なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


アメリカ不測事態

海外旅行に出るといろいろと不測の事態が、というのは知れたところだが、遊びに来た甥っ子も、飛行機が遅れて乗り継ぎに困ったり空港内で日本のクレカが使えなかったりドキハラがたくさんだった。心臓バクバクになりながら遅れに遅れ、午前3時にうちにたどり着いた。搭乗前にクレカ使えず何も食べれなかった上にフライトが真夜中便で軽食なし。

そして彼が到着した我が家一体はなんと停電(これがまたよくあるんだ、この先進国で。予告なんかもちろんないしいつ戻ってくるのかもわからない。だからうちのジェネレーター持ってる)。手元がよく見えないまま午前3時に握ったおむすびは塩のつけすぎ、食べられた代物ではなかった。

私は日本とアメリカにしか住んだことはないけれど、アメリカは旅行中でなくても不測の事態に見舞われることが日本よりもずーーーーっと多い。今日は他にもアメリカで思わぬアクシデントに、という人のお話を聞いてこの30年の間に遭遇した「嘘でしょう?」系の体験をいろいろと思い出していた。

私の友だちは12月、クリスマスの4日前に病院で帝王切開で出産をした。退院の日はクリスマスイブで看護師さんたちも浮足立ち、早く帰りたい様子が伺えたらしい。帝王切開の傷は塞いできていたけれど、メディカルホッチキスはまだついたまま。

メディカルホッチキス….これ、日本でも使うんだろうか????私も二人目が帝王切開だったけれど、ヨコ15センチくらいのキズが開かないよう、大きめのホッチキスで5箇所くらいパチパチと止めてある。とてもシュールな光景だった。形も文房具のホッチキスのはりと同じだ。もしかしてこれ自体オドロキだったりして?

さて、退院時に彼女は、ホッチキスは?とふと思ったらしいが、だれも何も言わないし、検診で戻ってきたときに取るのだろうとそのまま退院をした。そして検診で戻ってきたときの担当医の「ギャッ!」という叫び。

だれも、ホッチキス取ってくれなかったの????

その時点でもうホッチキスのはりは癒着していて、なんと局所麻酔でひとつひとつ切り離すしかなかった….手術後、病院からその請求書が届いたという厚かましさ。払ったかどうか聞くのは忘れた。

私の帝王切開だってびっくりがあったよ。アメリカの病院代が宇宙的にバカ高いのは皆さんもご存知と思うが、帝王切開は保険適用内なので自己負担分だけで済む。ところが、後日病院から届いた請求書には、なんだかびっくりするような数字が書かれている。自己負担分の他100万円近くの金額。

びっくりして保険会社に問い合わせた。

保険会社側の説明は、帝王切開は、保険適用指定の医師が施術した場合は自己負担分のみであるが「あなたの手術の「麻酔医」だけ指定医ではなかったから彼の分は全額負担になります….」

その麻酔医が登場したときには、私はもちろん手術着、立会の夫も病院のガウンに帽子とマスク。私の産婦人科の先生はカチャカチャとメスの用意をしたりしている。頭の上にはこうこうと手術用の照明が灯り、つめたいステンレスのテーブルにこれから裁かれる魚のように横になっていたのだ。

麻酔医は「効いてきましたかー」「これどうですかー」といいながらわたしのお腹をつまんでいる(多分)。一部分、いたた、という場所があったので、あの、そこまだみたいです、と言ったが無視された。そいつは産婦人科の先生にゴーサインを出し帝王切開が始まった。確かに切るときはなんともなかったんだけど「さ、出しますよ」と言われたときにまるで私の喉までお腹の傷から引きずり出されているような痛みが。だから、効いてないって言ったのに!!!

なのに、そいつは堂々と請求書を٩(๑òωó๑)۶!!!

私は手術台、夫はこれから奥さんのお腹を切られる、というときに「あの、あなた保険指定ですか?」なんて聞きますかね?聞かないよ、普通。保険のきく病院で産んでるんだから、お医者さん一人ひとりのステータスで請求が変わるなんてだれが思うよ?

聞いたところでどうする?いいえ私は保険医じゃないです、と言われたら「じゃ、今日のところは麻酔は遠慮しときます」っていうの?痛いよ?

結果から言うと、1年かかったけれど夫の会社の保険だったので最後は人事の人が入ってくれて払わずに済んだ。だけどそれにこぎつけるまでの書類の量と連絡に費やした時間。何度、もういいやと投げ出しそうになったか。

この手の保険絡みのトラブルならいくらでも書けるよ。保険、車の修理、運転免許、チケットの手配、そのへんは落とし穴がボコボコで、何もトラブルがなくスムースに行ったらほとんどびっくりしてしまう。

こういう社会の落とし穴を埋めていくのが長い目で見た賢いやり方だと思うんだけれど、どうもこの社会、余裕がなくて目先のトラブルを解決したら、こういうことが次は自分じゃなくてだれか他の人に起こりますようにと神様にお願いしつつ

move on  忘れて次に進む。

タフにならざるを得ない社会なのだよ….



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ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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