【アメリカ週末日記】「オトナ」のハロウィンと「青い津波」を待つアメリカ

ニューヨーク・旅行・暮らし

ハロウィーンの週末は、仲良し女子の朝ごはん会で始まった。それぞれ異なるスケジュールをなんとかあわせ、2ヶ月に一度くらいは集まって近況報告をするようにしている長年来の友人とは家族ぐるみの付き合いで、お互い、生活背景の説明をまったく省いておしゃべりに突入できるのが心地よい。

バターとジャムの「フライト」で始まる秋の朝

マンハッタンと違って小洒落たブランチの店も少ないニュージャージーの片田舎、数少ない候補の中から今回は「Butter & Jam バター&ジャム」と言うカフェに決めた。その名の通り、バターとジャムが売り物のこのカフェの名物は「Butter & Jam Flight」。こちらです。

Flight フライト(お試しセット)は、飛行機のフライトと同じ単語だが、渡り鳥がひとかたまりになって飛んでいくさまもフライトというので、ビールやワインの醸造所で幾種類もの小さなグラスがお盆に乗ってでてくるテイスティングメニューも「フライト」と呼ばれる。このカフェでは、アルコールの代わりに季節のバター、ジャム、パン3種類がどっさり乗ってくる。

今回のバターは秋らしいパンプキン・シナモン、マーマレード味、そして定番のいちご味。ジャムはいちご、いちじく、ブラックベリーの3種であった。パンは、ミニクロワッサン、スコーン、コーンブレッド。これにそれぞれ卵料理を追加してお腹いっぱいの朝ごはんとなった。

アメリカの朝食レストランで驚くのが卵料理の調理法を細かく指定できることであるが、このカフェも例外でなく「卵はどうしますか」と聞かれる。スクランブル、サニーサイドアップ(目玉焼きの片面焼き)、オーバーイージー(目玉焼きの両面焼き)と、3人でそれぞれ好みも違う。ワタシは「オーバーイージーのウェル・ダン(しっかり焼いたもの)」を注文。黄身がどろリーンとでてくるのが昔から苦手なんである。

もう二度とやらなくていい!仮装パレードとキャンディ配り

お店を出ると、金曜日のお昼時だと言うのに小学校にお迎えの列ができている。そうだ、ハロウィーンは明日だけど学校がお休みなので、学校の仮装パーティは今日やっちゃうんだな。ああ、そういや長ーいい一日だった、ハロウィーン。学校は半日で迎えに行き、急いでお昼を食べさせコスチュームをつけて学校に戻る。はしゃぐ子どもたちがコスチューム自慢をしながら張り切って近所を練り歩いたあと下校して、その夜はトリック・オア・トリートに出かける。

子どもも親ももうクタクタである。子どもたちはキャンディーで完全にシュガーハイ、帰宅してからは集めあるいたキャンディーを床にばらまいてカテゴリー分けをしたり友だちと交換をしたりで結局夜中まで寝付けないが、平日だと、翌日普通に学校があったりして疲れるのなんのって。楽しかったけど、もうやらなくていいと思うと心の底からホッとするお祭りなんである。

ハロウィーンと冬時間への移行が同時に

若いお父さんお母さんたちにはラッキーなことに、トリック・オア・トリートがあるハロウィーンナイトは今年は土曜日に当たった。しかも、その夜はアメリカが一斉に「冬時間(時計を1時間遅らせる)」に切り替わる事になっている。今まで起床していた午前7時が冬時間で午前6時になってくれるので「あーまだ6時じゃん♡」ともう一度お布団に潜り込むことができるという、一年に一度だけ訪れてくれる至福の日である(夏時間に戻るときっちり調整されるので、その時は朝の一時間を失う…)。

最近はトリック・オア・トリートの傾向がかなり変わってきて、実はわが家の付近にはまったく子どもたちが訪れなくなった。以前はコストコの大袋を三つ買ってきても足りないくらいキャンディ集めの子どもたちでストリートが賑わったんだが、寂しいような、ま、キャンディ用意しなくていいからそれもいいような。子どものコスチュームの用意も、キャンディかごの用意もなくなった還暦夫婦は、もう一組の還暦夫婦とハロウィーンを記念してのんびりとオトナだけのホラー・ムービー・ナイトを企画することにした。

今年は「オトナ」なハロウィーンに

食事やお飲み物のお作法がとってもヨーロッパな(二人ともヨーロッパ人)の2人が用意してくれたのは「ハロウィーン記念・激辛ソーセージ」「かぼちゃとバスマティ・ライスのハッシュ」「目玉サイズの芽キャベツのロースト」であった。大きなグラスにトクトクトク…と注いでくれる赤ワインは「血」の色…。わが家からは「かぼちゃとむらさきいものパウンドケーキ」、濃いオレンジと紫のマーブル模様がおどろどろしいハロウィーン仕様のお菓子を作って持参した。それに合わせて供してくれた、これまた血の色のポートワインを飲みながら、スウェーデンが舞台のアメリカのホラー映画「ミッドサマー」を鑑賞。奥さんは「ギリシャ(出身ね)を舞台にアメリカ人がこんな映画作ったらわたしゃ怒るけどね???スウェーデンの人たち、文句言わないのかしらんね?」というくらい、わりとめちゃくちゃな内容の(イマイチどころか)時間のムダ系の映画だったが、ま「一緒に観る」ことが楽しいのであって映画の質は二の次ということで。

冬時間に切り替わるのは一体いつ?アメリカの混乱

映画が終わって帰宅しiPhoneを見ると時間は午前1時15分であったが、真夜中にアメリカ中が冬時間に切り替わり、iphoneの表示も自動的に変わったはずだから、昨夜までなら実は午前2時15分!こんなに遅くまで起きてるなんて一体何十年ぶり???と驚いたが、勝手に切り替わってはくれない壁の時計も1時15分を指しているということは、あれ?まだ1時15分のようだ。なーんだ、冬時間に切り替わるのは明日の夜カア、と納得してほろ酔いで眠りについた。

そしたら、朝起きたら冬時間になっていた…!AIに聞いたら、切り替わるのは「午前2時」なんだそうだ。この国に30年もいて知らなかった。真夜中だと土曜の夜のことなのか日曜の朝のことなのかと混乱するし、午前2時は動いている交通機関や夜勤のシフト交代が一番少ない時間帯であることなどを考慮して、アメリカ中、切り替えは午前2時と決まっているそうなのだった。時差があるので東海岸が冬時間に切り替わった午前2時はカリフォルニアはまだ午後11時。3時間後にカリフォルニアも冬時間に切り替わる。

ちなみに、ハワイとアリゾナの2州は夏冬時間の制度自体取り入れていないそうだ。これは聞いたことがあったような気がしたがAIのおかげで認識が明確になりました。

翌・日曜はご近所のパーティへ

翌日曜はマンハッタンではニューヨーク・マラソンが行われた。前夜のハロウィーン・パーティから朝方帰宅する二日酔いのコスチューム姿と、早朝からスタート地点に集まる短パンのランナーたちが交錯し、マンハッタンはなかなか面白いことになっていたそうだ。

郊外のわが家ではご近所の集まりが。定年したから時間がたっぷりあるというお料理好きのマリーさんが食べ切れないほどの料理を用意して近所10家族くらいを招いてくれた。実は、数年前にがんでこの世を去った近所の友だちの旦那さんに新しいパートナーができ、彼女の勤務先に近いブルックリンに一緒に引っ越すことになった。奥さんのあと犬2匹も続いて亡くなり、激ヤセもあって、あまり助けにもならない自分に歯痒い思いをしたが、表情が明るくなり、パートナーと新しい土地で新生活をスタートさせる彼の送別会も兼ねた、ほのぼのとした集まりになった。ほんとに良かった。

パンデミックあとの数年ご近所の入れ替わりも多かったので、顔合わせが出来たし、犬同士が犬猿の仲でなんとなく気まずい雰囲気のあったおばちゃんの名前もわかりご挨拶もすませたので、今後は犬がギャンギャン言い合っても飼い主同士は苦笑いで済ますことが出来そうでありがたい。

アメリカ今週はどうなるよ?

これを書いている今は11月2日月曜日の朝。ちょっと飲みすぎ・食べ過ぎ・夜ふかしし過ぎの週末を過ごした還暦は、とってもダルい。

昨日のパーティでも「もう投票した?」「この投票は大事よね」とソワソワした感じで何度も話題にのぼった中間選挙がとうとう明日。ニュージャージーという土地柄もあり、参加者は間違いなく全員が反㋣なのでこういう会話も可能だった。

反㋣の民主党の圧勝が期待されているが、各地での選挙干渉もたくさん報告されていて、開票がすむまでなんとも言えない。大方の予想としては「Blue Wave 青い波(民主党の色が青なので)はまちがいなし。Blue Tsunami 青の津波になる予測が高いが、もしかしたら Blue Super Tsunami 青のスーパー津波だって期待できるかもしれない」という。

ウェイブだのツナミだの言うのは実はメディアにちゃんとした定義があるということを(冬時間と同じく)これまた今回初めて知った。

  • 「民主党が下院218議席・上院49議席以上ならブルー・ウェーブ」
  • 「民主党が下院235議席・上院51議席以上ならブルー・ツナミ」
  • 「民主党が下院250議席・上院60議席以上ならブルー・スーパー・ツナミ」

というのが指針だそうで、これはまあ、アメリカ政治豆知識ということでここで触れておきますネ。自分たちの生活に大きく影響するので、日頃はあまり政治に関心のない層も熱心に選挙のニュースを追って事前選挙に詰めかけた今回の中間選挙。

ハロウィーンが終わってホッとしたが、今週はなんだかもっと落ち着かない週になりそう。まずはこの胃もたれ、なんとかせねば。

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