なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


EU 裏ばなし1 

遠足前のこどものようにウキウキする、という表現があるが、今週の私、まさしくそんな気持ちで夜を過ごした日があった。

カリフォルニアの大学院時代。東京での温々した暮らしから、いきなり質素な大学の寮と油が浮くピザが出てくるカフェテリアの暮らしに放り込まれ(っていうか自分で飛びこんだんだがね)授業に行けば自己主張の強いアメリカ人の海でもみくちゃにされ、そんな辛い時期に仲良くなった優しい優しいフランスからの留学生。二人で手を取り合ってその後の2年間を生き延びた。

家族とニューヨーク旅行にやってくるというその彼女と、26年ぶりに生身で再会することになった。会う前の晩は、楽しみで夜中に何度も目が覚めた。フェースブックにお互い活発でない私達、彼女の今の顔はリンクトインの小さな丸い写真だけ。どんなふうにかわっているだろうか、それともかわっていないのだろうか。きっと今でも痩せ型なんだろうな、彼女の娘さん、一体どんな感じなんだろう!旦那さんの話が出ないけど、もしかして離婚したとか?と想像が頭を駆け巡り、リュックの中のお菓子や「お弁当に何を入れてくれるかな」が気になった子供時代の私そのままだった。

泊まっているホテルに迎えに行く。その時点ではお話に旦那さんも登場しており結婚式にはいけなかったけれどその時の彼、オリジナルの旦那さんだ(笑)良かった、離婚してなかった、幸せそう!お互いにあまりに遠く、違う人生。ここしばらくは連絡も疎遠になっていただけにこんなに嬉しい再会はなかった。

ロビーで優しそうな旦那さんがまず私を見つけてくれ、振り向いた彼女と私の同時の反応、それは体を2つに折っての「大笑い」であった。

あまりにかわっていなさすぎる(笑)シワはちょっとできてたけど、私のシミだって負けてないぞ。彼女も私に「かわってない!」と同じことをいい、その後はもう26年間などなかったかのように大笑いが続いた。

オーストリア人の旦那さんとの間の娘さんは、13歳になったばかり。3人で我が家に来てくれて、一日中いろんな話に花が咲いた。

「EUで暮らすってどんな感じ???」

EUってさ、アメリカより社会が全然進んでる印象だよねー、どんな感じ?と聞くと、実はフランスはとても保守的でEUの中では意識的には後進国だという。

彼女は2年前に勤めていた会社が外資に買収されたのを機に退職し、キャリアを積んだ業界ですぐに次の仕事が見つかると思ったら、女性であること、そして年齢が引っかかり、今はコンサルタントのフリーの仕事をしながら求職中だという。従業員数が1000人以上の企業についてはジェンダー差別やエイジズムの規制があるが、大企業にはほとほと疲れた彼女が就職したい中小企業には全く規制も罰則もなく、未だに男性優位、頑固なフランス人のおっさんたちがブイブイいわせているという。

しかし、求職中は3年まで政府からもらっていた給料と同等の失業保険が出ると聞いておったまげた。3年だよ?学校はただ(大学も!)、国民皆保険と、保守的ではありながらもその辺の社会保障はアメリカよりぜんぜんしっかりしている印象だ。

旦那さんが生まれ育ったオーストリアやドイツは事情が違い、女性進出や環境問題についてフランスよりも意識が格段に高いという。旦那さんが子供だった40年以上前にはすでにごみの仕分けやリサイクルは普通のことであり、オーガニック野菜や乳牛の安全な飼育が生活の中に織り込まれていた。フランスは、と言うと彼女がごみの仕分けを始めたのは30を過ぎてから。日本はいつ頃だったかな、導入されたのは同じ頃だった気がする。

ゲイの結婚が認められたのはフランスはやはりずっと遅く3年前だって。アメリカは2015年に合法化したから、個人の自由や性意識についてはアメリカが多少進んでるな。でもアメリカは今、すごいスピードで逆戻りしている….アメリカは、最高裁が中絶合法化の金字塔となった過去判例を翻して以来、保守州ではどんどん中絶が禁止になってきている。

女性の自由が少しづつ削り取られていくアメリカの様子を見て、フランスでは慌てて「中絶をする権利」を追加条文ではなく憲法の本体に織り込んだ。

トランプについてはアメリカ国外では「もう、ワケワカメなんですけどぉ?」とみんなが頭を目を丸くしてる状態だって。トランプだけでなく対抗馬のバイデン、EUウケはいいもののあまりのご高齢に「アメリカってこんなに人がいるのに他に誰かいないわけ???」とふたりとも不思議がっていた。

遊んでクレクレ攻撃

そんな間、大のわんこ好き!というかわいいかわいい娘さんジュリエットちゃんが、うちの

Needy ニーディ かまってちゃん

3匹とガンガン遊んでくれて、おばちゃんめっちゃ楽だったわー。夕方は疲れ果ててくれて散歩のおねだりもなかった。

どんどん弾む話、EUの話をたくさん聞けた。フランスの中学生のリアルや学校給食など興味深い話も。

明日も引き続き読んでね!



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About Me

ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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