なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


いじめっ子とお財布事情

昨日のブログで、90年代に性的暴行をされたとトランプを訴えていた元コラムニストのE.ジーン・キャロルさんの勝訴のお話をした。今日はその続き。

トランプ怒る

判決直後に自分のSNSである Truth Social トゥルス・ソーシャルに、

“Absolutely ridiculous! I fully disagree with both verdicts, and will be appealing this whole Biden Directed Witch Hunt focused on me and the Republican Party. Our Legal System is out of control, and being used as a Political Weapon. They have taken away all First Amendment Rights. THIS IS NOT AMERICA!”

「馬鹿げている!!この2つの判決には絶対に同意しない。バイデンが率いるこの魔女狩りは、俺と保守党をターゲットにしているのだ、絶対に上訴する。我が国の司法制度は崩れ、政治的な武器として乱用されている。合衆国憲法の補足条項第一条「言論の自由」をアイツらが私達から取り上げてしまったのだ、もうここはすでにアメリカではない!!!」

アイツら、というのが誰を指すのか極めて曖昧だけれどもそれもまた戦略、トランプファンは「トランプと俺たち」という強い仲間意識で繋がれ、反対勢力は全員「アイツら」。

こんな判決でさえも支持者たちの団結とさらなる忠誠心を高める材料にうまく使うあたりがほんとに困ったちゃんだ。

トランプのお財布事情は?

このキャロルさん事件、もちろんトランプは上訴を決めている。上訴が棄却するまで支払いは保留なのかと思ったら、おっとこどっこい、もうすでに支払い義務が発生しているそうだ。123億円だよ?

支払いは、上訴の結果が出るまで裁判所預かりで、キャロルさんには支払われない。

一括で裁判所に支払うか、または金融機関に頭金を支払って信用為替小切手を発行もらうことができれば現時点での一括全額支払いはまぬがれる。

が、小切手の場合は金融機関への手数料並びに利子が発生するし(トランプは利子が大嫌いなのだ)、第一、訴訟まみれのトランプに信用為替を出してくれる金融機関はあるのか、というところ。

ちなみに昨年判決のキャロルさんへの損害賠償金 $5ミリオンドルはこの為替をどこからか出してもらって支払ったということだ。

キャロルさん事件の次に判決が出る裁判は、トランプ社の税金・金融不正事件。もし原告ニューヨークの訴え通りの判決が出れば、トランプの支払い義務は $370ミリオンドル、約555億円となる。

昨年、所有していたホワイトハウス至近のホテルをトランプが手放した際、売却金額が$375ミリオンドルだったということなので、その分そっくり持っていかれる勘定だ。

今後は少し行動を改める???

実際にキャロルさんが賠償金を受け取れるのはトランプがすべての法的手段を使い果たしても判決を覆せなかったときのみ。何年先になるかはわからないが、昨夜この判決が出、トランプの否が認められた、ということ自体が原告側の目的がかなったということだ。

トランプは今日はラスベガスで政治集会。さすがにこの懲罰的損害賠償の金額にはギョッとしたのだろう、トランプは、その長い演説の中でもキャロルさんを誹謗・侮辱する発言はまったくなかった….。

法律の専門家でもなんでもないおばちゃんのワタシだけれども、トランプが個人的に気に入らない相手をめちゃくちゃに誹謗中傷する癖、この懲罰的損害賠償で少し収まるんじゃないかと見ている。

アメリカの判決はとにかく「過去の判例」に帰依する傾向があるので、これからは中傷された人が揃ってトランプを民事裁判で訴えれば、この判例が適用されてトランプはどんどん保証金を払わないといけなくなる可能性が高いんじゃないだろうか…?

ほんとにお金持ちなの?

トランプの Net Worth 純資産総額は、と言うと、昨年11月のブルームバーグ社予想では約$3ビリオンドル、約4440億円。たくさん所有してる不動産価値や株、債権が多く含まれている。ちなみにテイラー・スウィフトの総資産額は $1.1ビリオンと言われているのでその3倍か。不動産はあるが、手元のキャッシュはあまりないと言われているトランプ。

Photo: Politico

自己所有のトランプ・ジェットで全国を飛び回り、何処へ行くでもいくら元大統領と言ってもあまりに大げさな黒塗り大型車のモーターケードで警護を引き連れて移動するさま、どう見たってお金がかかりそうだ。一生に一度プライベートジェットに乗れたらばんばんざいのワタシら庶民とはちょっと違う。

でもそれはトランプが支払っているわけではなく、全て「選挙資金」で賄われている。巨額の政治資金の出どころ、深堀りすればするほど金額が大きくなり、寄付金の受け取りを代行する団体間の資金のやり取りは煩雑の一言に尽きる。

ロ、ロマンス詐欺…..???

団体によって政治資金の使途に制約があるため、トランプの莫大な弁護料を捻出するために団体間でお金を行ったり来たり。昨年は訴訟費用を出していた団体ではほとんど焦げ付きも出たと言われているこの資金、昨年の四半期にはまた50ミリオンドル、750億円近い額が難なく集まったということだ。

だから、見出しの答えとしては実はトランプ、お金持ちには違いないだろうが、ロマンス詐欺を働くコモノとちょっと生活スタイルが似てはいないか?

テキサスの金持ちに貢がせながらノースダコダの裕福な未亡人をたらしこんでプライベートジェットで贅沢な暮らし。テキサスからのお金が尽きたら今度はノースダコダ未亡人のお金で贅沢を。そこもお金が尽きたら次はネヴァダ….と州を渡ってロマンス詐欺を働くそんな姿。

ちょっと重なりませんか…..?

**後日記**ますます緊迫してきた模様のトランプお財布事情、続きはこちらでお読みください。



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ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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