生粋アメリカ人の義妹から「韓国スパに行かない?」とお誘いがあった。マッサージに行ってもイマイチでかえって欲求不満が残るし、アメリカに来てからはすっかりスパからは足が遠のいていたけれど、ジリジリ人気上昇中の韓国スパ、行ってみることにした。
電球を発明したエジソンの生まれた町は今ではその名もエジソンという。韓国系、インド系の住民が多くて、かなり前に巨大な韓国スーパーのチェーン、H(エイチ)マートができた。以前は「ハン・アレヨン」という名の店だったがアジア系食材ブームが押し寄せた頃、英語で読みやすい名のHマートに改名した。
それからは韓国系以外のお客さんも増えたし、同じショッピングセンター内にあれよあれよと韓国系の店が集まって、今では韓国ベーカリー、焼肉、チゲ鍋専門店に韓国系の親に人気のある公文の教室、水泳教室、韓国の銀行などがどんどん出来た。韓国系の友だちによると、用事がそこで全部事足りてしまうらしい。なぜかダイソーもある。

その一角のかなり大きな面積を占めている建物が韓国スパのIsland Spa アイランド・スパである。でかい。名前の通り南国アイランド風のインテリアは茶色でまとめられていて落ち着く。お金を払ったら薄っぺらいタオル2枚と腕につけられるようになっているロッカーの鍵をわたしてくれた。
受付の先はすのこになっていてそこで靴を脱いで靴用のロッカーへ。私はもちろん難なくクリアしたけれど、義妹は「え、なんで?なにコレ(スリッパを指差す)」。
ぺたぺたとスリッパを引きずって中に入ると、まんなかのフロアはゆうにテニスコートが10枚くらい取れる巨大さ、中央のジュースバーを取り囲んで座り心地の良さそうな低いソファやマッサージチェア、ちょっと変わった感じの覆いが付いた安楽椅子などが大量にずらりと配置されている。
そのまわりには人が10人くらい入れるかというくらいの大きさの土レンガの「かまくら」が円を描くようにかなりの数並んでいる。清潔で南国風モダンの内装にいきなり大きな赤茶のれんがのかまくら出現で、ちょっとほかでは見ない風景。これらはサウナだ。普通のサウナ、薬草のサウナなどそれぞれの効用が違うらしい。こちらで画像を見てね 👇
慣れた風の人たちがサウナに入っては休憩所に出てきて休み、今度は違うサウナに入りに行く、というようなことを繰り返していた。気がついたのはね、韓国のおじさんたちが抵抗なく紙のパックを顔に貼り付けてゆったりと休憩してる風景。何人もいた!日本のサウナの経験はないが、21世紀の今、日本の中年男性も紙パック、抵抗なく顔に貼るのだろうか。
入場料35ドル(オンラインで買って10ドル引き)で何時間でも滞在できるシステム。入場料に含まれているのは、5種類ある温泉とかまくらサウナ。私と義妹はそれに20ドルのアカスリと、奮発して100ドル近くするホットストーンマッサージを追加。熱く熱した石でマッサージしてもらえるのだ(よだれ)。前日はそれを考えただけで身体が溶けそうだった。

アカスリは予約制で指定の30分前に温泉に向かう。温泉部分だけは男女別だ。ロッカー室は予想はしたが韓国ばあちゃんたちで一杯だった。みんなすっぽんぽんで、なんと入浴の後に扇風機で股間を乾かしているばあちゃんもいる(笑)。若年層はさすがにペラペラタオルで恥ずかしそうにロッカーから温泉に移動するが(私も)、義妹はアメリカ人なのに全くのすっぽんぽんでばあちゃんたちの間を平気ですたすたと歩いていく。
めったに見ない白人女性のすっぽんぽんにばあちゃんたちの会話が止む。義妹、全く気にしなーい。その時点でもう私は帰ってから家族に報告するためのメンタルノートを書きまくり。
温泉は、一番奥のJapanese Herbal Bath 日本式ハーブ風呂以外はカルキが強くてあんまり楽しめなかった。アカスリ用のテーブルが5つのお風呂がひしめく温泉室の奥におかれていて、時間通りに行くと、先ず15分お風呂に浸かって、と言われる。
日本式ハーブ風呂に浸かっていると、後ろからバンバン、と肩をぶたれ、アカスリおばちゃんが怒ったようにあんたの番よ、という。隣のお風呂から義妹も呼ばれて二人でアカスリテーブルにうつむきに寝かされる。ピクニック用のテーブルに、昔実家にあったような、ギンガムチェックにフルーツ模様のビニールのテーブルクロス。
そして、数人いるパンチパーマのアカスリおばちゃんたちは制服を着ている。レース付きのセクシー系黒のブラにやはりレースで出来た下着風のスコート…..。暑いし肉体労働だから理にかなっているんだろうけどなぜにレースでかなり透けているのか?
さて、アカスリが始まった。気持ちいいいいいいいいい。何十年ぶり?かかとや足の付根は念入りにこすってくれる。ボロボロと垢が取れている様子。お寺においてあるような柄杓で足元の青いポリバケツからお湯をすくって ばしゃばしゃとかけてくれながらゴシゴシが続く。義妹とほうけた顔で気持ちいいねええと言い合った。
とろとろしていたら、黒ビキニおばちゃんがおもむろに足元のポリバケツを取り上げると私のかかとの後ろに立ち、セーノ〜、という感じでお湯をばちゃーーーんとぶちまけた!下の方からすごい勢いでかけられたお湯は首を超え私の髪の毛はお湯と一緒に先方に流されびしょ濡れ(もう濡れてたけど)。
そしてもう一回、ばちゃーーーん!えええええ!魚になった気分。義妹は犬みたいに首を振って水気を切ろうとしてる…..ところにもう一回!
その後は水道口に繋いだ青いホースから出る勢い強いお湯で私達の体を洗い流す…..イタ。やられるがまま。びっくりするお客なんて見飽きてるんだろうおばちゃんたちには笑顔はゼロで「やってらんねえ」って感じの怒り顔だ。

(こういう感じね)
テーブルから降りろ、と言われてヨロヨロと立ち上がると、いきなり訳のわからんチューブからニョロニョロと白いクリームを手のひらに絞り出される。そして「おわったから行け」と通路を指さされる。
???
この白いクリームは何?やっとのことで目線を捉えて聞くと、おばちゃんはニコリともせずに顔を洗う仕草を見せる。どうもこれ、洗顔クリームみたい。なぜにアカスリの後で洗顔クリームのおまけをくれるのかよくわからないけれど、その時点で私達の手持ちのタオル二枚はホースの水でビチョビチョだ。手に乗ったクリームは使うか捨てるかしないと温泉は出れない。仕方なく顔を洗い、なんとかタオルを絞って体を拭いて、まだボーッとした頭で義妹とジュースバー近くで落ち合った。
向こうからひときわ目立つ白人が歩いてくる。義妹だ。顔はピンクのゆでダコ状態。目があったとたんに二人でぎゃっと大笑いになった。「バケツで水!」「あのクリームなんなの!!」「あのおばちゃんたちの制服!!!」スイカジュースを飲みながらアカスリ体験を語り合った。
すごい体験だったな。アメリカ版韓国スパだからなのか、それとも本国でもこうなんだろうか。日本でははるか昔に新大久保のアカスリに行ったけれど、丁寧で気持ちよかった記憶しかないぞ。
その体験がとても気に入ったらしい義妹は、なんとその後姪っ子を連れて再訪。そしてそれが楽しかった姪っ子は友だちを誘って再訪。白人ギャル御一行様だ。
このアイランド・スパの他にも何件も出来てきている巨大韓国スパ。時間制限がなくサウナやお風呂で骨の芯までとろけた後は韓国のジュースや軽食。ワタシと同じ年代の友だちも若い子たちも一様に「行ってみたい!!!」と声を上げる。
あ、アカスリのインパクトが強すぎて、その後のマッサージとサウナについてはあんまり記憶がないのです…。



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