日本では「ハーフ」という言葉で一括りにされがちな存在が、現在「Wasian(ウェイジアン)」と呼ばれてアメリカで驚異のバズリ中。白人(White)とエイジアン(Asian)の両親から生まれた「ハイブリッド人種」として注目を浴びている。
数年前からSNSでハッシュタグとして囁かれていた #Wasian がメインストリームに躍り出たのは、中国系アイスランド人のシンガー、ロウフェイ(Laufey)によるオールWasianキャストのMV(アイススケートのアリサ・リウちゃんも出演)。ディスコードやTikTokで一気に広まって、ウェイジアンたちが自発的な集会を開くまでに。先日、ニューヨークのセントラルパークにあるシープス・メドウには、なんと3000人以上のウェイジアンが集まった。
まずはこの集まりに参加したウェイジアンガールのインスタをご覧ください。
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1. 「マイノリティ」から「最大?勢力」へ
うちの子ども2人を見ていると、世代間の変化がよくわかる。 上の子(28歳)が学校に通っていた頃は、目を細めるジェスチャーをされたり、「チャイナに帰れ」とかステレオタイプな意地悪をされたこともある。本人もわたしらも傷つくより「アメリカ人って認識低すぎ」と思ってたけどね。白状すると、同じクラスのお母さんにめっちゃスローな英語で「子守りをやってくれる人を探してるんだけど?」と聞かれたこともある(笑)
ところが、下の子(21歳)が高校に入る頃には、Wasianは「普通にいすぎて、もはや何も言われない」どころか、むしろ「おしゃれでクールな層」という立ち位置にすらなっていた。 アニメがめちゃくちゃはやってたしね。サンフランシスコのベイエリアなんかだと、学校の人種構成でWasianが一番多いことも多々ある。もう、定義上「マイノリティ」じゃあないよね。
2. レアポケモンともよばれる「逆アジ白」・アジア系男性の台頭
ただ、両親の組み合わせは圧倒的に「夫が白人・妻がアジア人」というのが多い(わが家ではそれを「アジ白」と呼んできた)。しかし、かつての「アジア系男性はモテない」というステレオタイプが、Kポップはじめ超人気のアジアカルチャーのおかげで静かに、しかし確実に崩壊。モテ始めたアジア人夫に白人の妻(つまり「逆アジ白」)のカップルも増えてきた…ものの、コミュニティの中では逆アジ白から生まれたウェイジアンはいまだ希少、レアポケモン扱いされてたりする。
上のインスタの女の子はお父さんがアジア人ということで、「アジア人のお父さんを持ってるウェイジアンの人ー!」と呼ばれた時にもちろん大声上げたわよ!と言っている。
私事で恐縮だが、数年前までまったくモテ期のなかったわが家の長男が、ニューヨークの街角で電話番号を書いた紙を白人ギャルにそっと手渡される、などというとんでもない快挙を遂げるまでになった。本人が変化したわけではない。ウェイジアン、特にウェイジアン男性にとってはとんでもない追い風状態となっているのだ!
3. 「パパのタイプ」でいじる内輪ウケの文化
Wasianコミュニティが面白いのは、自分たちのルーツを徹底的に細分化して「いじる」文化を持っていることだ。SNSでは「君のパパはどっち?」という投稿が人気で、白人パパにも明確なサブカテゴリーが存在する。
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軍人系パパ(Military Dad): えらく規律に厳しく家の中でも靴を履くが、実は誰よりも深くアジア文化に傾倒している。勉強をさせたい妻と運動をさせたい自分の間のジレンマに悩むがそれを見せるのは弱みであるのでいつも困っている。
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インテリ・大学教授系パパ(Academic Dad): 常に本を読み、ポロシャツを好む。メガネ必須。妻を恐れて表面では口出しをしないが、影でこっそりお小遣いをくれたりアイスを買ってくれたりする。妻に怒られたら普段は受け流すが時に「あの子の好きにさせておけ!」と爆発したりする。
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テック系パパ(Tech Dad): ガジェットとアニメ好きで、アジア系ママに完全に圧倒されているオタク的存在。子供へのクリスマスプレゼントはレゴかドローン。
こうした「いじり」は、Wasianコミュニティ内だからこそ許される高度な内輪ウケだ。外からの差別ではなく、自分たちの複雑な生い立ちを笑いに変えることで結束を強めている。ちなみにわが家の夫は2と3のハイブリッドである。レゴはよく買ってきていた(笑)
上のインスタ内でメガホンで「いろんな種類のウェイジアンの出席確認」や「ウェイジアン・ビンゴ」をしているのが笑える。
4. 謎の「セーフ圏」と生存戦略
今の政治情勢についても触れておかねばならない。トランプ政権下で白人至上主義的な空気が強まっているのは否定できないが、今の差別のターゲットは主に黒人やラテン系、移民全般に向いている。
アジア系は「よくわからんけど、わりとセーフ」みたいな謎のポジションに置かれている。「アジア系は勤勉だし清潔だし……」という白人社会側からの勝手な容認があるのが現実。Wasianはその中間に位置し、今のアメリカで、ある意味一番居心地よく存在できる場所にいるのかも???これは非常に複雑な問題だけれど。
5. 「恨み」が「ネタ」に変わる時
アジア系ママといえば避けて通れないのが公文(Kumon)とバイオリン(笑)。未だにkumonの看板を見るとPTSDになる、と笑いを取るコメディアンもいる。わが家の末っ子のオーケストラに白人は確かに数人しかいなかった(笑)かつては子どもたちの「恨み」の対象だったはずのこれらの習慣が、今ではSNSで「需要のあるコンテンツ」として受容されている。
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愛の単位は「ごはん」:とにかくごはんで愛情表現、お腹空いてないと言ってもたくさん出てきて食べろと強要
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スーパーのビニール袋: 何があってもためてしまうアジア系ママの習い
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あとの5点は?:95点を失敗と見なす緊張感(笑)これは人による
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ホリスティック傾倒:薬よりもおかゆ、風邪薬より葛根湯
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もちろん靴は脱ぐ:玄関で脱いでいただきます
かつては「あんまり人に知られたくないアジア系家庭の生態」が、今では「Wasianあるある」として社会的に承認?され、笑えるネタとして昇華されている。この社会文化の変化によって、子どもたち自身も「自分の変なルーツ」を面白い個性として受け入れられるようになったみたい。
ウェイジアン万歳、ウェイジアンじゃない子たちも万歳
30年近くこの国にいて、アジア系が見えない存在だった時代を知る身としては、セントラルパークの3000人はとっても感慨深かった。 kumonを強要されて育ったウェイジアンたちが(笑)それを笑い飛ばしながら自分たちの居場所を堂々と作っている。 以前は、なんで他のお母さんみたいにできないの!と恥ずかしくて腹立たしかった変なアジア人ママのクセ。それが社会的に受容されることで子どもたち自身の受け取り方も変わり「アリなもの」として届いてるみたい。まあ、悪くない話!
黒人とアジア人のハーフ(Basian)はどうなの?ブラジルとアジア(Brasian)は?ウェイジアンに比べて圧倒的に数は少ないが、自分のルーツを堂々と認めて独自のカテゴリーを築いて行けばいい。フル・エイジアンも、「Karen(自己主張の強すぎる白人女性を揶揄する言葉)」を母に持つフル・ホワイトも、それぞれのコミュニティを築いて堂々と生きていけばいい。自分に自信があれば、せこい人種差別なんてしなくなるはず、と信じたい!



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