なんちゃってニューヨーク

普通の人のアメリカ生活


グルーミングと次男の裏切り

暑い日が続く。今日土曜日の最高気温は96度と予報が出ている。96度は摂氏35.6度、ほぼ私の体温だ。

昨日は近くのユニオンという町まで出かける用事があったが、道端の電光掲示板には98度と表示されていた。22号線という6車線の大きな幹線道路沿いに郊外型のショッピングセンターや巨大な映画館などコンクリートの建物が並び、緑はほとんど見当たらない。緑が残る住宅地の自宅付近は93度。わずか15分の距離なのにこんなにも差が出るのだから、人間が作った建物がどんどん増えた地球全体の温暖化、いずれ避けられないものがあったんだよな…..。

で、このクソ暑い中なぜにさらに暑いユニオンまで行ったかというと、我が家のワン、下二匹(我が家はわん3匹の多頭飼いです)の

Grooming  グルーミング

「散髪」である。

日本ではワン散はトリミングと言うけど英語はグルーミング。日本ではグルーミングは悪い人が子供や被害者を手なづけるという意味で使うことが主らしいね。ヒャ。こちらでもその意味もあるけど縁のない世界なので、グルーミングは私周辺ではもっぱらワン散の意味。

ワンの美容院は4時間位の預かりになるので保護犬の場合は見知らぬ場所で「また捨てられたのかも!」とパニックになることもあり、デビューはなかなか微妙。それもあって自粛の時におばちゃんは自分でワン散を始め、次男のちび男は昨日がグルーミングサロン初体験だった。そして同じく保護犬だが、長女のほうはどうも野良犬になる前にはちゃんと手入れをしてもらっていたらしくグルーミング上手。肝も座っているのでデビューの次男に同行させることにした。

なんかさー。感動したんだよね。13歳になる長男は今回もおばちゃんが散髪することにしてお留守番。そしたらほとんどの時間を窓際で私達の帰りを待って過ごしたらしい。

サロンに到着したお二人はというと、初めての場所でふたりとも「ここ、どこ?何?何するの?」という不安感が背筋のあたりにびしばしに漂っている。次男はもうこれ以上無理、というくらい長女にびたーーーーっと引っ付いて胴体は二本くっついたソーセージみたい。歩く度に揺れる尻尾も二本リズムが揃っている。

二人の会話が聞こえてきそう。

「ねーちゃん、ね、ここどこ?」

「知らないわよっ、吠えないの!静かにしてなさいっ」

「わんわんんわんーーーー(´;ω;`)」

「あのね、多分ここはグルーミングってとこだと思う。昔行ったことがある。保護犬シェルターじゃないわよ」

「グルーミング?」

「そう、お風呂入って髪切った頃にお母さんが迎えに来てくれるの」

「ほんと?迎えに来る?わんわんんわんんーーー!」

「吠えないの!もしここがシェルターだったら、わんわん吠えたらもらってもらえないわよ!いい子にしてるの!!」

みたいな…..。全く違う生い立ちのわんたちがどういうご縁か我が家にやってきて、人間の私が勝手に彼らのために構成したワン家族なのに、3匹がどんどん信頼と愛情と彼らの間のルールを育てていくのを毎日目撃実感する。

グルーマーさんがまず長女の首に青い輪っかをかけて、ドアの向こうに連れて行ったときの次男の雄叫び!ひいいいいいいーーーーんんん!!ねーちゃん!!!!!ドアを突き破って行きそうな勢いだ。同じ輪っかをかけてもらってドアが開いた時にはお母さんの方を見向きもせず、ねーちゃんに向かってダッシュしていった。

ちょっと???あんた、世の中でおばちゃんが一番好きだったはずじゃないの?ねーちゃんのほうが大事なのね!?と一瞬まじでむっとした。

待ち時間には同じケージに入れてもらえますかと聞いたらそれは決まりでできません、でも隣のケージに入れるねと言ってくれた。が、お迎えに行ったときには次男のあまりの騒ぎに仕方なくねーちゃんのケージに移してくれたと聞いた(苦笑)。

長女は元ヤンキーではあるが純血種プードルなので、グルーミングは手間がかかる。次男の方は終わったと連絡をもらって迎えに行き喜んで出てくると思ったら、まだチョキチョキしてもらっている長女のテーブルによじ登ろうとして忙しく、おばちゃんにはチョロっと尻尾を振ってくれただけだった。

お金を払っている間もねーちゃんを探してずっとこのポーズ、20分以上。

まだ立ってます。

自分の身に何が起こっているのかわからない事がほとんどのわんたち。説明してあげられたら、と思う。だからこの子達にとって慣れたルーティンというのは本当に大切なのだ。

帰りの車の中では、再会の喜びのあまり腰をふりふりしてねーちゃんに怒られる次男。疲れとコーフンで車内で盛大にゲロも吐いてくれた。そして、洗ったばかりの体でそのゲロの上に座った..。

いつもはクールな長男が、帰ってきた二人を見てリューマチを忘れて庭の向こうからブンブン走ってくる。体を低くして「遊んで」ポーズ。しばし長女をクンクンしてどこに行ってたのか割り出そうとしている。もう絶対にねーちゃんのそばを離れないと決心したらしい次男は金魚のフン状態だ。こんなに二人に愛されて、長女は幸せものだ。っていうか、3人とも一緒でとっても幸せそう!

大騒ぎのグルーミングデビューだったが最後のゲロを除けばまあまあの出来。おばちゃんは次男にとって世界一の存在でないことがわかって思いっきり裏切られた気持ちだが、我が家のサブカル、というかサブ社会、この3ワン家族の深いつながりと愛情を見ることができてうれしい限りだった。

今回は、犬好きによる、犬好きのための、わんわん偏愛的ブログでした!!



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About Me

ニューヨークから40分南に下ったニュージャージー州から発信。だから「なんちゃって」ニューヨーク。マンハッタンのおしゃれな情報をお探しの方は他にたくさんブログがありますのでそちらをご参照くださいね。元・MBAの仕事人、在米約30年のアラ還。アメリカ人の夫とエンプティネスト元年を満喫中。わんこ3匹で毎日がわや、普通の人のアメリカ生活の記録です。

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