なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


EU 裏ばなし話2、人生を考える

ニューヨーク、楽しかった?と旅も終盤に入った3人に聞くと口を揃えて「何をしてても何を着てても誰も全く気にしないのがすごく心地良い!」という。確かに(笑)。

フランスではそうは行かず、お互い観察してジャッジし合う文化なんだって。

メトロでお向かいの席に座っている女性に「一体なに、その組み合わせ???」と眉間にしわ入れてジロ見されることも。パリと言えばお洒落なカフェの前に出された小さなカフェテーブルでエスプレッソを飲むパリジャン・パリジェンヌ、だけど、あれも元はと言えば、街を歩くひと観察のために生まれた文化だって(笑)日がな座って道を通る人の身なりと振る舞いをチェックして厳しくジャッジ。それを反面教師に自分磨きに励む。だからフランス人っておしゃれにならざるを得ないのか。ソーシャルプレッシャーだ。

だけど、お洒落で誰も敵わないのは北イタリアはミラノのあたり、それも男性なんだって。ふつーのセールスのお兄ちゃんたちだってバリッとしたスーツにほんの少しのぞかせたきれいな色の胸ポケットのチーフ。それと全く同じ色じゃないが完璧にマッチする色を選んで履いたソックスをのぞかせるとな。体型も髪型も完璧。

仕事でしばらくミラノにいた旦那さんは、みんながとっかえひっかえおしゃれなスーツを着替えるのを見て、パリよりも給与水準の低いミラノではきっとわりと手頃なお値段で手にはいるんだろうと思ったらそんなことはなかった。おしゃれが優先順位の第一位、飯は食わねど高楊枝、じゃなくて飯は食わねどスーツでおしゃれか。フランス人に「すごくおしゃれなんだよ」と言わせるミラノ男性たち。すごいな、ググってみよう(笑)

「北国」という言葉の持つイメージ

おもろいなと思ったのは、「ノルウェー」は

Filthy Rich フィルシー・リッチ ゲロ金持ち

なんだよ、と教えてもらったこと。実はEUのメンバー国ではないノルウェーだが、EUの広義の共同体 EEA(ヨーロッパ経済領域)の中でずば抜けて裕福でそのため社会福祉がものすごく充実しているという話だった。なんでかと言うと石油、石油よ。人口は400万人とちいさく、一人あたりGDP(国民総生産)はなんと106,000ドル。1500万円を超える。

お隣フィンランド(こちらはスウェーデンとともにEUメンバー国)、石油はないが税収入と森林業で同じく国庫は豊か。一人あたりGDPも比較的高く51,000ドル。教育水準の高さは有名だし、午後4時以降働く人はいないらしいよ。

アメリカの一人あたりGDPは76,000ドル、日本は33,000ドル。フランス41,000。豊かでお金持ちの印象があったドイツもノルウェーには遠く届かず49,000だ。

私達は北欧諸国のことを「スカンジナビア」と呼ぶが、ヨーロッパでは

North Countries ノース・カントリーズ 北国

と呼ぶようだ。社会保障、教育、子育て、働き方、環境など意識も高く「北国」たちは他のヨーロッパ諸国から一目置かれているっぽい。社会保障については私の印象通りだったが、北国の国庫が死ぬほど豊かというのは考えたこともなかった。今でもバイキングが森にウロウロしている印象の(すまん)ノルウェーがねぇ。へぇーっ。

以前、スウェーデンでサステナブルハウスを建てようとした男性が自家発電の許可が政府からいくら待っても下りなくて困っている、社会主義国なのでみんなが同じじゃダメというのがフレキシブルじゃない、と文句を言っていた。外から見てどんなに素晴らしく見える北国にだって、住む人にはなにかしら不満はあるだろうし、頑固なフランス人もフランスもどーしようもねえと思うが、自分たちの暮らしには満足してるんだよ、という友人夫婦。

可愛いったらない娘ちゃん

ジュリエットちゃんがフランスに帰る前にアメリカで絶対買って帰りたいもの、それはね「イーティ」だという。フランスには売ってないの!だからぜえっったいほしいの!というが、「イーティ」って一体何だ???

スマホを渡して検索してもらったら

YETI イェティ 

というアメリカの保温保冷のステンレスのドリンクウェア。それもラベンダー色の35オンス入りと決めて来ている。学校に持っていって自慢したいんだって。かわいいのう。アメリカのポップなカルチャーやグッズや「ニューヨーク」はおフランスでも「ご自慢事項」。アメリカも捨てたもんじゃないネ(笑)

どういうわけかアメリカのティーンの間ではパジャマのズボンというものが市民権を得ていて、学校にフランネルやフリースのパジャマのズボンで登校しても全然平気、どころか、学校の名前の入ったパジャマも売られている(一応はパジャマとして売られてるんだがそれで登校する)。うちの末っ子も「ちょっと買い物行ってくる」と言うからてっきり着替えると思っていたらそのまま車のキーを持って出ていったのでぎょっとしたことがある。

フランスの学校にユニコーン柄のパジャマで行って、ジャッジされたら胸を張ってこれが今一番新しいアメリカンスタイルよ!って自慢したらとジュリエットちゃんに言ったらそれはダメだって(笑)

まとめ

彼らの、私見といやぁ私見ではあるけれど、EUのリアル、住んでる人から聞く裏ばなしは美味しすぎた。再会は、数日たった今でも心が弾むほど嬉しく、彼らの人生と自分の人生、どこに住んでいても人生は人生、こんな当然のことを友人を通じて再確認できたことが大きな収穫だった。

どこに住んでも、どんな人生を送っても、いいこと悪いこと、山も谷もある。親が病気になったり、怒鳴り込んでくる隣人やどうにも好きになれない同級生の親もいれば、育っていく子供を見る喜び、思いがけない親切に出会うことや、もしかしたら宝くじに当たることだってある。

あふれかえる銃や連日のトランプ騒ぎでアメリカにげんなりしてはいるが、このロケーションも含め私の人生だ。上向きにするのも下向きにするのも自分次第だな、なーんてことを謙虚に考えさせてくれた素晴らしい再会だった。

26年前とおんなじ、話すときには胸の前で小さく指揮をするようにてのひらを動かし、丸くすこし内側に折れる小指を見て、ああこんなに時間が経っても絶対に忘れない情景がある、と胸が熱くなった。



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About Me

ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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