ニューヨークの市内に住んでいたら夕方思い立って当日券でサクッと見にいく、なんてこともできるんだろうけれど、ニュージャージーに住んでいるとブロードウェイまでショーを見に行くというのは「大仕事」で「大イベント」。
まず交通機関、車で行くと駐車が大変です。止めるところは下の写真のようなところが街のそこここにあるけれど、とにかく高い。そして、パーキングにたどり着くまでのマンハッタンの道は、慣れている人でもかなりのテクと度胸が必要な難易度5のまるで「ゲーム」。配達トラックやピザのバイク、配達便の自転車におなじみ黄色いタクシー。でっかいバスにゴミの車、そしてサイレン鳴らして走り抜けるパトカー。
ニューヨーカーはせっかちなので、赤信号でも向こうから車が来てなかったら平気で渡るし、時々おまわりさんが乗った馬が隣を歩いてることも。それを避けながら進み、一瞬でも青信号で躊躇していると即、うしろの車がクラクションをビービー!です。キンチョーします。
電車で行くと、ショーが終わった11時過ぎに10ブロック南に降りたところにあるペンシルバニア駅まで歩くか、タクシー、またはウーバーで行って、夜間は極端に少なくなる郊外行きの電車に乗って我が家の最寄駅まで約45分。駅に止めておいた車で家までは10分足らずですが、これもまた疲れます。
こんな時間まで外出っていうのがね、トシのせいでこたえますヨ….
日本から来た人がみんなおったまげるんですが、マンハッタンと、この辺を結ぶ通勤電車 NJ Transit (NJトランジット鉄道)にはいまだに自動改札がなく、黒い鞄を腰に下げた車掌さんが各車両を回ってくるのです。チケットや定期券(さすがにこれはアプリ)を「どこから乗ったの」「どこまで行くの」とチェック。紙のチケットを持っているといまだにあの、ハサミみたいなのでチョキチョキして行き先のところにパンチ穴を開けます。レトロ。
日本で、みんながアップルウォッチや薄い定期券入れをかざしてよどみなく改札をすり抜けていくあの流れ、感心して見てしまう。
どうしてニュージャージーではいまだに車掌さんシステムなのか、ということについてはまた別の機会に。
電車の距離としては東京から立川、日野、という感じですが、マンハッタンから見て私の住む郊外の街は、心理的にはほとんど日光。よく見積もっても大宮。と言うと東京の方はお分かりいただけるでしょうか?
距離感とチケットの高さで、ブロードウェイのショーを見に行くのはやはり何か特別な「ハレ」の機会になります。もちろんそうじゃない人もたくさんいると思いますが私の周りだと
「昨日ブロードウェイ行ったよ!」というと
「えー!!!いいな!!何見たの!!!」という感じでたくさん「!!!」が返ってきます。
頻度としては、盆・暮れって感じでしょうか笑笑
子供も入れて4枚チケットとなると、「盆のみ」年に一回かなあ。
とっても楽しかった観劇のお話はまた明日以降にさせていただくとして、タイトルの「B and T」、これは「ニュージャージー州民」を指すジョークです。
意味は要するに「イモ」。
つまり、Bridge (橋)または Tunnel (トンネル)、ニューヨークからはジョージ・ワシントン・ブリッジ、またはリンカーン・トンネルのどちらかを通過しない限り行き着くことのできない地の果て、それがニュージャージー。
ここに引っ越すと決まった時に「B and T になれるね、おめでとう!」と夫の友達にからかわれ「ありがとうございます、楽しみです」と答えて笑われたのはもう20年以上前….
今では私もすっかりB and T、根っからの Jersey Girl ジャージー・ガールとなってしまいました。
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