やっぱり買いだめ?インフレ先行指標がやばいアメリカ

関税・経済・インフレ

昨日のブログの補足です。

先日、アメリカの労働局から発表になった最新の Consumer Price Index 消費者物価指数(以下CPI)がやばい、と書いたんだけど、引き続き発表になった Producer Price Index 生産者物価指数(以下PPI)が CPI以上にやばい!というのが今日のお話です。

関税値上げが本格的に始まったよ、アメリカ
とうとう始まったトランプ関税にしばらくは様子を見ていたアメリカ企業が関税コストを消費者価格に上乗せ、とうとう本格的な値上げが始まりました。インフレ率は先月に続き上昇傾向、とくに電気代は14%もの上昇。これからどうなる?を分析しました。

PPIは、自動車製造業が必要な機材や鉄板などを購入する価格、パン屋さんが小麦粉を買う価格、建築業が木材や鉄鋼を買う価格…と、モノやサービスを消費者に届ける事業者が、ビジネスを行うために必要なモノとサービスに支払う価格の統計。「卸価格統計」とも呼ばれる。生産する側の資材調達のコストが上がったら、その分は出来上がった消費者グッズやサービスの値段に上乗せされる。だから、PPIが上がったら、CPIもつられて上がる。

PPIは、私らが肌で実感する毎日のインフレの傾向をいち早く示唆する先行指標なのだ。

今日発表になったこのPPIがね、なんと予測を大きく上回って「先月比0.9%」だった。数字言われてもピンとこないと思うけど、市場の予想は「0.2%」だったのでその4倍以上。ちなみに2023年の平均値は0.175%だったから、この0.9%上昇ってかなりやばい数字なのがわかる。最近は何があってもビクともしなかった株式市場が一時ドカーンと下がったほど。

この高い水準は当然と言えば当然で、例えばビールやコカコーラのアルミ缶。シートで輸入したアルミを切断してアメリカ国内で缶にするのが普通だが、このアルミシートは現在50%の関税がかかっている。缶だけで原材料コストが以前の1.5倍になってるのだ。缶の製造業者がアルミシートに払う金額も、コカコーラが缶を購入する金額も上がっているんだから、0.9%ですんでいるということのほうが不思議なくらい。

アメリカでPPIがこの水準に達したのは、パンデミックの影響で平均インフレ率が8%だった2022年。この年の2月にロシアがウクライナに侵攻してエネルギーや原材料の価格が高騰した。翌3月にPPIが1.5%上昇して(今月の0.9%よりもっと高い)その数カ月後の2022年6月にアメリカは歴史的インフレ率9.1%を記録した。

インフレ率の長期目標値は2%。

PPIとCPIは3ヶ月から6ヶ月のタイムラグがあると言われていて(製造などから消費者の手に渡るまでの期間)、とするとね、今月の高いPPI上昇率が数カ月後には消費者価格に反映されると仮定すると、最悪、2022年レベルのインフレがやって来ると予想もできる…し、来ないかもしれない… うーん。

2022年の平均8%から毎年順調に下げて、2025年の4月にはインフレ率2.4%まで下がっていたのに、先行指標がここまで高いということはやっぱ抜き差しならない状況になってきた気がしているおばちゃん…絶対来ると思ってたんだよっ💢

昨日のブログで「第二の買いだめに走るべきか否か」と書いたんだけど、間違いない。マジでこわいインフレの波が来る前に買いだめに行った方が良い。みなさんもぜひ。クリスマスギフトは今のうちに..。12月じゃもう遅いと思うよ。

5月に書いた下のブログに「買いだめしたらいいかも」品のリストがあります↓

5−7週間後にお店の棚がガラガラになる?関税の話。
ただいま、新しいスニーカーをもう一足買っておくかどうかを激しく思案中。先日アディダスとナイキが新関税による値上げを発表、スニーカーの大部分が中国で製造されているので他のメーカーの値上げも必至と聞いた。今のうちに買っておいたほうが良いんだろう...

このブログを書いてからまだ2ヶ月だが、肉体労働者の数が日毎に激減しているアメリカでは、そのコストも織り込まれていくことが予想される。

そして最後に。先週、インフレ指標や雇用状況を発表する労働省統計局の局長さんがクビになるという事件があり、今後は統計発表の内容や集計の仕方に大きな変化があるらしい。この下の表に示したような、過去と一貫性のある数字が発表されるのは今月限りかもしれないということをここに付記します。アメリカ変わってしまったのだ。

興味のある方の参考までに、以下が労働局発表の数字の詳細。

①2022年の月間CPIとPPI比較表。ロシアのウクライナ侵攻の翌月3月にPPI1.5%、6月に最高インフレ(CPI)9.1%、タイムラグ3ヶ月

2022年 CPI 前年比 PPI 前月比
1月 7.5% +1.2%
2月 7.9% +0.9%
3月 8.5% +1.5%
4月 8.3% +0.4%
5月 8.6% +0.9%
6月 9.1% +1.0%
7月 8.5% -0.4%
8月 8.3% -0.2%
9月 8.2% +0.2%
10月 7.7% +0.3%
11月 7.1% -0.1%
12月 6.5% -0.1%

②2023年と2024年の年間平均CPIとPPI、順調に下がってきた様子

年 CPI 前年比 平均 PPI 前月比 平均
2023年 4.13% +0.175%
2024年 2.96% +0.283%

③今年に入ってからの月間CPIとPPI。PPIは文中の通り0.9%。CPIは先月から上昇に転じている。

2025 CPI 前年比 PPI 前月比
1月 3.0% +0.2%
2月 2.8% +0.4%
3月 2.4% -0.1%
4月 2.3% -0.5%
5月 2.4% +0.1%
6月 2.7% +0.0%
7月 2.7% +0.9%

*CPIは「前年比」、PPIは「先月比」比較が妥当。CPIの「先月比」は季節で変動する消費傾向を反映するため。

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