日曜の夜は親しい友人宅に夫婦でお呼ばれにあずかった。彼の30年来の友人だという男性とそのパートナーも加わり、合計6人の楽しいディナーとなった。
呼んでくれた友人とは今年28歳になる長男の乳児保育で知り合ったので、私たちの付き合いも長いのだ。アメリカはホームパーティの機会が多く、そこで顔見知りになった友達の友達と新しい付き合いが発展するというのも珍しくないので、この男性とは過去30年にお会いしたことがありませんでしたね、と驚いた。
そこで苦笑いする男性二人。どうも、数年前に離婚した友人の前妻とウマが合わず出入り禁止になっていたよう。実を言うと、ワタシら夫婦も長く出入り禁止になっていた時期があったので(笑)離婚してくれたときは正直ほっとした。コワイ奥さんであった。
彼には、去年からお付き合いしている素敵な女性がいて、お互いの家を行き来してとても良い関係を保っている。ご両親がギリシャ系だと言う彼女が焼いてくれたギリシャのほうれん草パイ「スパナコピタ」がメインディッシュのディナーパーティだった。
当夜のシェフのギリシャ系アメリカ人1名。私たちの古い友人はデンマークの人。別れたコワイ奥さんはベトナム系だった。出入り禁止を受けていた男性はラテン系アメリカ人。彼のパートナーはコテコテのニューヨーカー。すごいマンハッタン訛り(そんなのがあるのよ)はほとんど聞き取りにくいほど。うちの夫はユダヤ系アメリカ人で、おばちゃんはもちろん生粋の日本人。
6人は、肌の色もアクセントも文化的背景も違う。だけど一緒にギリシャのパイを食べ、デンマークのチーズを楽しむ。おつまみのお皿にもられているのはモロッコのオリーブ。出されたワインはキンキンに冷えたカリフォルニアのシャルドネ「Josh」。デザートはティラミス。我が家は手土産にスコットランド名物 Tunnock’s タンノックのティーケーキを持参した。友人は、故郷デンマークのなんたらかんたら(デンマーク語)というお菓子と同じだ!と驚く。そりゃそうだ。バイキング時代から両国関わりが深い。ポルトガルのお菓子が日本に定着してカステラになったようなもんか。
音楽はギリシャの民族音楽からラテン、ジャス、クラシックへと変わっていく。アメリカの、特別でもなんでもないホームパーティの風景だが、今のアメリカの状況下ではこんな風景がとても貴重に感じられおセンチになる。いろんなカルチャーが混ざり合う、どう考えてもポジティブでしかないこんな風景をどうしてざくざくと刈り取ってしまおうとする?
持参したティーケーキは、所用でスコットランドに出かけた我が長男からのお土産だった。最近は仕事もうまく行っているよ、と生後6ヶ月の時から息子を知っている彼に言うと、へえおむつだったあの子がねえ、となんとも言えない顔になる。今度は、デンマークの大学で教鞭をとる彼の長男の話になる。保育園で隣り合わせのベビーベッドに寝かされ、お腹が弱かった彼は泣いてばかりいた。最近の写真は、昔の面影を残しつつ立派なおじさん(と言っても20代だが)になっているのが感慨深い。
息子たち二人とも、違うカルチャーを持つ両親の元に生まれアメリカで育った。だから体の中には複数のカルチャーがせめぎあってる。アメリカはこんな人ばっかり。若い世代は特に。いまさら単独文化の「真っ白」の国に戻そうなんて、無理だし無駄だし馬鹿げてる…とつくづく思った週末の夜だった。



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