なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


エスニック料理あれこれ

エスニック料理、って死語?

わたしがディスコ・ジュリアナが大流行のバブルの東京で女子大生をやっていた頃、デートで行くカジュアルおしゃれなお食事の人気第1位は「エスニック料理」だった。

フレンチやイタリアンよりもお手頃で、ちょっとエキゾチックなご飯。

「エスニック料理」の定義はと言われるとちょっとおぼつかないがあの頃はおもに東南アジア料理を指した。ホントだったらアフリカ料理なんかも入るんだと思うけど。

中華、韓国、インドはもうすでに独立カテゴリーだったね。いや、インドもエスニックに入ってたかな?メキシコはどうだろう?

今もあると聞いているが、広尾商店街の中のラ・ホイヤというメキシカン。あそこでナチョスを初めて食べたときは衝撃だった。熱くオーブンで温めたコーンチップにスパイスの効いたチリ、チーズ、アボカド、サワークリームがどっちゃり。今も思い出すな。

へええ、メキシコってこんな感じなんだーって、なんとも無知で無垢なバブル時代だったな。懐かしいにゃーーー。

バブルの東京、エスニック料理がはやり始める前には「辛いもの」と言えばインドカレーが主流だった。2倍カレー、30倍カレー。45分以内に完食したらお代はいただきません、なんていうのもあった。

私の記憶が確かならば、辛くておしゃれなものとして流行り始めてエスニックブームに火をつけたのは、タイの辛酸っぱいスープ、トムヤムクンだった。ココナッツミルクが入っているもの、いないもの、エビがたくさんの店、レモングラスが効いてるお店、と雑誌にはいろんなトムヤムクンが紹介されてた。

Ethnic エスニック

は「民族的」という意味だから、エスニック料理というと本来は外国から入ってきた食べ物をすべて指すはずだけれど、アメリカでエスニック、と聞いたら何となくアフリカの布やかご、そして食べ物を連想する。東南アジアや和食は

Asian Food アジア料理

であり、エスニックフードと呼ばれることはまずない。

伝統的なアメリカの食事に比べ、健康的で野菜も多く取れるアジア料理はかなり前からブームで、今はもうすっかり定着した感がある。この郊外の町、さすがに「スシ」を食べたことがないという人はまずいないし、普通のスーパーでも売っている。

テイクアウトの中華はヘルシーなチョイスではないので大手を振って「大好き!」という人はいないけれど「今夜どうする?」「簡単にチャイニーズのテイクアウトでいいんじゃない?』という立ち位置で、やはりアメリカ人のアジア料理のトップ。

一般的なテイクアウトの中華とは違う、

Bao 中華風ハンバーガー

Dumpling ダンプリング(ぎょうざ、シュウマイなど飲茶メニュー)

このあたりが今とっても流行っている。

タイ、ベトナム、コリアンと続くが郊外の町では採算が取れないのか、このあたりはタイ以外はあまりレストランがない。ベトナムは2軒、コリアンも2軒。

でもタピオカ・ティーなどスイーツの店はちょっと頭に浮かぶだけで5軒はある。ものすごく人気。

モチ・ドーナツ(いわゆる、ポン・デ・リング)やモチ・アイス(雪見だいふく)、日本風の菓子パンも人気。クレープを重ねたミルフィーユケーキも話題だ。そしてフィリピンからやってきた

Ube ウベ、タロイモ

日本の紫芋のような色合いが人気で、ウベを使ったケーキ、ドーナツ、アイスクリーム、と何でも人気。

忘れちゃいけないマッチャ系スイーツ。マッチャのつづりはMATCHA。Tが入る。そしてスイーツじゃないけどスナックとしてのたこ焼きも。

アジアン・スイーツがこの郊外のアメリカ人にとってのトムヤムクン、火がついて流行中、絶賛導入中だ。

ここからたった40分のニューヨークでは郊外とは様子が全く違う。1ブロックに何軒もレストランがひしめいて、ありとあらゆるものを手軽に食べられる。

人気のアジア料理は言うまでもなく、中近東、アフリカ、地中海….。ギリシャ系は移民が多いこともあって人気だ。マンハッタンを歩くとホットドッグの屋台と同じくらいあちこちにシシカバブのトラックが出ている。

メキシカンに至ってはもう異国料理でなく、ピザと並びアメリカンメニューの立派な一部だ。

Ethnic Food エスニック・フード

で検索するとやはりアフリカの料理が上位に出てくる。

Ethnic だけで検索すると、アフリカの特徴ある民族衣装をまとった人の写真や民芸品の紹介。

その中にこんな記事を見つけた。

「白人の料理以外」という意味でエスニックという言葉を使うのはもうやめませんか?音楽も、服装も、生活習慣も、というメッセージの主は、本も出している著名なフードブロガーで料理関係のクリエイター。

ちょっと注目してしまったのは、肌の色から彼女は白人ではないことが明らかだが、O’ のつく特徴のある名字はアイリッシュだ。

世界中で流動的に食べ物も文化も人種も入り混じり、何がエスニックなのか、かつてはエスニックだったけどもうエスニックじゃないのか、よくわからなくなってきている。

人種問題に敏感なこの国で、私も「エスニック」と聞くと差別?かなという気持がふっ、と胸を横切る。私もこのタラさんと同様に、自分に馴染みのないものをひとまとめにして「エスニック」と呼ぶのは時代遅れな気がする。

でも、バブルの時代、自分が「エスニック」に浮かれたあの思い出は別だ。なんともイノセントな時代だった。楽しくて、今思うとこっ恥ずかしいこともたくさん。

自分の中では、はっきりくっきりのHD画像の思い出だけど、ネットで見る80年代、90年代は上に一枚セピアの薄紙をのせたみたいなぼやけた画像。

お昼にパッタイを食べたよ!と友達にきいて「エスニック料理」を連想し、バブル時代、自分の肩パッドやソバージュへとトンデモナイところまで私の思考は飛んだ。

エアロビクスのハイレグ!思い出しても恥ずかしい(●´ω`●)



“エスニック料理あれこれ”. への3件のフィードバック

  1. エスニック、普通に使いますが、そんな意味だったとは知りませんでした!!
    日本ではまだ普通に使ってますよ。
    タイとかアジアとかそんな感じのをひっくるめてエスニックって言ってますね。
    でも、最近はタイ料理のことはタイ料理って言ってるな~。
    これからは気を付けるようにします(*^^)v

    バブルを謳歌された世代だったんですね。
    羨ましいです!!
    私が大学生の時はすでに崩壊していて、就職超氷河期時代でした(泣)

    それにしても、写真が美味しそうで食べたくなりました。
    今日、タイ料理にしようかな(笑)

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  2. 旅する栄養士さん、

    いつも読んでいただいてありがとうございます。

    村上春樹さんだと思うんですが、言葉は記号、使う人達がみんなでこういう意味だと決めればそれが意味になるんだというようなことを昔書かれていました。

    アメリカではエスニックや東洋人を意味するオリエンタル、という言葉はちょっと差別風味になりますのでよくないですが、日本で普通にエスニックという言葉が使われていてみんながその言葉から想像するものが同じならそれでいいと思うんですよ!

    はい、バブル満喫しました。26歳の長男もかなり苦労しましたので、お父さんとお母さんはあの時代に日本でブイブイできた人類で一番ラッキーな人たちだ!と言います。そんな気もします。氷河期、たいえhんでしたね(´;ω;`)

    いいね: 1人

    1. オリエンタルが差別風なんですか!!
      それも知りませんでした。
      気を付けます!!

      バブル時代。。。羨ましいです(≧▽≦)

      いいね

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About Me

ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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