先日のブログで、少子化のホントの原因は「結婚しない人が増えている」ことかも、と締めくくったんだけど、今日はその話。本題に入る前にフィンランドの可愛らしい取り組みをご紹介したい。フィンランドの一部のスーパーには、通常の買い物かごと並んで Sinkkukoriと書かれたピンクのかごが積んであるそうな。「シングル様用お買い物カゴ」これをさげて買い物をしているのは「独身で恋人募集中」のしるし。社会をあげて出会いを応援するなんて、さすが世界で一番幸せな国、フィンランド。

高齢化・少子化についてはまたまた不安になるような統計が目に入り、日本では(定年)退職者1人に対し、お金を稼げる労働年齢の人はわずか2.1人なんだってね。日本はずば抜けて平均寿命が長いということを計算に入れても、働き盛り2人で老人一人支えていると考えるとやはりまじで心配したほうが良い数字ではある。フィンランド2.8人、ドイツ2.7人と先進国は軒並みその傾向が進んでいるみたいだけどね。ちなみにアメリカは3.9人。アメリカの平均寿命は男性73.2歳(日本81歳)、女性79.1歳(日本87歳)。
ところで、息子さんが1年間の育休に入るという日本の友人に、その間の給与(というか補助金)は会社ではなく政府から出ると聞いて腰を抜かした。6ヶ月間は、もらっていた給与の67%、それ以降も最大12ヶ月まで50%もらえて、調べると彼の勤める企業にも補助金がでるというではないか。この制度を利用したお父さんは約30%(お母さんは80%)でしかも1−3ヶ月だけ利用した人が20%だったと言うから、政府がお金出してくれるんで休みます!と堂々と言える社会作りというのはまた別の課題だとは思うが、ちょっとぉ、この制度、ありえない!羨ましい!
おばちゃんが産休を取ったときは、有給制度のあるニュージャージー州で、しかも福利厚生が比較的しっかりしている大企業だったので、有給が3ヶ月、無給3ヶ月で合計6ヶ月取ることができた。夫の方には全く育休制度がなかったが、有給休暇の消化で2週間休んでくれた。
これ28年前だけど、その後もこの残酷さは変わっていなくて、今調べたら、アメリカで有給の産休制度が保証されているのは50州のうち12州のみ。それ以外は勤め先や地方自治体の裁量に任されていて「4-6週間で復帰した」という女性、珍しい話ではない。
ちなみに、通常の出産は入院が二晩。帝王切開は四晩。出産費用は基本的に保険でカバーされるが、出産時の緊急手術や、未熟児のケア、新生児集中治療室に入るようなことになったらものすごい自己負担金となるのが普通である。
そして、28年前に職場復帰した時に、おばちゃんの給料の半分以上は乳児保育園の支払いに消えたことを付け足しておこう。あのとき、夫に安定した収入があったからこそ可能だった出産と育児。シングルマザーだったら絶対無理やったわ。
とまあ、アメリカをけなしてばかりでは話にならないが、アメリカとは比べ物にならないほど手厚い出産時の支援の話を聞いた今では、これではアメリカはまるでジャングルで人間の子どもを生むようなもんじゃないか…と改めてこの国のワイルドさにおののいた。
出産に限って言えば日本のほうがよほど状況的に恵まれているのに、女性が生涯で生む子どもの総数が日本の「1.15人」に比べアメリカでは「1.67人」と多いのはなんで?①日本より家が広い?②高収入の家庭ほど子どもが多い(家政婦、ベビーシッターなどを雇いやすい)③カソリックやモルモン教など多産を奨励する宗教がある、④複数回結婚し、違う組み合わせの両親で子どもを持ちたがる人がいる…などか?とつらつらと考えたが、AIが一番に上げた理由は「婚外子」つまり結婚していないカップルの間に生まれる子どもの比率が40%(日本は2%)と多いこと、だった。社会的に「両親きちんと揃わずに子どもを持つなんて!」という厳しさはなく、妙齢女性が結婚の予定はないけど子どもはほしいからと妊娠しても、白い目で見られるというのはない。
今週末の参院選に向けて、各党の子育て政策を見ると、児童手当、給食・学費の見直し、出産子育て支援金、育休制度の拡充、小児医療補助金…などなど細やかな政策が打ち出されている。実施と、資金の確保はまた別問題としても、政府が本気で出産・育児のしにくさに取り組もうとしてるのがわかる。時とともにこれらの政策が功を奏してくることをマジで願うよ。
昨日のブログで書いたように、実は結婚している男女の間の出産率というのは「2人」前後で、社会の維持に理想的される数字「2.7人」には及ばないものの、よく言及される「1.15人」よりは遥かに多い。政府はそのへんの支援をしてるんだろうかとグーグルAIに聞いてみたら、「自治体が行う婚活イベントや結婚支援事業への補助金を継続・強化しています。AIを活用したマッチング支援など、効率的な出会いの機会創出を支援する動きもあります。地域コミュニティの活性化や企業の職場環境改善を通じて、自然な出会いの機会を増やすことも目指しています」。へええ。多少トンチンカンな、オヤジが考えたっぽいイベントなんかも開かれているんではなかろうかと推測するが、ありがたいじゃないの。
独身の方が気楽だと感じる人や、結婚できるほど経済的に安定していないと感じる人、または結婚したいけど出会いの機会がない、という声をよく聞く日本の生涯未婚率は、
| 調査年 | 男性 | 女性 |
| 1980年 | 2.60% | 4.50% |
| 2000年 | 12.60% | 5.80% |
| 2005年 | 15.90% | 7.30% |
| 2010年 | 20.10% | 10.60% |
| 2015年 | 23.40% | 14.10% |
| 2020年 | 28.30% | 17.80% |
ふむ、ぎょっとするほどの増え方。さてアメリカは。
| 年 | 男性 | 女性 |
| 2000 | 11.40% | 7.90% |
| 2005 | 14.80% | 9.90% |
| 2010 | 18.70% | 12.50% |
| 2015 | 22.50% | 14.70% |
| 2020 | 25.90% | 16.40% |
似たようなもんだね。世界で一番幸せな国フィンランドではどうだろうか。
| 年 | 男性 | 女性 |
| 1990 | 約 8.5% | 約 6.0% |
| 2000 | 約 14.0% | 約 9.0% |
| 2010 | 約 21.0% | 約 14.0% |
| 2020 | 約 26.0% | 約 18.0% |
なぬ、女性は日本より高い、ということは出生率も低いんだろうかと調べてみたら、一番最近のデータ2022年では1.32人まで急激に低下(2010年は1.87人)。随一の福祉国家で、子育て支援も社会福祉も医療も充実しているはずなのに、これ、なんでだろう?ドイツも似たような傾向だ(ヨーロッパでは国によって「パートナーシップ」も結婚とみなされ税法も同様の扱いを受けると聞くのでそれも関係あるかも)。
なんかさー、こう見るとやっぱりグローバルな晩婚、少子化の原因ってテクノロジーなんじゃ?と思ってしまう。若い頃から、外に出て生身の人と付き合うよりネットでつながってる方が心地よい、実際のパートナーよりAIパートナーと話している方が気楽で楽しいと答える人が30%という話もある。「恋愛」が時代遅れに、またはとっても難しいことになりつつあるわけね。こうなったら、子育て支援等と合わせて、生まれてきた子どもたちをどう育てていくのか、が本当の課題じゃなかろうか。社会全体で大きく見直して子どもや青少年の心のケアを最優先していく必要がありそうだ。
日本だけの問題じゃないね。ただ、数字にしにくい事項だけになかなか難しそう。
最後に、先程のフィンランドのピンクの買い物カゴについてなんだけど、男女の出会いの場はマッチングアプリが主流になったアメリカ。末っ子に「アメリカでもこれやればいいのにね」と言ったら「とんでもないよ、そんなの危なすぎる」。確かに。「僕もシングルなんだよ」と声をかけられついて行ったらやばいことに、っていうシナリオが簡単に頭に浮かぶ…。やはり世界で一番幸せな国、フィンランドだからできるんだな。



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