お恥ずかしながら、この年になるまで月々の公共料金というものに注意を払ったことはなかった。東京で一人暮らしをしていたときは、ハガキも来るし、口座引落しの金額も明瞭だったから把握していたけど、それ以降は…(汗)
何につけてもザルの夫も同様で「ま、だいたいこのくらい」という感じで理解はしていたようだが、チェックもしない妻の方は50ドルくらいなのか100ドルくらいなのか、その見当さえついていない有り様だったことをここに告白します。
それが先日、夫が「大変だ!今月(7月分ね)の電気代が250ドル!」といいながらコーヒーにむせている。先月いくら払ったのかをはっきり知らない夫婦でも、250ドルは異様に高いというのはわかる。ということで今日は公共料金、特に電気代について調べてみました。
ニュージャージーの電気料金(ニュージャージー大手の電力会社、JCP&Lの値段を参考にしましたが他の会社も価格帯は同じでした)、6月にすっごい値上げしてんじゃん!5月までは、1kwあたり12セントくらい(時間帯でちょっと変わる)だったのが、6月から19.56セントになってる。いきなり約8セント、67%の値上げ!とおもったんだけど、現在は夏のピーク料金だそうで9月からは若干下がるし、夏の間は夜間割引が普段より大きかったりで単純計算は難しく、JCP&Lによると、公式の値上がり幅は18%だとの発表。
値上がりというのは、電気に限らず基本的に「生産コストの上昇」か「需要と供給のバランスが崩れる」ことで起こる。ニュージャージーの値上がりも、やはり①火力発電に必要な天然ガスの値上がりなどで電力の卸売価格が上昇したこと、そして②供給量が減っているのに需要は爆上がりしたこと、が原因だった。
毎日使っている電気なのに、それがどういう仕組で我が家までやってくるのか詳しく知らなんだし、深く考えてみたこともなかった。東海岸の13州は、PJMインターコネクションと言う名の巨大な電気卸売会社が「たくさんの発電元からまとめて購入した電力」をJCP&Lのような「各地の電気供給会社が卸し価格で購入」し、「自分とこの費用と利益を足して消費者のとこまで電気を引っ張ってくる」形になっているそうだ。
余談だが、コレが今、流行りのネット言葉 I am Today years old トゥデー・イヤー・オールドだ。「(知っているべきことを)今日始めて知った!」という言い回し。直訳すると「今日が誕生日」。
驚かないでね、その卸価格が833%も値上がりしたんだって。833%がなんで電気代18%の値上がりで済んでいるのかそのへんのからくりは付け焼き刃の知識では理解の仕様がないが、833%というとんでもない値上がりって一体?毎年、発電元が「今後はこのくらい発電できます」という量と値段をこの巨大卸売会社に入札するんだが、今年はその入札がめっちゃ少なかったらしい。
その背景は、天然ガスの値上がり(原材料の値上げでコスト増)、発電施設の老朽化や不足(発電しようと思ってもキャパがない)、政策不透明感により長期の発電契約を回避する動き(たくさん発電の約束しててもできるかどうか今後のことがはっきりわかんない)の3つだ。
そして忘れちゃならない、新政権になってからは、もうほとんど出来上がっていた風力発電所の開発や新規建設が取りやめになったり(ああ勿体ない)、ソーラーパネルなど再生可能エネルギー部門への投資が軒並み廃止に。ということは、今後は増えていくことが期待されていた再生可能エネルギーによる電力供給が見込めずますます供給が減る、そして値上がり…来年以降は18%どこじゃなくなることが畏怖される。いやーん。
電気代が上がってるもう一つの理由「需要が爆上がり」なんだが、これはもう、各地にどんどんできている「AIデータセンター」が一番大きな要因だ。AIに私らがどんなアホな質問をしてもコンピューターはぐおぉーーーーンと稼働して答えを導き出す。chatGPTのオープンAIのCEOサム・アルトマンさんが、電力の無駄になるからAIには「ありがとう」「お願いします」は言わないでいいんだからね、って言ってた。
AIだけじゃなく、電子貨幣のマイニングセンターなんかすごい熱を出しちゃうから寒いとこに建てるっていうくらいだし、電力消費量もすごいのだろうとお察しする。
全米の最近の電気代の値上がり幅は6%から20%で、値上げ幅が大きいニュージャージーやペンシルバニア、ユタ州などをみると、データセンターの増加と電気代の値上がりの相関性がはっきり見られる。データセンターの増加が一番著しいのはバージニア州だそうだが、設置が増えている理由が「電力供給のインフラが比較的しっかりしているから」だそう。電気代の値上がり率が6%ですんでいるところを見ると、ニュージャージーやペンシルバニアなどは、同じく増えた需要に施設の老朽化やインフラ不足で物理的に対応できてないことが理由で値上がりが大きいらしい。ちゃんと投資しろって。
住んでても、そう思うよ?この停電の多さ、日本から引っ越してきた人はびっくりするよ?日本だったら「何月何日何時から何時間停電」って告知してくれるよね?そんなことはこの第三世界ではありえない。今はコンピューターが勝手に保存してくれるからいいけど、以前は突然「ぷううううん」と情けない音がして電気が止まり、書いたもんが目の前で真っ黒の画面に切り替わって地団駄踏むというのがよくあった。ニューヨークへの通勤電車もよく止まる。アメリカ北東部は言わずとしれた寒冷地なのに雪がふったら律儀に電車が止まる。毎年降るんだからなんとかすりゃあいいのに、それでも電車は止まる。
長期投資というコンセプトが嫌いなのか肌に合わないのか、とにかく定着しない国アメリカ。ふんだんに資金や電力があった時代は良かったが、うーん、なんか今後はどうなっていくのかね、と考えさせられた250ドルの請求書であった。
**ちなみに、昨年7月に我が家の電気代はいくらだったのかと調べようとしたんだが、加算方式が複雑な上ローリングアベレージ?月の初めはメーターを読まずに推測値で課金して、実際値との差はその後の数ヶ月で調整するだとか、わざと難しくしてるとしか思えなくってよくわかんない。夫の試算(憶測?)によると「150ドル超えたことはまずないだろう、超えてたら気がついたハズ」。7月の消費電力量は去年と全く同じだったとのことなので、今月は100ドルくらい多めに払わされた、事にしておこう。いずれにしても高いっ。



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