Fascinator フォーマルな帽子、頭飾り
昨日の戴冠式に続きイギリスネタ。
イギリスで式典がある時に目が離せないのが、女性参列客の頭にちょこんと乗った色とりどり、形とりどりの帽子や頭飾り。それをファッシネーターと呼ぶ。
ラテン語の ”Fascinare”が語源で、英語のFascinate (魅了する)という単語から来ている。確かに派手で目の行く、時におったまげるファッションアイテムだ(笑)。
飾りのあまりついてないシンプルなものから、ウィリアム皇太子の結婚式にかぶった従姉妹のベアトリス王女の帽子のように、後々までイジられることとなる奇抜なものもある。写真をココでお見せできないのが残念だけど、リンクはこちら 👇
https://people.com/royals/princess-eugenie-royal-wedding-princess-beatrice-famous-hats/
私的にはかぶる人のセンスが丸見えの結構大事な小物だと思っている。だからちょっとベアトリス王女は…..うーん。ヨコのお姉ちゃんのもかなり来てるな。
イギリスでは未だに
White Tie ホワイトタイ
と呼ばれる超・正式な集まりには女性も頭飾りをつけていくのがマナーとされる。食事どきにも頭に飾りがないというのは、上半身裸とまではいかないだろうけれどもとりあえず大変な失礼に当たるらしい。これも時代の流れとともに変わっていくのかな。
ちなみに、男性は白の蝶ネクタイにお尻の長いテイルコートと呼ばれる上着。ズボンはハイウエストで折り線は何本、と細かくルールが決まっており、女性は
Full Evening Dress イブニングドレス一式
その中には当然頭飾りが含まれる。ホワイトタイは、聞き慣れた Black Tie ブラックタイのもういっちょ格上となる。
庶民には奇妙に聞こえるし見えるけれど古くはマリーアントワネットのダチョウの髪飾り。あの辺りが発祥で、こんな感じで受け継がれていったらしい。
Hatinator という言葉もある。ファッシネーターはヘアバンドやピンで止めたチョコンとしたもので、華やかな飾りのついた帽子は、Hat と Fascinator を組み合わせた造語で別名称の Hatinator と呼ばれるらしい。
ファッシネーター、ハットネーター、ハット、と私らにはあまり差が実感できないアイテムだけど、実は切実に違うらしいのだ。ファッシネーターはダメ、ハットはオーケーというイベントもある。
Royal Ascot ロイヤルアスコットは、毎年6月にロイヤルファミリーが主催する馬競技の社交イベント。超セレブでスノッブなイベントで、もちろんドレスコードはホワイトタイ。
このイベントのドレスコードが2012年に改訂になり、女性のスカートは膝上禁止、そしてファッシネーターが禁止になり、女性は「Hat」をかぶるべし、となった。どうも、奇をてらったド派手なファッシネーターが増えてきてそれを牽制するためらしいが、でもさ、ハットだってド派手にしようと思えばできるよね?
ま、行間を読んでくださいね、奇抜な頭飾りはやめましょうね、というメッセージのようなものかもしれない。そういうド派手で見せびらかすような格好は絶対にしない(ベアトリス王女以外ね)育ちのいい伯爵やら公爵やらにまじり、俳優や実業家といった「成金」ゲストが増えてきてインスタに載せるためにめっちゃ派手で露出度の高い服装をする輩が増えてきたことを懸念したらしいけど、なんとも品が良くてイヤラしいシグナルの送り方ではある。排他的〜〜〜。イギリス貴族階級の18番だ。
さて、件のベアトリス王女のファッシネーターには続きがある。ご本人はもともとそういう意向があったのかは不明だけれど、あまりの凄さに話題が独り歩きして、彼女のかぶったこのベージュの奇妙な頭飾りのFacebookページまでできてしまった。
その話題性を逆手に取りベアトリス王女はこの帽子をeBayでオークションに出し、その利益9万9,000ポンド、約1,700万円をチャリティーに寄付をした。誰がせり落としたのかは知らないが今はどこかの美術館か個人のコレクションにちんまりと静かに飾られているだろうあの変なファッシネーター。機会があれば是非見てみたいものだと思っている。上のリンクでちゃんと見てね。おったまげるから!
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