今日は番外編で、前日書いたブログ「サナバッグ、サナペン。」の補足になります。

日本ではもう知らない人はいないだろう「サナバッグ」または「サナエバッグ」。スーツ姿の秘書やボディーガードに囲まれて、さっそうと歩くサナエ首相の手には、いかにもちゃんと手入れがされていそうな光る黒革のバッグ。濱野皮革工藝さんの「グレース・ディライト・トート」136,400円(税込)なり。
サナエバッグ現象、今朝のニューヨーク・タイムスに大きく紹介されていました。
ChatGPTの助けを借りて要約しました↓
マーガレット・サッチャー以来、最も影響力のある「Political Bag (政治バッグ)」
(写真キャプション)
日本の新首相・高市早苗氏。彼女の象徴となったハマノの黒いトートバッグは、当選後に完売。
マーガレット・サッチャー(イギリス首相)が四角いローナー・ロンドンのバッグを携えて10ダウニング街(首相官邸)に入って以来、あらゆる意味でこれほど話題になった政治家のバッグはなかった。
日本の新しい首相・高市早苗氏が持ち歩く黒いトートバッグのことである。正式名称は「グレース・ディライト・トート」。通称「サナエ・トート」。A4サイズの書類が入る大きさで、上部にはシルバーの金具、肩掛けも腕にかけることもできる長さの持ち手が付いたシンプルな長方形だ。1880年創業の日本の革製品ブランド「ハマノ」が作っており、『10 Magazine Japan』編集長の増田沙織氏は、イギリス王族御用達の老舗「アスプレイ」にたとえて「日本のアスプレイ」と呼ぶ。色は9種類、定価は13万6,400円(約880ドル)。
つまり、このバッグ自体に特別変わったところはない——ただ一つ、「G7の首脳がバッグを持ち歩いている」という事実を除いては。
高市氏が当選する前、政治の世界でバッグを持つ女性リーダーを見つけるのはほぼ不可能だった。
イタリア初の女性首相ジョルジャ・メローニも持たない。
メキシコ初の女性大統領クラウディア・シェインバウムも持たない。
アメリカ初の女性副大統領カマラ・ハリスも持たなかった。
ドイツのアンゲラ・メルケルも然り。
ヒラリー・クリントン、さらには短期間とはいえ英国首相だったリズ・トラスでさえ、バッグを持ち歩かなかった(ただしエリザベス女王に会った時、女王はいつものバッグを持っていた)。
(おばちゃん註:アメリカ大統領候補だったカマラ・ハリスもバッグはもってなかった!)
その理由はシンプルだ。
権力を持つ男性はブリーフケースを持たない。だから女性も持たない、という暗黙のルールがある。
バッグを持たない=誰かが自分の荷物を持ってくれるほどの立場である、と示す記号でもある。
スタイリストのカーラ・ウェルチ(ハリス氏の初期のスタイリスト)は言う。
「みんなバッグは持ってるのよ。ただし“バッグ係”が運んでいるから、本人が持たないだけ」
(ドラマ『Veep』では、副大統領の“バッグ係”がギャグとして描かれている。)
ドラマ『サクセッション』の最終シーズンで、ある登場人物が恋人の巨大なバーバリーのバッグを「ばかみたいにデカい(ludicrously capacious)」と揶揄するシーンがある。大きすぎるバッグを持つことは、「富裕層や権力者の文化コードを理解していない」というサインになりうる。基本的に、立場が上がるほど持ち物は小さくなる。
しかし、高市氏がその常識を覆した。
『Vogue Japan』のファッションディレクター、亀岡恵美氏は、高市氏のバッグが「プロフェッショナルな女性像」を強調し、彼女の選挙公約である「働く、働く、働く」に通じると語る。バッグには書類やタブレットが入り、優雅さと実用性を兼ね備えている。ハマノ自身も「キャリア志向の女性のために」と宣伝している。
さらにこのバッグは「非常に日本的」だと増田氏は言う。ハマノは長年、皇室に革製品を納めてきた歴史を持つ。以前は「保守的で、あまり流行に敏感でない女性たち」のブランドというイメージが強かったが、高市氏の愛用により、新世代から「日本の誇り」として注目されるようになった。
そしてここには、彼女の“政治的ヒーロー”であるサッチャーとの共通点もある。サッチャーもバッグに強いこだわりを持ち、「手厳しい叱責(handbagging)」という言葉を生んだ人だ(高市氏が青いジャケットとパールを好む点もサッチャーを思わせる)。
サッチャーにとってバッグは、女性首相への抵抗感がまだ強かった時代に、「誰もが持つきちんとしたバッグ」という日常感をまといながら、政治的メッセージを伝えるための道具でもあった。『British Vogue』は彼女のバッグを「整理された頭脳を映す、しっかり者が持つバッグ」と評した。
サッチャー政権の保健相だったエドウィナ・カリーは、このバッグを「彼女の武器」と呼ぶ。サッチャー自身も「政府内で唯一“漏れない(leak-proof)場所”」と冗談交じりに語っていた。
元秘書のシンシア・クロフォードは「極秘文書は必ず彼女のバッグに入れた。彼女は絶対に手放さないから」と述べている。
1988年、サッチャーがレーガンと公式訪問を行った際、アメリカのシュルツ国務長官は彼女にバッグのレプリカを贈り、「ハンドバッグの騎士団」入りを祝った。
2011年には、彼女が使用したアスプレイのバッグが3万9,800ドルでチャリティオークションに。
退任する頃には、バッグは「彼女の揺るぎない権威の象徴」とされていた。
高市氏のバッグが同じ歴史的意味合いを持つかどうかはまだ分からない。
だが、すでに爆発的な人気を生み、「全国的ブーム」「バイラル現象」と報じられている。
『Vogue Japan』の亀岡氏はこう語る。
「彼女が何を着ているか、男性政治家よりずっと注目されている。このバッグは大きいから、なおさら目立つのです」
ハマノの公式サイトによると、黒のグレース・ディライト・トートは注文が殺到し、現在の生産分はすべて完売。「約10か月分の生産量」に相当する予約が入り、次の出荷予定は来年8月末だという。
なるほどねえー。サッチャー首相のバッグの話は知らなかったので、ブルーのジャケット、パールのネックレス、そして権威バッグ、と共通点が興味深い。ファッションは政治家の戦略の大事な一部、必ず利用する「視覚的メッセージ」であるから、きっとサナエ首相も優秀なアドバイザーがついてそのあたりは注意深く検討してあるのだと思う。特に初の女性首相ということで、国民全員が彼女の一挙手一投足に注目しているわけだしね。
こちらのブログもご参考まで。



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