なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


仕方がないとわかっていても

25歳の長男は、去年のクリスマスに5年間付き合っていた人とお別れしました。

大学3年生のときからずっと一緒で、まるで兄妹のような仲の良さだったので別れたと聞いたときにはびっくり。

そして、この私を襲ってきたなんとも言えない寂しさ。ロスです。

5年もの間、私の人生の一部分だった人とある日突然なんの関わりもなくなる。そしてそのロスは自分が招いたものでもなければ、自分が修復できるものでもないのです。

私からメッセージすることもできなければ、向こうから可愛らしい写真入りのテキストが来ることももう無い…。

その子は息子より3つ下で、大学の同じサークルの後輩でした。イタリア系アメリカ人の家庭で育ちましたが、赤ちゃんのときに中国は北京のガソリンスタンドにおくるみ一枚で捨てられていたのを保護され、海を渡ってニューヨークまで養子になって来ました。だからみかけは全くのアジア人。

私はかなり年が離れて妊娠した下の息子のエコー検査で、性別がわかったときにがっかりして泣いてしまったというくらい女の子が欲しかったのです。編み物を教えたり、一緒にケーキを焼いたり、お買い物に行ったりするのがユメだった….。それが叶わず、しかも産まれたのはふたりともADHD(笑)子育て結構大変だった。

その子がうちに来るようになってから、自分に女の子がいたらこんなふうだったんだな、っていうことをたくさん経験できました。一緒に買物も行ったし、編み物も。何より嬉しかったのはその子はお料理がとても好きで、日本食の作り方をイチから教えてと言われて一緒にキッチンに立てたこと。

不思議だなと思ったのは、育ちがアメリカ人でも味の好みや気持ちのあり方がとてもアジア人なのです。読んだ本には、遺伝子の書き換えっていうのは3代かかる、違う場所にいきなり連れてきてもすぐに人間の生成が変わるわけではない、と書いてありました。

アメリカ人にありがちなちょっとキツイところがなくて、ほんとに優しい。息子もそんなところがとっても好きだったんだろうなと思います。

夫も、生みのお母さんを知らないその子にやっとアジア人のお母さん代用ができたみたいな気がしてるんじゃない?と言ってくれて、私たち、とっても仲が良かったのです。

それが、ある日を境に私の人生から消えてしまいました。

3匹の中で長男(犬)がとてもなついていて、その子の名前が会話に出ると「え、来てるの?」という感じで息子の部屋まで探しに行っていました。きっと「あの人はどうしたのかなあ」ってときどき考えてるに違いない…。

下の息子も交えて3人でよくハンバーガーを食べに行ってました。下の子に「寂しいね」って言うと、お兄ちゃんに絶対それ言わないほうがいいからね、って念を押されます。そんなんわかっとるわ。

皆さんはこの問題にどう対処していらっしゃるのでしょうか (´;ω;`) お付き合いだけじゃなくて、子供の離婚ってこともありますよね。それに、別れた奥さんの方に孫が行ってしまって頻繁に会えなくなる、とか。

ほんとに人生って、経験してみなければ「こんな種類の気持ちが存在してたのか」とわからない心の襞がたくさんあります。

アラ還になり、自分探しや人の目を気にして悩むなんてこということはもうなくなったけれど、違うタイプの

Heartache  心の痛み

が。これらは避けて通ることはできないみたい。くすん。別れに至った当人たちのほうがもっと辛いだろうけど、お母さんも寂しいよ….。



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About Me

ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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