毎日超ド級のビックリニュースが続くアメリカ、その中でも先週一番取り上げられていたのは、右派インフルエンサーの暗殺の波紋と、それに関する発言が原因で降板させられたコメディアン、Jimmy Kimmel ジミー・キンメルさんについて。
アメリカ人がとっても敏感な「アメリカ合衆国憲法・補足条項第1条 言論の自由」が脅かされているとして大騒ぎになり、ジミーさんの番組を作成するABC局の親会社ディズニーの株価は1日で7%暴落、ディズニー・チャンネルやストリーミングサービスは、このニュースに大きく動揺した人たちからのキャンセルが相次いだ。リベラル派が多いハリウッドの俳優たちからの契約キャンセルの申し込みも相次いだという。
こういう成り行きになることを予想してかしらずか、キャンセル手続きは必要以上にわかりにくくなっていて、TikTokやインスタでは「ディズニーはこうやってキャンセルします」動画がおおくアップロードされ(キャンセルに平均22分かかるらしい)、一旦キャンセルが済んだらそのスクショをSNSでシェアし合う、政府に対する一種のプロテスト運動のようになった(キャンセルの動機に現政権が深く関わっていたため)。
これに反応してディズニーが声明を出し、ジミーさんは火曜日から復帰することになった。今夜のトークショーでどんなモノローグが聞けるか興味深い。ジミーさんが「復帰なんてこちらからお断り」と言ってくれたらかっこいいが、160名の番組スタッフが即刻失職してしまうとあってはそうもいかまい。
ディズニーを含むハリウッドの大手スタジオは現在5社。
- ウォルト・ディズニー・スタジオ(Walt Disney Studios)
- ソニー・ピクチャーズ(Sony Pictures)
- スカイダンス・パラマウント・ピクチャーズ(Skydance Paramount Pictures)
- ユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures)
- ワーナー・ブラザース(Warner Bros.)
それぞれが系列のメディア会社や人気ストリーミングサービスを抱える巨大企業になっている。3.のスカイダンスは先日パラマウント買収が完了、新しくCEOに就任したデービッド・エリソンは、オラクル創業者で「新・世界一のお金持ち」ラリー・エリソン氏の息子。現在スカイダンスは 5.のワーナーブラザースの買収提案書を作成中である。もしこの買収がつつがなく進めば、ハリウッドの「ビッグ・ファイブ」は「ビッグ・フォー」へと再編成が進むことになる。
ハリウッドは長いあいだ20世紀フォックスを含む「ビッグ・シックス」だったが、フォックスは2019年にディズニーに買収されているので、このワーナー買収も非現実的な話ではないし、とにかく資金なら負けないスカイダンス(とパパのラリー)。
スティーブ・ジョブスに憧れて育ったというスカイダンス・パラマウントのデービッドさんは、ミッション・インポッシブルやトップ・ガンなどヒット映画のプロデューサを努めた人(とするとトム・クルーズと仲良しってことはこの人もサイエントロジーだろうか、とあらぬところに思考が飛ぶ)。
パパ・ラリーの資金力とテクノロジーの助けを借りて「南カリフォルニア(映画産業)と北カリフォルニア(テクノロジー)の融合」でAIを駆使した映像作りで効率化を目指している、らしい。ハリウッドという伝統的、文化的、象徴的で巨大な存在でさえ、テック産業の魔の手から逃れられない(汗)みたいね。クビになる人もたくさん出そう。
でね、パパ、ラリーさんはこの間のホワイトハウスお食事会にも参加してて、大*領とも仲良しだ。その息子がワーナーを買収するとなると、我が家でサブスクして来た HBO(映画チャンネル)、CNN(リベラルニュース)、Discovery ディスカバリー(自然・科学・動物モノ)がワーナー傘下なので、うちとは人生観的に相容れないあちら側さんに回ってしまうということ。
(テックお食事会についてはこちらをご参照↓)

(すまん、本筋とは全く関係ないが、パパ・ラリーさんは過去5回結婚していて(デービッドさんは3番目の奥さんの子ども)、現在の妻はなんと47歳歳下、33歳のすっごくきれいな中国系アメリカ人。ラリーさんは81歳。)
特に以前まで大*領をケチョンケチョンにけなしていたCNN(最近は報復恐れて、そうでもない)なんか、口を塞がれると、もともとの存在理由自体が脅かされるようになる。ほんと、このくらいのメディアと政治の癒着がすすんでいるアメリカ(汗)
実を言うと、最近、ディズニープラス、HBO(CNN含む)、Hulu(結構いいドラマがあるチャンネル)の3つまとめて月に20ドルでサブスクできるプランというのに申し込もうかなと思ってたところ。でも先週の動きを見てやめたよ。今んとこなくてもいいか〜という気になっている。
キャンセルした人、申込みをやめた人、一人ひとりは20ドルでも数が多ければ会社への影響は大きい。ささやかな抵抗だ。あれ?ディズニープラスとHuluはディズニー傘下、でもHBOはワーナーのハズ、となると企業間提携だね。こっちはお茶の間で画面を見てるだけだけど、その後ろに蠢く収益モデルと政治的駆け引き。やだねええ。
そして忘れてはならないTikTok、データ流出を危惧してアメリカから追放されそうになっていたが、このたび中国の親会社バイトダンスとアメリカ国内の委託ライセンス契約が合意に達しそうということだ。バイトダンスのアルゴリズムに上書きできる技術を提供するのがパパ・ラリー・エリソンのオラクル、他の出資者は右派テレビ局FOXのオーナー一家、マードックの投資部門、大*領と友だちのマイケル・デル(DELLの社長)が設立した投資会社など。12月を目処にアメリカ法人を設立する運びとなるそう。
うちらからは完璧あちら側のこの方たちがTikTokのアルゴリズムを掌中におさめるとなると、今後どうなるかね… ?見るもの聞くものぜーんぶ支配されそう。



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