DogSnob (ドッグ・スナブ)と言うワンコ好きのためのイギリスのウェブサイトがある。ワン関係のサイトならグッズ、トレーニング、病気、食べ物、お洋服、トラベルなどそれこそ星の数ほどあるが、このサイトは「犬を飼い始める前に」「トレーニングについて」など、ワンと一緒に過ごす長い期間の基礎作りがテーマのサイト。犬関係というと、割とチャラチャラした内容や聞きかじり情報を広告てんこ盛りで表示するサイトが多い中、サイトオーナーの真面目さが感じられる(でも可愛い写真も多くて楽しめる)数少ないワンコ情報源である。
このサイトに「穏やか気質の犬トップ23犬種」という記事があったのでご紹介。イギリス発だけあって、日本とは違った顔ぶれが揃う。
上から順番に、
-
バセット・ハウンド (Basset Hound) – 耳が地面まで垂れてる短足のワンコ
-
バーニーズ・マウンテン・ドッグ (Bernese Mountain Dog)- 毛むくじゃらの大型犬
-
ビーグル (Beagle)
-
ゴールデン・レトリバー (Golden Retriever)
-
ニューファンドランド (Newfoundland)- こちらも毛むくじゃらの大型犬。
-
ブリタニー (Brittany) – ビーグルに似た小柄の狩猟犬
-
ブルドッグ (Bulldog)
-
パグ (Pug)
-
アイリッシュ・セッター (Irish Setter) – スレンダーで美人、品が良い茶色の猟犬
-
ビション・フリーゼ (Bichon Frise) – 白くてポワポワの小型犬フランス版
-
ラブラドール・レトリバー (Labrador Retriever)
-
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル (Cavalier King Charles Spaniel)
-
コリー (Collie)
-
パピヨン (Papillon)
-
フレンチ・ブルドッグ (French Bulldog)
-
ボロニーズ (Bolognese)- これも白くてポワポワの小型犬、イタリア版
-
コッカー・スパニエル (Cocker Spaniel)
-
ハバニーズ (Havanese)これも白くてポワポワの小型犬、キューバ版
-
イングリッシュ・セッター (English Setter)- アイリッシュと見かけ似てるけど色違いの猟犬
-
グレート・デーン (Great Dane) – デカいデカい犬
-
ボストン・テリア (Boston Terrier)
-
セント・バーナード (St. Bernard)
-
レオンベルガー (Leonberger)- デカいぬ。ニューファンドランドとセントバーナードをかけて生まれた犬種。
さすがイギリス、「猟犬」がたくさん入ってるのにびっくり。しかし猟犬は「穏やか」で攻撃性は低いのかもしれないが必要な運動量が半端ないので決して飼いやすい犬種ではない。イギリスだとリーシュなしで運動できるところもたくさんあるし、パブやレストランも人間と一緒に入れる。狩猟のコンパニオンとしての犬の歴史が深い国ならではのセレクション。
さて、イギリスとアメリカのケンネルクラブが毎年出している「人気犬種トップ10」を比較してみた。
| 順位 | アメリカ (USA) | イギリス (UK) |
| 1位 | フレンチ・ブルドッグ | ラブラドール・レトリバー |
| 2位 | ラブラドール・レトリバー | コッカー・スパニエル |
| 3位 | ゴールデン・レトリバー | コッカプー (コッカスパニエルとプードル) |
| 4位 | ジャーマン・シェパード | ミニチュア・ダックスフンド |
| 5位 | ダックスフンド (順位上昇) | フレンチ・ブルドッグ |
| 6位 | プードル | ゴールデン・レトリバー |
| 7位 | ブルドッグ | イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル |
| 8位 | ロットワイラー | ジャーマン・シェパード |
| 9位 | ビーグル | ボーダー・コリー |
| 10位 | ジャーマン・ショートヘアード・ポインター | スタッフォードシャー・ブル・テリア |
だそうです。イギリスはやはりスパニエル、ボーダーコリーなど猟犬人気強し。アメリカで4年連続1位のフレンチブルドッグはイギリスでも人気があったものの、健康懸念で年々順位が落ちてその代わりにダックスが急上昇しているそう。フレンチーはカワイイけどね、鼻が短い犬種は見てて気の毒、とワタシも思う。
アメリカンケンネルクラブは「都市別人気犬種統計」というのも出していて(アメリカは大きいからね)都市部は体が小さいフレンチ・ブルドッグ、土地が広い田舎になるとラブラドールが一位。ボストンやニューヨークなどの大都市ではちょっとひねった犬種やプードルも食い込んでいるというのが面白い。
さて、日本は!
アニコム損害保険株式会社「犬種ランキング2026」公式統計によると、
-
MIX犬 (体重10kg未満) マルプー、チワプーなどのデザイナー犬
-
トイ・プードル
-
チワワ
-
ミニチュア・ダックスフンド
-
ポメラニアン
-
柴 (豆柴含む)
-
ミニチュア・シュナウザー
-
フレンチ・ブルドッグ
-
マルチーズ
-
カニーンヘン・ダックスフンド
やっぱり小型犬、そしてお洋服とか嫌がらずに着てくれる犬種が圧巻だ!英米とぜんぜん違うね。カニーンヘンダックスというのは今日まで知らんかった。超小型のダックスちゃんだそうで、たしかにめちゃくちゃ可愛い。アメリカで見かけたことがない。
こういうリストは見ていて興味深いけれど、どの犬種をお迎えしようかなあと考える時には参考程度にとどめておくのがいいと思う。
それぞれの飼い主に優先順位があり、例えば吠えるワンだけは嫌、と思う人はなるたけ「テリア」系は避けたほうが良いし、テリアとスタンプーをかけ合わせて生まれたミニやトイのプードルも割とわんわんいう傾向がある。時間がない人やアパート暮らしには運動と刺激がたくさん必要なシェパードやボーダーコリーを飼うのは向かないし、かなりの覚悟が必要だ。子供がいるならやはり優しいラブやキャバリエがいいかも。
長年かけて人間が作り上げてきた犬種なので、生まれ持っている性格の傾向というのは否定できないが、すべての大阪のおばちゃんがガサツではないように、ワンもどんな犬種であろうと穏やかな子もいればとんでもなくやんちゃな子もいて、子犬の時にどのくらい気をつけて社会化をさせてもらえたかでその後の人生は大きく変わってくる。結局「氏より育ち」が人間より顕著に当てはまるのがわんわん飼育であるというのがアマチュア・トレーナーのわたしの持論。
動物愛護団体に勤めていた時にそれこそ何百という保護犬を見てきたが、同じような体験をしてもまだ人間になつく子もいれば、ビクビクして心を閉ざしたままの子もいる。人間の心に寄り添うタイプの子もいれば、独立心が旺盛な子もいる。犬種だけでは判断できない性格やそれまでの体験、「タイミング」や「縁」のようなものも妙に関わってくるワンコ選び。
そして何より。ブリーダーさんやペットショップを考える前に、地域の保護犬センターに自分たちにあったワンがいるかどうかを問い合わせをしてほしいと心の底から思う。つらい思いをしてきたワンコを矯正させて一緒に暮らしていくのは上級者編であるが、普通の家庭でも、飼い主さんが亡くなってしまった、とか家庭の事情で手放さざるをえなくなった、などいろんな理由で家を探しているワンコたちならすぐに順応して楽しく暮らすことができるはず。母犬と一緒に保護されてきた子犬に出会うこともある。
ちなみに冒頭に出てきたサイト名の「Snob スナブ」は直訳すると「気取りや」さん、ある特定の分野にめちゃくちゃこだわる特性を指す。よく使われるのは「ワイン・スナブ」「コーヒー・スナブ」、これでお察しいただけるだろうか、常識を遥かに超えた興味とこだわりをもち、え、そこまでするの?と驚かれるような情熱を注ぐ人たちのことである。DogSnubはすなわち犬フェチ。)
(余談だが、日本の「ていねいな暮らし」インフルエンサーさんたちがよくコーヒー用のスケールの上で豆とお湯の重さを測りながらコーヒーを入れてるのを見るが、マジ?この習性はスナブ認定と感じるが、日本では割と普通なんだろうか?)


コメント