけどね……。

中絶問題とエコノミーがカギ

一体なんなんだ?とアメリカを震撼とさせたのが中絶問題。トランプ選出の保守派最高裁判事が増え、中絶容認の根拠となっていた有名な過去の判例が覆された。それを機に保守派の州で次々に中絶が基本的には禁止となり、先日は出生後数時間で死亡することが確実であり、しかも母体が危険ということで一度は認められていた中絶がテキサス最高裁の仲裁でおじゃんになり、他の州での手術を余儀なくされた若い母親の例がニュースを賑わせていた。

喜んで中絶をする女性はまずいない。その決心に至る道のりは全くして個人的な事柄。暴行の結果の妊娠だってある。女性の意思も選択も軽んじるこの傾向に、保守党支持の女性の中にも中絶問題だけはどうしても超保守派にはついていけないという意見が多く、ここでかなり票が分かれると見られている。

トランプはこの点についてはあいまい。どちらとも宣言していない。

ニッキは、以前ははっきりと「私の夫は実親に育てられず、養子として育った。彼の命が救われたことを心から嬉しく思っている。だから私は中絶に反対だ」と表明していたが、「極端な政策はいただけない、なんでも現実的に捉えるべき」とも言っていて、これは中絶もケースバイケースという雰囲気を漂わせているわけだ。

エコノミーについては、最近アメリカでは、全ての経済指標は上向きであるにも関わらず個人的に暮らし向きが良くなったという実感が庶民にはない、という「ミステリー・エコノミー」、つまりワケワカメ状態。これをどう改善できるかをアピールできる候補者が強いということなんだろうけれど、一体どうなることか。ネ?



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ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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