おばちゃん(わたしね)の数少ない特技の一つは、腹は立てるがすぐ忘れる、ということである。最短5分からオーバーナイトで忘れるので、この年まで大きなストレス性の病気なくやってこれたのかもと結構ホンキで思っている。
だけど世の中には引きずる人というのがいるもので。
ハリーとメーガンだよ….。「王室、ムカつくんでやめさせていただきます」と大騒ぎでアメリカに出奔したのが2020年の1月。もう4年経つのにまだ色々と腹に据えかねることがあるらしく、家族の二人ががんと闘っているロイヤルファミリーにさらなる心痛を与えるような行動が毎日続く。毎日だ。朝起きてニュースを読み「え」と思わない日はあんまりないね。
フォ・パだらけの二人
表題の
Faux Pas フォ・パ エチケット違反
フランス語由来のこの言葉は、例えば正装のパーティにジーンズで行ってしまうとか、ディナーパーティで大きなオナラをしてしまうとか、恥ずかしい!と本人も周りも体が縮こまってしまうような失敗や、伝統的に許されないマナーやルールに反するような行動を指す表現だ。
Royal Faux Pas ロイヤル・フォ・パ
と「ロイヤル」がつくと、王室関連のしきたりや慣習を知らなかったり無視したりで「う....ひ、顰蹙」と周りが思ってしまう行動になる。王室女性に対面するときは Curtsy カーツィと言って膝を折って挨拶するのがしきたりだが「なにこれ、中世でもないのにばっかみたい!」(メーガンの発言)といってやりたがらなかったりするの、これは究極のロイヤル・フォ・パ。
このお二人は自分たちで出ていったんだから、もう「ロイヤル」ではなくてただのフォ・パなんだけど、この4年で彼らが犯したフォ・パ。数え上げるときりがない。
塩を飲み込め
私は王室に友だちがいるわけでもないし報道を通しての知識なので、この令和のバカップル、ハリメについて見聞きしたことはできるだけ
Grain of Salt グレイン・オブ・ソルト ザラザラの塩
と一緒に消化するようには心がけている。
I try to take the things with grain of salt. 何事も見聞きしたことをそのまま鵜呑みにするのではなく疑ってみましょうね、という意味なんだが、毒をもられる危険性の高かった中世に、まず塩を飲み込んでから食事をしておけば危険が避けられた、というとこから来ている。だから塩を食べてからニュースは見聞きしましょうね、騙されちゃうからね、という意味で使われる。
ああ、この二人、ツッコミどころがありすぎだ。おばちゃんは塩は毎日山盛り食べてから記事を読むようにはしているが、だめ、効かない。赤の他人のワタシが気の毒になってしまうくらいのバカップルぶり。考えずに行動するから、やることやること裏目に出て、どんどん自分たちの掘った墓穴にハマっていく。
なんちゃってロイヤルツアー
超ド級のフォ・パ、これはやはり今週の「なんちゃってロイヤルツアー・イン・ナイジェリア」だろう。一体何でそんな事になったのかよくわからんが、ナイジェリアの国防大臣のご招待を受け、3日間にわたって国賓扱いのレッドカーペット待遇を受けたバカップル。名目は「次回のインビクタスゲーム(戦傷者のための世界的なスポーツ大会)誘致のため」。
貧困に苦しむナイジェリアの国庫でこの待遇、メーガンは一日に何回もデザイナーブランドのおべべをとっかえひっかえ、張り付く笑顔と気取った態度がああ、板についてない…..。
DNA鑑定の結果私は43%がナイジェリア人だったの!ということで、「私のふるさとに帰ってきたわ。あなた達みんなの中に私自身を見てるようだわ」と感動のスピーチをしたのはいいが、ハリーと出会う前の女優時代にはELLEマガジンの取材でマルタ島に行き「実は私のルーツはマルタ島なんです。ここに帰ってくるとやはりふるさと、肌にぴったり来ます」という巻頭特集を組んでいたことをすっぱ抜かれた。
っていうか、誰もすっぱ抜いてない。巻頭特集だ。それを忘れたのか?DNAって数年で変わるのか?ただの嘘つきなのか、計算高いのか、馬鹿なのか、それともマルタとナイジェリアは同じ国だと思ってたのか?
あのね、ロイヤルファミリーが嫌で出ていったのに、どうしてロイヤルツアーみたいなことするの?イギリス大嫌い、と公言憚らないメーガンがなぜ「メーガン・マークル」で出る記事には細かく抗議の文書を送り「修正してください、私の正式な名は
Meghan, Duchess of Sussex サセックス公爵夫人メーガン
ですので」と主張するよ?大嫌いなイギリスからもらったタイトルだよ。ネトフリのドキュメンタリーや伝記本で家族のことめちゃめちゃに言ったよね?あれよくないよ?フォ・パだよ?世界中の人がそう思ってるんだよ?
営業停止命令を出されたハリメ
誰かこの二人に賢いアドバイスをするPRの専門家はおらんのか。たくさんPRを雇っても、二人が言うことを聞かないのか?先月英国でのイメージ向上のために新しいPRをまた二人雇ったばっかりなのに、まだまだ続く謎の行動。
ロイヤルでいたいのか、ハリウッドスターになりたいのか。このあたりのミッションステートメントをきちんと立てないと、方向性は揺れる、その場しのぎの馬鹿な行動で乗り切ろうとする、そしてその言い訳の裏を取られる、と悪循環は止まらない。
ナイジェリアでチヤホヤされた二人を帰りの飛行機で待っていたのは、二人が運営する「アーチウェル財団」というチャリティ団体がカリフォルニア州から営業停止命令を受けたというニュース。
それも、今年の1月から団体登録料を支払っていない、というありえないようなビジネス上のミスだ。今年に入ってからすでに4人が依願退職しているアーチウェル財団。きっとその一人が担当者だった?
その理由としてハリメが出した声明は「郵便局で送った小切手が紛失しました」。しないって!第一、そんな支払い小切手でやってるわけ無いじゃん1960年代じゃないんだからさ。誰も信じないし、これがまた「二人がついた笑える嘘」リストに新たに加わることになる。
どういうわけか世間のモラルや良心やルールは自分たちにはあてはまらないという勘違いを無邪気に信じる二人。馬鹿なのか、自信過剰がすぎるのか。そのへんトランプとそっくりじゃん。
手を繋いで歩くフォ・パ
自分たちがチヤホヤされて「ロイヤルっぽいイメージ回復」のために役立てたかったのだろうナイジェリアへの旅。北東部ではイスラム過激派ボコ・ハラムによるキリスト教地域への残酷な襲撃が未だに後を絶たない。女子は教育を受けるべきではないという思想の元、大規模な女子生徒の誘拐監禁事件が何度も起きている。外務省からはナイジェリア全土にレベル2以上の渡航中止勧告が出ている国だ。
イスラム圏でなくとも、ナイジェリアは未だに女性器切除や幼年結婚など深刻な人権問題がてんこ盛り。国民の2分の3はユニセフ統計による「激貧」カテゴリーだ。そんなことをちゃんと調べてから行ったのか?
ロシアや中国がアフリカ進出を虎視眈々と狙うなか、チャールズ国王が首長を勤める「コモンウェルス(英連邦)」の存在の重要度が増してきている。イギリスの植民地だった国々など53カ国で成り立つこの緩めのつながりは、目立つ存在ではなくとも「西側」民主主義の基盤構築、そして歴史的文化的つながりがアフリカ諸国が極端な方向へと走ってしまわない心理的な歯止めになっているというベネフィット。
父親チャールズが静かに果たしている役割、ハリメはそんな事をわかってはおるまい。ナイジェリアに行く直前に英国に立ち寄ったハリーはわざわざ「国王はスケジュールが詰まっており他の優先順位があるので自分に割く時間はないそうです」とプレスリリースを出し国王が「息子に会おうともしない薄情な父親」とほのめかすことを忘れなかった。ナイジェリアが属するコモンウェルス首長の父親の立場を考えていたら、そんな事できただろうか?
英国まで出向きながら、ヒースロー空港の「ウィンザースイート」王室専用ラウンジを一歩も出なかったメーガン。そのスイートの使用を許してくれたのはチャールズではなかったか?
「それをやっちゃぁ、おしまいよ?」という エチケット違反にルール違反 Faux Pas が二人着飾って、世界中で失笑を買いながらしっかりと手に手を取り合い旅して回っているかの如き二人。腹立たしいというのもあるが、気の毒だ、彼らにとってもロイヤルファミリーにとっても。
家族からは血圧が上がるからハリメの記事は読むなとクギをさされているおばちゃんであった。
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