前回のブログ「国連総会・高市首相のスピーチの評価は?(その1)」の続きになります。

国連総会と同時にアメリカ訪問していた中国の習主席
現政権になってからアメリカを訪問した各国首脳のうち、大◯領自ら空港にお迎えに出向きレッドカーペットで歓迎してもらったのはたった2人。プーチンと習主席である。フランスでも、日本でも、ウクライナでもなく、ロシアと中国である。(!!!)
今回の習主席のアメリカ訪問で、日本のメディアでは盛んに米中の接近を心配する報道が目立ったが、うーん、どうかな…。大◯領にとってはプーチンや習主席は「他国の首脳」というよりも「オシ」、つまり憧れの存在なんであって、両国の関係がどうこうというよりは「自分はこんなにすごい家に住んでるの、こんなにお金持ってるの、みんなが言う事聞くんだよ!」と見せびらかしたい子どものような幼稚な動機で彼らをおもてなししたくてしょうがないのであり、政治外交的なお話は下々が勝手にやれ、とそういう感じなんである。
でもね㋣はそのつもりでも、ロシアや中国がこの機を逃すわけはなく、こんなアホなおもてなしをするたびにアメリカの国力はごっそりと削り取られていってしまっている。そんなこと気にもかけず、『お二人でどんな話をされましたか?との質問に、㋣が『習主席はグラナイト(御影石)が大好きだそうだ。彼は石の事をよくご存知だ』だって。相変わらずポーカーフェイスで横に突っ立っていた習主席、一体どんな思いが彼の胸に去来していたのか。この発言は、建設中のホワイ◯ハウス東館を見せて回ったとのことだった。
米中接近はもちろん懸念だけど、それだけを心配していただけでは全然足りないトコまで世界はきている。『気になった高市首相が㋣に電話をかけて1週間で2度までもアメリカと対話できたことで日米関係の強さを伺わせた』。あまりにトンチンカンすぎる。世界はもう、ひっくり返っちゃったのだ。
正常性バイアスを捨てて本気で心配しなくちゃ
ノーマルシー(正常性)バイアス。すごい激変や怖いことが目の前で起きていても、ワタシら本能的に「大したことない」と過小評価してしまうバイアス。もうさすがにこれ、捨てなきゃいけないときがやってきているのだ。日本は、80年もアメリカに頼り切ってきただけにアメリカ関連の正常性バイアスは他の国よりずっと強い。
アメリカがカナダを「カナダ州」と呼び始めた昨年の春から、カナダのカーニー首相がアメリカの暴迷走と、そんな国に依存することの危険性をいち早く察知して、日本を含む『ミドルパワー(中堅国)同士の結束』を強く提案し始めた。
首相本人が世界中を飛び回って色んな国と貿易協定や安保協定を結びまくっているカナダ。今回の国連のスピーチでも、カーニー首相が「世界は一世紀に一度か二度あるかどうかの歴史的な大転換期に直面しています」と述べて、壊れてしまったグローバル・オーダーの劇的な組み直しが今すぐ必要と強調した。
はい、大国がパワーを振りかざして好き勝手をするなら、もうこの選択肢しかないでしょう。日本は、ヨーロッパ、カナダと協力してそのリーダーポジションになれる国。
高市首相への国内での批判ですが
昨今、㋣のわけワカラン行動の数々がやっと国内でも報道され始めて日本の市民も「アメリカ、さすがにヤバいんじゃ?」と気づいてきた。それが国連であいつに目線を送って仲良さそうにふるまう高市首相への批判につながったのだろうが、アメリカは「こいつ反社だよな」とわかっていても、一応いてもらわないと困る用心棒だから仕方がない。
あと2年、この政権が終わるまでなんとか時間稼ぎをしながら、相手を怒らせないようのらりくらりと交わすのが一番賢い。今まで日本がやってきたように、アメリカの気には触らないよう、でも他の国ともそっと仲良くする、というやり方しか今のところ選択肢はない。
最近は「ヒアルロン酸注入」とか「アシダジュンの60万円ジャケット」とか、首相に対するあまりにレベルの低いディスりが目立つが、もうリーダーに選んじゃったんだから、彼女や彼女の内閣への無意味な批判でネットをムダ遣いしている場合ではない。
インフレ進み生活は苦しい、少子化だし家の値段は下がるしで気分的にはとってもわかる根強い「日本オワコン」説だが、国内のオワコン感と、外から軍事攻撃されてほんとに国が終わっちゃった際のオワコン。どちらが怖いかを考えて(ウクライナを見てください)、だれの気にも触らないよう色々と手を尽くし、そっとコマを進めて大事に至らないよう絶妙のバランスを保っている日本外交の質をもうちょっと評価してもいいんじゃ?とアメリカ側から見ていると強く思う。
いっそ日本もスイスみたいな中立国に?
昨日は、永世中立国スイスが、中立をもっと厳格化させましょう、と武装の厳重化を含む憲法改正の国民投票を行った(否決)。そのくらい世界中で危機感が高まっている。
日本も「中立国になれないの?」と思うけど、スイスは、国内ではめちゃめちゃ強い軍隊が国境をガッツリ守り、スイスを取り囲む国みんなが「そういうことにしましょうね」と取り決めて成り立っている。ヤバい国がご近所にいる島国日本ではちょっと無理。
日本は、「中立になりますんで」とアメリカのお気に触ると、
- 日米同盟を捨ててスイスみたいに独自の超重武装国になるか
- 無防備になって大国の影響下に飲み込まれるか
の2択を迫られることになる。だから、見ている国民には「日和見」だとか「生ぬるい」とか言われながらも、波風立てず「日米同盟を維持しつつ、ミドルパワーとの連携もすすめる」政策をずっと取ってきているのだ。
具体的なアクションは巻末の「参考資料」にまとめた(AIに頼んだけどね)ので見てみてください。
ドイツで極右が進んでいる件
Craftsmanship クラフトマンシップ(職人技)と評価されることもある日本の『静かな外交』。世界で「だれともケンカしない」「やると言ったらやる」「カネは出す」日本への信頼と国内の平和につながっていて、北朝鮮も中国も日本に手を出すなんてことは、世界のバランスを崩して大騒ぎになるからね、いまんとこ出来ない。
他国の(特にアメリカの)債権もたくさん持ってるというのも大きいが、国内経済がますますキビしくなってきている折、今後、国民のひんしゅくを買うことなくどのくらいヨソさまや世界平和のためおカネを割り振ることができるかも課題。高市首相は国連でその姿勢にブレはないと宣言したけれど。
国民の不平が募ると、国がどんどん内側に向けてネガティブにふさいでいくという、ちょっとやばい方向に(極右)にぶれ始める。ドイツの各地で極右政権が圧勝し始めているのはその現れだ。日本は昔そうなった歴史と、トップの言うことに従順な国民性があるだけに、特に気をつけて見ていかなくては行かない局面だ。
最後に・国連こぼれ話
160カ国以上から首脳や外交のトップが集まる集会だといろんなこぼれ話もあるが、ワタシ的にとっても気に入ったのは、韓国の李大統領が、マンハッタン36丁目付近の韓国街(通称K-town)にお忍びで晩ご飯にきていた、というエピソードだった。アメリカのご飯ばっかじゃ嫌になるよね、よくわかるよ。フツーのレストランの2階の窓際にボディガードとちんまり座っていたので、びっくりした通行人が道から取った写真や、お店の人とセルフィーする姿がネットに載ってけっこう笑った。あとは、お決まりのカナダ・カーニー首相とフィンランド・ストゥブ大統領のジョギング外交、こちらはセントラルパークにて。今回もストゥブ大統領は黄色のHOKAのシューズだった。ノルウェーやアイルランドの首脳は、話題のマムダニ・ニューヨーク市長とぜひ会いたい!と一緒に地下鉄にのって小学校を訪問。
日本でも報道された高市首相の「報道陣の方早く出ていってください」も話題になったかな。
そして、コワイほうのこぼれ話としては、国連の女性地位委員会(CSW)という機関で行われた「女性の地位向上・ジェンダーイクオリティ」合意文書の採択に、37カ国が賛成、アメリカだけが反対の1票を投じた、というショック。アメリカは、「将来のパンデミックに対する備えに関する合意文書」も拒否。今年はじめに国連のWHO(世界保健機構)を脱退し、この21世紀に国内で「はしか」が流行中のアメリカだもんね…。
参考資料・アメリカ抜きでやってくための努力
アメリカ依存と言われながらも、日本は特にここ20年、アメリカ抜きの枠組みをコツコツと築いてきている。
| 分野 | 主な枠組み・協定名 | 発足・本格化の時期 | 主なパートナー国 | この枠組みが持つ戦略的意味(狙い) |
| 貿易・経済 |
CPTPP
(環太平洋パートナーシップ協定) |
2018年発効 | 豪州、カナダ、英国、ベトナム、メキシコなど | 米国が離脱した際、日本が主導して「米国抜き」で巨大な自由貿易圏と高い経済ルールを死守。 |
| 貿易・経済 |
日・EU EPA
(経済連携協定) |
2019年発効 | 欧州連合(EU)加盟国 | 世界GDPの約3割を占める経済圏を直接結び、保護主義に傾く米国への強い牽制とバッファーを構築。 |
| 貿易・経済 |
日・英 CEPA
(包括的経済連携協定) |
2021年発効 | イギリス | イギリスのEU離脱に伴う孤立を防ぎ、二国間のサプライチェーンと投資の安全性を独自に確保。 |
| デジタル | 日・EU間のデータ移転相互承認 | 2019年運用開始 | 欧州連合(EU) | 米巨大IT企業(GAFA)の独占に対し、個人のプライバシー保護基準を共有する「信頼のデータ流通圏」を形成。 |
| デジタル |
DEPA参加交渉
(デジタル経済パートナーシップ協定) |
2021年〜 | シンガポール、ニュージーランド、チリなど | AI倫理やデータ流通など、未来の国際デジタルルールを米中二極に頼らず志を同じくする小国と構築。 |
| 安保・サプライチェーン | 日・豪・印(+米)連携 / SCRI | 2021年〜 | オーストラリア、インド(クアッド周辺) | 特定国(中国)への過度な依存を脱却し、重要鉱物や半導体のサプライチェーンをミドルパワーで強靭化。 |
| 安保・防衛 | 日・加 防衛装備品・技術移転協定 / GCAP等への関与 | 2024年前後〜 | カナダ、イギリス、イタリア(欧州各国) | 米国の動向だけに依存せず、日英伊の次期戦闘機共同開発やカナダとの防衛装備・技術・AI協力など、ミドルパワー間で防衛のサプライチェーンと結束を構築。 |
| エネルギー・環境 |
AZEC
(アジア・ゼロエミッション共同体) |
2023年頃〜 | ASEAN諸国 | 欧米の厳しすぎる基準や中国のインフラ攻勢のどちらにも飲み込まれず、アジア独自の現実的な脱炭素を実現。 |


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