なんちゃってニューヨーク

上の息子が保育園から一緒だったE君、お母さんはアメリカ人、お父さんはヨーロッパのある国、XXのご出身です。

うちの子と同じ、アンラッキーにも神様からADHDの遺伝子をしっかりとプレゼントされ、普通の人たちより少し人生が難しいのです。それもあり親同士も親しくなりました。お互いサポートないとね。

両方の親子とも満身創痍になりつつなんとか高校を卒業、ご想像つかないかもしれないと思いますが、ADHDの子供の軌道修正をさせながら何かを達成させるのって難しいのです（笑）。

よく羊飼いのわんこがうまいこと羊の群を誘導して小屋まで連れて行く映像がありますが、その羊の代わりに「猫」を誘導しているところを想像してください。もう、ニャーニャー勝手なところに行ってみたり丸太に乗って遊んでみたり。歩くどころか転がってペロペロ顔の掃除してたり。

そういう感じ。ハッと気づいて後ろを向くともう何か違うことをしてるのです。

この2人、大学受験の書類を自分でちゃんと揃えるなんてできないので、うちの夫とEくんのお父さんは、自分たちが大学受験をもう一度やって合格したような気分だと言っていました（※注　試験を受けたのは本人たちです、それは顔写真があるので）。

ある意味自由人たち。それだけあって、発想は豊かです。うちのは文系ですが、E君は子供の頃からバリバリの理系で、天才！という感じの頭の良さがありました。

Eくんは（親が）苦労して入った大学を1年留年しただけでちゃんと卒業。どう考えても企業に就職するタイプではないし、在学中からメキメキと「ある」テクノロジー部門への才能を発揮。お父さんの出身国であるXX国（そのテクが結構発達してる）のエリート大学の大学院に進学することになりました。

お父さんがその国の国籍を持っているので、Eくんも国籍を取得できるんですがそれにはXX語の試験に合格しなくてはいけないという条項があります。かーんたんな試験ですが、とにかくその申し込み、準備、試験に行くというのをしない

ADHDの遺伝子があらゆる所で彼の邪魔をする…

弟のNくんは夏休みに遊びに言った間にサクサクと試験を受けて国籍取得。お父さんはもう、E君へのフラストレーションで禿げそう（その気持ち、よーくわかります）。

だって、国籍持ってたら学費だってタダです。でも「俺は語学は嫌いなんだ」と言って、試験を受けない。ですから今XX国には学生ビザで滞在しているのです。

さて、なぜXX国と名を伏せているかというと。

ADHDで日常生活一般ダメだけど「天才」Eくん、いま修士過程で在学している大学の博士課程へ無料で進学しませんか、学費も生活費も負担します、という申し出が、なんとその国の「諜報機関」から！

しぇーーーーー。

在学中と終了後にもちろんその組織に貢献することが条件ですが、多分はっきり文書にできないのでその貢献全容ははっきりしない…..

あの、機関車トーマスをうちの息子が取った、と、ところ構わず泣き喚いていたEくんがXX国の諜報部員（？）に。お腹が緩くて下痢ばっかりしてたんですが、今はもう大丈夫なんでしょうか。諜報に行って下痢はよくない。

さて、話はここで終わらないのです。なんとEくん、学生ビザの延長手続きを「忘れていた」ので（ADHD）、ただいま意図せずXX国に違法滞在中。お父さんは頭を抱えている….

違法滞在の外国人を諜報機関にリクルートするXX国も太っ腹、っていうかなんていうか。

その機関から手が回ったのか、割とスムースに再申請ができるそうで（普通はできませんよ？？アメリカだったら一度違法したらもうアウトです）一難逃れたんですが、一体これから彼の人生どうなるのか目が離せません。

＊注　ヨーロッパのXX国は、ロシアではありません、念のため。