8月から関税とうとう・米国株式市場

関税・経済・インフレ

8月から、日本からの輸入品に25%の関税が課されることになっちゃった。アメリカのデパートが大人気の日本の文房具を1万ドル分輸入したら、25%の2500ドルをアメリカの税関に支払わなければならない。支払うのは、日本の文房具メーカーではなく購入したアメリカのデパートの方。今まで1万ドルだった輸入コストが1万2500ドルとなり、まず間違いなくその分は値上げとなって消費者にツケが回ってくる。アメリカ政府機関の関税収入を消費者が負担するのだから、関税は間接的な消費税だ。

いくら日本のぺんてるが最高!と思っていてもこんなに値上がりしたんじゃあ…と買い控える人が増えるとぺんてるへの注文は減り会社の業績に響く。ペンならまだしも、ホンダが以前の1.25倍の値段となるともう買えないよ。自動車は25%、関連の鉄鋼やアルミは50%の関税が6月からすでに始まっているから、もう日本のメーカーに影響は出始めてるのかなあ(汗)

「発動の8月1日までにまだ交渉の余地がありますよ」、つまりアメリカ車やおコメをどんどん輸入する約束をしたら関税下げてもいいよ、日本が報復関税を考えたらもっと関税は上がります、との注意書きがついたお手紙を受け取った石破首相は、「日本の国益をどうしても守っていかなければならない。農業や自動車をめぐり政府・与党を挙げて全力で戦っている時に『あれがいかん、これがいかん、不十分だ』と国内が割れて、どうして交渉に勝つことができるのか。私たちは国益は必ず守る。アメリカのトランプ大統領の言っていることで受け入れるべきは受け入れるが、譲れないものは絶対に譲れない」と演説。

同感…。国内で石破内閣の交渉力を批判する向きが多いが、うーん、そういう問題ではないのよね…ブラジルには50%の関税が課されたし(アメリカでコーヒーやお砂糖がすっごい値上がりすると思う)、「銅」の輸入に対しては国に関係なくすべて50%関税。去年まで双子のように仲良しだったカナダには日本よりさらに高い35%…。

関税の数字はどのように決定しているんですかと記者に聞かれた大✘領の答えは「コモンセンスで決めている」。彼のコモンセンス(常識)が相手では、一体どうやって交渉を…?

日本もとんだ災難だが、ああ、アメリカも先行き不安で消費は冷え込み、今年のアマゾン・プライムデー初日の売上が昨年比41%減。消費者自信指数は5ポイント低下、コンサル大手マッキンゼーの今年5月の調査では、消費者の50%が電化製品やアクセサリーなど必需品以外の買い物は控える意向を示した。個人の貯蓄率も低下。新規住宅の着工率は先月比17%低下し、失業保険は「受け取り月数が長い人」が増加していることから、失業すると次の仕事が見つかりにくいという状況が浮き彫りに。

数字は正直だが、アメリカでは住んでいる州や地域によって「生活の肌感覚」が全く異なり、このニューヨーク郊外の街では、日頃のインフレ以外にはあまり逼迫感は感じられないというのが正直なところ。レストランやモールもそこそこ賑わっているし、貧困や犯罪はほぼゼロ。我が家も含め支出にはみな気を使っていても、基本的には通常運転。

最初に関税が発表になった今年4月にはそれに合わせて米国株式市場が乱高下したものだが、今は市場がすっかり慣れてしまったのか、びくともしない。日本を含む12カ国に高い関税が発表になった先週に、ナスダック(主にハイテクやIT株を取り扱う電子取引所)は史上最高値を記録した。関税は「物品」にかけられるのでサービスを提供するハイテク企業への影響は少なめと入っても、ハードウェアにアルミや銅線は必要だし全く無縁ではないはずなのに。

以前は株式市場はその国の経済を反映する鏡のようなものだったけれど、ここ2ヶ月、アメリカ経済の現実と株式市場の動向は完全に乖離してきたように思う。

アメリカの経済格差について書いたこのブログで「富裕層上位0.1%が下位50%合計の5倍の資産を所有している」と書いた。

アメリカ経済格差とゴールデン・パスポート
アメリカの経済格差を示すには、以前の「アッパー(上流)・ミドル(中産)・ローワー(下流)階級」という経済区分ではあまりに大雑把すぎる。アッパーとミドルを分ける世帯収入というのは一体どのくらいだったのだろう?その数は?感覚としては、アッパーと...

ここまで貧富の差が広がると、株式市場の動向はその大部分を掌握する富裕層の経済活動だけが反映される Wealth Index ウェルス・インデックス(富裕指標)の様相を帯び、アメリカ株式市場はもはや「お金持ちのためのプレイグラウンド」でしかなくなってきたのだろうか。

株式市場がもはや目安とならないのなら、GDP(国内総生産)をちゃんと見るしかない。アメリカの成長率は下向修正され続けていて、昨年の+3.4%から今年の予想はマイナス0.5%。日本は野村総研の予測がプラス0.1%だが、関税の影響を受けて下向修正される可能性が強いという。

国内「総生産」というが、事実上、国内「総支出」と考えてよいGDPは、個人、企業、政府がどれだけお金を使っているかの合計だ。長く続いた不景気に多くの日本人が自国の経済に失望して自信をなくしている様子がうかがえるし、評論家、専門家の意見も辛口のものが多い。おばちゃんはちょっとそれには同意できないでいる。明日はちょこっと「外から見た日本」について書いてみたいと思ってるので、続きを読みに来てね。

(翌日追記・カナダへの関税35%か?の報道を受けてさすがにダウもナスダックも急落しました)

 

 

 

 

コメント

  1. oregontabby より:

    6月の終わりにコロンビアスポーツの社員ストアへ行ったんですが、ガラガラでした・・・物価が上がって、皆、買い物控えてるのかな、と・・・洋服より食べ物が先ですよね、優先順位としては・・・💧 ほぼ全品、値札からさらに40%オフ、モノによっては50%オフ さらにこれからもっと値下げするそうです そうでもしなきゃ売れないんでしょう

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