ハリーとメーガンのイギリス帰国と富裕層のマネーゲーム

セレブ・ロイヤルファミリー

前回のブログの最後に、アメリカとカナダの関係がまるで英国王室のウィリアム王子とハリーのようなもの…と書いたが、そのハリーと嫁のメーガンが、6年間の謀反のあと、イギリスにご帰還になった。いちばんにアタマに浮かんだ言葉が「どのツラ下げて…」(笑)。

今のところ、一家はロンドン郊外のコッツウォルドかオックスフォード郡に居を構え、御子息アーチーとリリベットは、オックスフォードにある Dragon School ドラゴン・スクール、またはコッツウォルドにある Kitebrook School カイトブルックスクール という名門私立校にご入学ではないかと言われているが、どの説も未だに噂の域をでない。カリフォルニアに住んでいたらただのガキ「アーチーとリリベット」だが、イギリスに戻った途端、プリンス・アーチーとプリンセス・リリベットに格上げだ。

カリフォルニア州モンテシートにある22億円の豪邸は売却せずアメリカ拠点として残すらしい。ポルトガルの別荘はもちろんそのまま。メーガン妃は今まで通り、ライフスタイル・ブランド「As Ever」のCEOとして経営を続け、その傍らなんと女優業に復帰を目指すらしい。ハリーのほうは得意なチャリティ活動に専念し、昔のように「庶民に寄り添うお茶目なロイヤルメンバー」という評判を取り戻したいらしい。

尻尾を巻いて?それとも凱旋?

イギリスの皆さんへの街頭インタビューではけっこう「ま、いいんじゃないの?」という感想が多かったのは意外だった。イギリスのロイヤルファミリー好感度調査では、ハリーをスキが33%、キライが58%。メーガンがスキは22%、キライが60%。アンドルー元王子を除いて最下位である。もしアメリカで好感度を調べたら、まったくの肌感覚であるが、もっともっと低そうだ。特にメーガン。

今回の帰国も、アメリカでは「あんなに大騒ぎしておきながら尻尾を巻いてイギリスに戻るの?!」と言う意見が圧倒的に多く(まったく同感)暴露本を出されたり、「王室は人種差別主義者」と発言されたりでロイヤルファミリーに大きな迷惑をかけてきた2人。わたしならバツが悪くて何が何でもイギリスに帰るなんて出来ないけどね?

このバツの悪い決意に至るにはよほどの事情があるに違いない、と、英米のロイヤル評論家の間で連日、理由は???あーでもない、こーでもない、と推測と論争が繰り広げられている。

理由は「子どもの教育」と「お金」?

ハリーは子どもはイギリスで教育を受けさせたい、と前々から漏らしていたそうなので、それが一番の理由ではないかとワタシ的にはお察しする。この政権になってから教育省は事実上解体。政府からの教育補助金は激減、教育がしばしば宗教やLGBTQ問題と言った政治的対立の標的となり、教員の給与の低さもあって質が低下の一途をたどるアメリカ。そして銃問題。子どもが通う学校で襲撃事件の避難訓練が定期的に行われるってやっぱり普通じゃない。イギリスで私立の高等教育を受けさせられる特権があるならそのほうがなんぼか良いに決まっとる。

が、ジャーナリストたちが一番に挙げる帰国の理由は「お金」。

6年前にアメリカに引っ越したときは、ネトフリと150億円以上の契約を結び、スポティファイともポッドキャストの契約、インタビューや暴露本の出版、ハリウッドでセレブ・パーティのゲストとして度々招かれたり、ときらびやかなスタートを切った2人だったが、その後の転落ぶりは世界中の知るところ。

6年たった今では「ロイヤルつながり以外は何の才能も中身もない2人」としてネガティブ報道以外で二人の顔を見ることはなくなってしまった。メーガン妃のライフスタイル番組は、ネトフリ番付でなんと3,197位という目も当てられない惨敗ぶり(なのにエミー賞ノミネート。なんでや)。支出が多すぎる2人の「お金が底をついてきてる」からイギリスに帰る、という意見が主流のよう。

お二人の「資産」を試算

ホントにお金が一番の理由なのか??このお二人のおサイフ具合を分析してみよう(笑)あくまでも試算である。公表データや業界紙(Forbes、The Wall Street Journal等)の報じる推定契約額をもとにAIの助けを借りてまとめてみた。

2人が王室離脱以降に獲得した主な収入源は、推計で累計2億ドル〜2億5,000万ドル超(約300億〜380億円)で以下の表がその内訳

収入源・契約 推定契約額・収入(約) 詳細・背景
ネトフリ契約 150億円 コンテンツ制作契約
スポティファイ契約 30億円 ポッドキャスト制作
暴露本『SPARE』印税・契約金 30億〜60億円 前払い金と追加印税。
ダイアナ妃からの遺産 約15億円 信託財産
クイーン・マザー(エリザベル女王の母)からの遺産 10億〜15億円 信託基金。
スピーチ・講演料(1回あたり) 1.5億円 超富裕層向け講演

これ以外に、引っ越し時にはチャールズ国王がかなりの額の一時金を支給したと言われているがその額は未発表。20億円くらい?

この中からカリフォルニア州の超高級住宅地、モンテシートの22億円邸宅の頭金7.5億円と、ポルトガルのリゾート邸宅推定7.5億円の合計15億円をキャッシュで支払った(ポルトガルについては推定)。アメリカの不動産は、住宅購入はローンを組んだほうが利子と節税の面からかなりお得になる。

いろんな支出のあと手元に残った300億円(仮定)を年利7%で運用すると、資産運用による不労所得だけで年間約21億円。複利で運用し続けると、6年間で300億円が450億円に増えている計算になり、これを雪だるまと呼ばずして?

AIバブルのアメリカでは、かしこく運用していた場合の利率は7%より遥かに高いので、上の試算よりもっと不労所得は多かったと考えていい。お二人は今でもものすごいお金持ちであり、イギリスに帰るのはお金だけが原因とは考えにくい。

お二人の「支出」を試算

高級住宅地モンテシートでの生活費、住居費を含むその他諸々の支出試算をざっとまとめると以下の通り。「家庭関連」と「事業関連」に分けてある。

[家庭関連]

項目 年間推定額 年間推定額(155円換算) 説明
1 住宅維持費+固定資産税 $2,000,000 3億1,000万円 ローン返済、固定資産税、敷地・プール・建物の専門管理維持費
2 24時間セキュリティ費用 $3,000,000 4億6,500万円 全額自己負担の民間専属警備チームの人件費
3 生活・教育費 $2,500,000 3億8,750万円 食材・外食・日常雑費、子どもの学費・シッター雇用費など
合計 家庭関連 支出合計 $7,500,000 11億6,250万円

[事業関連]

項目 年間推定額 年間推定額(日本円換算155円) 説明
4 ライフスタイルブランド「As Ever」事業損失(赤字) $5,000,000 7億7,500万円 初期投資、製造・物流・PR発送・運用赤字
5 PR・法務(弁護士)・会計プロ費用 $5,500,000 8億5,250万円 英米での大型英裁判弁護士費用、イメージ戦略顧問、資産管理法務報酬
6 移動・衣装費 $1,500,000 2億3,250万円 チャーター機・プライベートジェット移動費、公の場での衣装・スタイリスト費
合計 事業・プロ関連 支出 $12,000,000 18億6,000万円 外部プロ委託・対外訴訟・事業立ち上げに伴う年間変動コスト

家庭関連支出11億6,250万円と事業関連支出18億6,000万円をあわせた年間総支出の試算は約30億円。とすると、ふむ。「資産」の段落で計算した「不労所得」は約21億円であるから、ちょっと見では赤字である。ライフスタイルブランドは大赤字、二人が関わった最近のネトフリドキュメンタリーや映画も大失敗で、この赤字をカバーできる安定した収入は調べた限りではどこにもないから、年々資産がやせ細っていずれは破産に至る、と思うのはワタシら庶民のいじましい(笑)考えである。

「As Ever」の大赤字は、節税の大きな味方

2つ目の表「事業関連」の支出は、アメリカ特有の税制のトリックをフル回転させて二人が持っているチャリティや事業体の「経費」または「損失」として計上しているはずであるから、実際に2人のおサイフから毎年出ていっているお金は1つ目の表「家庭関連」の支出のみと考えられる。

その家庭関連の支出も、メーガンのライフスタイルブランドのおかげで自宅での撮影や生活ぶりがビジネスの一部なので、住居費+固定資産税のうちの一定比率、食品、調度品、キッチンの器具など、ありとあらゆる費用が「ビジネスに係る経費」として計上できるから、実際のおサイフからでていっているのは11億円よりずっと少ないはず。もしかしたら教育費と犬のエサ代だけくらいか?いや、犬もちょくちょく映り込んでいるからそれも経費かもしれん。獣医さんも?

ライフスタイルブランドの惨敗ぶりは見ているこちらが気の毒になるほどだが、その赤字こそが見かけの収入、つまりは税率を下げるお手伝いになる仕組み。

As Ever は、ま、お金を儲けるための事業というよりは「インフルエンサーになってみたかったの」という「メーガン妃のホビー」と、「節税対策」以上のなにものでもないと考えると納得が行く。ジャムがまずいとか、キャンドルがバカ高いとか、どんなに世間に叩かれたってイタくも痒くもないわけだ。

「蛇の道は蛇」州法・税法のプロと、富裕層のマネーゲーム

「ハリーは字が読めないんだよ(笑)」というジョークが通用するくらいオツムがイマイチという噂の王子様。夫に比べると、もう少し目端が効きそうなメーガンだがあまりにナルシストすぎて、手に手を取って今の境遇を招いた令和のバカップル。

まさかこの2人が資産運用やら節税やらの知識を持ち合わせていたわけではなく、世界、特にアメリカには UHNW(Ultra High Net Worth ウルトラ・ハイ・ネット・ワース)と呼ばれる超富裕層だけを顧客に持つビジネス・マネージメント会社と、国際法に精通した法務コンサルタント(法律事務所)がいくつも存在して、セレブたちに日々「高度な節税・資産管理構造」というのを伝授しているのである。

ビジネス・マネージメント会社は、「税金対策、資産運用、保険、個人事業の財務」までを一括管理する。彼らにとともに雇われた法律事務所は、州法、税法、国際法の抜け道のプロで、「デラウェア構造」と呼ばれるビジネス節税、持ち株構造、肖像権などのライセンス管理を行う。

この人たちにかかったら、収入は支出と赤字でチャラになり、多少出た利益はチャリティに寄付してゼロ税率を勝ち取る。セレブビジネスの本社は税法が有利なデラウェア州に置く。個人の収入とビジネス収入を有利な分類で振り分けて、プライベートジェットや豪華なお衣装はもちろんビジネス経費で計上。

どの経費をどこで落とせばカリフォルニア州税を相殺できるか、とか、バカップル個人と非営利団体のアーチウェル、ライフスタイルブランドのAs Everの間でどう資金と経費を合法的に還流させるか、などを税務署の監査に引っかからないギリギリのレベルで最大級の節税構造を作ってくれるのだ。いいなあ。

もちろん英国王室にもそういうお抱え税理士、お抱え弁護士がいて、ハリーには昔のよしみで色々紹介したりしてくれるんだろうから、英米の両方と、不動産を持つポルトガルの3国でいいとこ取りしていちばん有利な方法で資産を転がしながら、これからも2人でうまくやっていくに違いない。

まとめ

お金が底をついたわけでないとする、と、なぜイギリスに戻るの?子供の教育っていうのがいちばんだろうが、実のところ、カリフォルニアにいても、友だちも仕事もなんの存在目的もないおバカ王子のホームシックがもうとんでもないとこまで来てしまったせいじゃなかろうか?平日の真っ昼間からサーフィンして、夕方からはわけのわからんパーティに行き、時折メーガンの命令でカメラの前に立つだけ。ロイヤルファミリーがみんな集まった親戚の結婚式に1人だけ招待されず、どんなに寂しかったことか。それは長いこと海外暮らしのワタシにもよく分かる。

モンテシートの邸宅はそのままということは、ま、行ったり来たりの生活で(プライベートジェットは経費でね)時に別居できるし、この辺が落としどころだった、ということか。

いずれにしろ、イギリスでどういう暮らしをなさるのか興味津々。プライバシーを守り抜いて一般市民として暮らすのか、そのうち我慢できなくなって露出を始めるのか?ご公務復帰なんてこともあるの?

余談だが、帰りたいならスキにしたらと言う感じのイギリス国民だが、実に96%の人が「バカップルに公的資金で警護をつけるなんてとんでもない」と答えているそうである。

参考資料・「チーム・サセックス」を支える専門家集団

(サセックスはバカップルの称号)以下の専門家集団を雇って頑張っている2人。上の段落で述べたビジネスマネージメントや法務のプロを含め、こんなに強力なチームがついておりながら「物笑いのタネ」とまでは行かないかもしれないが、まあ、イジラレっぱなしの存在だというのは一体どうゆーこと?と頭を捻ってしまう。

彼らに払う年間の報酬額は、推定合計8億5,250万円(「事業関連支出」の表5の項目)である。

役割  事務所・人物名 概要・詳細
ビジネス・マネジメント(財務・会計)      Gelfand, Rennert & Feldman (GRF)

ゲルファンド・レナート&フェルドマン 

ハリウッド屈指の大手ビジネスマネジメント会社。渡米後の夫妻の資金管理、税務対策、LLCスキームの運用を担当。
総合エージェント(エンタメ・IPビジネス)       WME (William Morris Endeavor) ウィリアム・モリス。エンデバー ハリウッド最高峰のタレントエージェンシー。映画・TV制作、ブランド立ち上げ(As Ever等)の法的・ビジネス交渉を主導。
米法務・IP(知的財産)顧問 Venables LLP ベナブルズ LLP(ロンドン)

Hansen Jacobson ハンセン・ジェイコブソン(ハリウッド)

ArchewellやAs Everに関連する商標権の出願・IP管理、契約交渉、法務全般。
英法務・名誉毀損対策 Schillings シリングス(ロンドン) ロンドンを拠点の危機管理・名誉毀損専門の高級法律事務所。イギリスのタブロイド紙に対するプライバシー侵害・著作権侵害訴訟などを担当。
広報・PR顧問 Ashley Hansen(hansen-communications)アシュリー・ハンセン(ハリウッド) 元ビル・クリントン事務所や各種グローバル企業で広報アドバイザーを務めた人。PR戦略を担当。
王室・資産マネジメントのパイプ Mark Dyer マーク・ダイヤー(ロンドン) ハリー王子が信頼を寄せる元・王室侍従武官。王室離脱後のプライベートな資金運用やアドバイザーネットワークとのつなぎ役。

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