動物愛護団体に勤めていた私は、自称、雑種犬評論家。雑種犬になんの血が混ざっているかを考察するのが大好きだし、実はだいたい当たる(笑)。
この写真のワンコは、まず絶対にチャウチャウ。そして尻尾はハスキーかジャーマンシェパードなど、狼よりのわんこの血だ。でも足の具合から見て、柴犬かも。柴犬も手で引っぱってもすぐにクルンと戻ってしまう巻きの強いふさふさしっぽを持ってるんだよねー….と私は写真を見ながら盛り上がっていたのだが….実は我が家ではこのチャウチャウをめぐり小さな事件に巻き込まれそうになった。
大きくなったら絵描きさんになる、と決めていたくらい夫は子供の頃からお絵描きが好き。現在も「週末画伯」でちょこちょこと色んな絵を描いている。実はこの辺りのカフェや図書館で小さな展示会を開いてもらったこともある。
最近、一念発起してインスタを立ち上げ「描いてほしい題材があったらお気軽にご連絡下さい」とプチ宣伝を始めた。そしたらなんとたったの数日で知らない人から「あなたの絵、素敵ですね。息子がかわいがっている犬の絵を描いてほしいんですが」と打診があった。
今まで家族や友人に描いてあげたことはあったけれど、知らない人がインスタで自分の作品を見て、自分に描いてほしいと依頼をしてくれた!
こういうときの英語の表現は
He is over the moon. ゲロ喜んでる
であるが、ほんとに月の表面で飛びはねている夫の姿が見えたくらい喜んでいた。相手からは早速「コレをお願いします」とチャウチャウの写真が送られてきた。
チャウチャウの犬種分析の他にも、鉛筆画?水彩?大きさは?いくらぐらい払ってもらう?と私たちは相当盛り上がり、そうこうしてるうちに依頼主から「300ドルでどうですか?ペイパルに今すぐ送りますけど」と連絡があった。
300ドルが妥当なのかどうかはわからないけれど、夫は「お金なんかいらないから描いてあげます」状態なので文句はない。
相手は送ったと言うけれど入金はない。相手から「お金入りましたか?」と連絡があった。まだありませんと言うと「変ですね、ペイパルから連絡してもらいますね」
このあたりまでは私たちはなんの疑いも持たなかったのだけれど、ペイパルから送られてきたそのメール。みなさんもアマゾンや銀行を装ったメールを受け取られたことがあると思うが、同じ香り…..。どうも変。
「ダニエルさんの入金を受け取るためには先ず200ドルの保証金を入金して下さい。その後300ドルを受け取ることが出来ます。」
オイ!これって、もしかして詐欺….。
なんてかわいそうな夫。その時点で夫は仲良しや離れて住む長男に「おとうさんはとうとう画家デビューなんだぞ❣」なんて連絡済み。月の表面でるんるん踊っていたのにいきなり地球のどん底に急落下。
世に出たいと願うアーティストたちの気持を逆手に取ってこんな手の込んだヤらしい方法で、しかもたったの200ドルをだまし取るためになんて悲しいの。でも引っかかってる若いアーティスト、たくさんにいるんだろうな。
こんな複雑な詐欺を思いつく頭脳があるのなら、何かもっと世の中のためになることに使ってはいかが?とがっかりし、Human Nature 人間性って一体….と考え込んだ。このチャウチャウの写真はどこから取ってきたんだ?このわんこ、まさか自分がこんな犯罪に悪用されているとは思っていもいるまい。なんだかなー。
みなさんも気をつけてくださいね。
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