このピカピカのお寿司のあと事件は起こった。会う人ごとにこの話をしているので『もう聞いたよ?』と思う方もいらっしゃるかもしれません。
何度も繰り返して皆さんに聞いてほしいほどの衝撃の体験は、日曜日のコミコミ原宿、あの表参道で携帯を落としてしまったというお話です。
なぜにあの混んだ原宿にひさびさに帰国した私を連れて行こうと思ったのかわからんが、渋谷でご飯を食べたあと友達の案内で原宿に向かった。期待を裏切らない混みあい様、肩が他の人とぶつかるけど、それも久々の日本でなんでも楽しい。
アラ還二人ではしゃぎながら表参道を下っていった。
少し行くと右側に長い行列ができている。ジャニースのあの有名な『合宿所』の真ん前だ。行列を辿っていくと甘ーい香りがしてきた。
I’m donut?
俺様はドーナツか?という名のお店だけどドーナツの並んだショーケースはない。普通に茶色の丸いドーナツ(カレーパン風)と同じ丸いののチョコ味の2種類のみ、というなんとも強気なドーナツ屋だ(観察した限り)。
行列は日本人の若い子だけじゃなくて、観光客の老若男女も目立つことからなにかのガイドブックにのっているものと推測される。
注*調べると福岡発祥の『新感触』のドーナツらしい。だから『ほんとにドーナツなの?』なのね。はい、外国人向けの Time Out マガジンや食べログでもたくさん紹介されてました。
おばさん二人、大喜びで写真を取りまた歩き出す。
ラフォーレのある横断歩道はまるで満員電車。これは写真取らなくっちゃ、とバッグを探すが携帯がない。
出発前に買った大ぶりのバッグは旅行にぴったりと思ったんだが、ポケットが多いっていうのは良し悪しね。何かを取り出したあと、ちゃんと決まったポッケに戻すような人にはいいかもしれないが、私はほぼ一日中全部のポケットを探ってごそごそと要るものを取り出す羽目になりイライラっっ💢と来っぱなしだった。メルカリ行き決定。
しばらく深いバッグを探って携帯を探し、あーめんど、このバッグ、見つからんわ、と千疋屋の下に腰を落ち着けて探す。中の物を全部出して探す。
ない(・_・;)
しーんんん。さっきのドーナツやさんに置いてきちゃったに違いないと友達と足早に戻る。お姉さんに聞いてみたけど届いてないという。そこからまた交差点まで目を皿のようにして行ったり来たりしてみるが、あまりの人出でもちろん見つからず。
まるで自分がなくしたようにオロオロしてくれる友達。これはもう一生忘れんよ(´;ω;`)
この間約20分。頭はぐるぐる。帰国の旅程はまだまだ残っていてこの先携帯がなくてはお話にならない。モバイルSuicaだってダウンロードしたばっかり、しかも3000円入ってる。
携帯、買うしかないような。でも待ってよ、買ったとしても私の契約は海外だ。どないすんねん?
ラップトップも持ってきていたからクラウドからダウンロードはできるだろうけど、電話番号のシムとかさ、よくわかんないけど、どうなるんだろ?でも携帯そのものがまず、なくてはお話にならないよね….
表参道にはでっかいアップルストアがあるやん?もうそこに行って聞いてみるか、買うしかない。友達はアイフォンの新しいのを持っている。いくらだった?と聞いたら13万......型落ちなら10万で行けるか?米ドルなら1000ドル以下で済むな(・_・;)
アップルストアの近くで無くしただけましか。私の携帯はアイフォン11で、これはきっともう新しいのを買いなさーいという神の思し召しに違いない….な訳ないけど、そういう精神状態よ。
ぐるぐるぐる......混乱とショックで頭と目が回る。地面も回る。
ま、しゃーない、アップル行ってみる、と言ったら友達が『さすがアメリカで鍛えられたね!気持ちの切り替えが早いよ、偉いよ!』と褒めてくれる(笑)
友達、さらに『ネ、まだ20分しか立ってないから無理かもだけど、いちお交番に聞いてみよっか?』と携帯で番号をググってかけてくれた。交番と思ったら直接渋谷区警察に繋がった。
しばらく友達がなくした場所の説明などしてくれて、携帯の特徴は、と聞かれ受話器を渡してくれる。こういうときの質問事項というのは決まっているようだ。
警察の人:「カバーは何色ですか?」
→ わたしのカバーは半透明のオーロラ色で、ピンクからブルーのグラデーション、しかも見る角度で色が変わる。説明のしようがない『ピンクのような、ブルーのような....』
「携帯本体は何色ですか?」
→ わかりません...覚えていません....たぶん、グレー?
「電話会社はどこですか?」
→ アイフォンです。
「あ、いえ、電話会社です、ドコモ、とかauとか。」
→ …..AT&Tです(・_・;) 海外ローミングなのでその時々で変わるんです、ドコモだったり、auだったり。
「他になにか特徴はありますか?」
→ ケースの裏に小さい金属のピンクの丸(この説明なんやの、とその場で自分にツッコミ)が貼り付けてあって、そこから黒いひもが出ています。
「ひも?ストラップのことですか?」
→ あ、はい、すみません、ストラップです、黒いストラップ。
もうその時点で警察の人の懐疑的な声色、流石に出てこんやろな〜〜という絶望に混じるかすかな希望でわたしの胸は張り裂けそう。相手のメッチャ落ち着いた対応が『冷たさ』に感じられて涙が出そう。
「待ち受け画面は?」
→ 犬です….。
そして、ここでわたしがこの先、一生忘れられないであろう衝撃の質問が投げかけられた。
「プードルですか?」
&%$#!!?$(*&%%^@O%)????!!!!!おーまいがっ!
はいっ、はいっ、はいっっっっっっっっっっっっ!!!!プードルです、プードルです!!!!!
「該当の携帯が神宮前交番に届いています。今表参道ですね?交番はラルフローレンの真ん前なので取りに行ってください。」
うそー!出てきた….出てきたよ!!!!
本邦初公開わたしの待ち受け
(実はゴールデンドゥードルだけどこの際そんなことどうでもよい)
数歩歩くとそこにラルフローレンが。その前に立っている小さな四角い箱のような交番に駆け込んだ。
たった2分の間に渋谷警察署からは『プードルの画面』の携帯の持ち主がそちらに向かいます、と連絡が入っていたようで、書類と揃えて私の愛するアイフォンが、証拠物件を入れるようなジップロックに入れられて鎮座ましましている。再会の歓喜のあまり思わず手を伸ばそうとしたらさっと引っ込められてしまった。
書類に記入と署名をしていただきますので。
涙目と震える手で受け取りに記入する私の姿を友達が角度を変え距離を変え『記念写真!!!!』と言いながらバシャバシャ写真を撮る。はしゃぐアラ感還二人、それを咎めるでも反応するでもなく淡々と手続きを進めるお巡りさんニ名。
書類が終わると、パスコードは何番ですか、確認します、と聞かれる。
その直前、渋谷で食事中に「お互いパスワードの同じやつの使い回しってやばくない?でも変えたら覚えられんのよね〜」と話題にしていたところ。お巡りさんがその番号を入れるとプードルが消え、おなじみの画面が浮き上がる。友達『あはは、ほんとにこのパスコードやったん?』と爆笑。
ホテルに帰ってからこの話をアメリカの夫にすると、オドロキと感激で、普段は全然使っていないfacebookに事の顛末を書いた…..。
アメリカの友達からの反応は…..???この続きはまた次のブログで!
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