先月(10月)1日に始まったアメリカ政府の閉鎖は、今日で37日目に入る。これは建国以来最長で、第一次ト〇〇プ政権時にメキシコ国境の塀の建設費用を巡って閉鎖した35日の記録を塗り替えた。
Government Shutdown ガバメント・シャットダウン(政府閉鎖)は、議会で保守党と民主党が予算案に合意できないとき、政府機関がお金を使う許可を得られなくなるため起きる。
なぜ議会で予算合議に至らなかったかと言うと、おもな理由は、今年末で廃止になる予定の「低所得者のための健康保険料の税金控除」を来年以降も延長してほしい、との民主党の主張をト○○プ率いる保守党が頑として聞き入れないため。
カイザーファミリー財団の調べによると、この控除がなくなると健康保険料を支払えない(無保険になる)人が全米で1300万人増加するという。東京都の人口が982万人、それを上回る人たちが一気に健康保険を失うというのは…。アメリカ、一回のMRIで20万、30万と飛んでいく国であることをお忘れなく。カイザーの予想では、保険を失って治療をうけられず死亡する人は5万人に昇るという。
全体の加入者が減ると、他の人の保険料が来年は平均75%上昇する。自由業の友人は、家族4人の月々の保険料が2000ドル(30万円)だ。その75%増し?ペンシルバニア州では 115%、バーモント州では400%増える地域もあると試算されている。
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よって保険料の税控除を続けるべしという民主党の主張は至って真っ当であり、これに同意せずに閉鎖に至ったのははっきり言って100%、政権と保守党の責任。
閉鎖による弊害でもっとも切実な影響が出ているのは、低所得者向けの食料品購入補助金、スナッププログラム(通称フードスタンプ)が予算枯渇を理由に支給ストップになったこと。現在、全米4200万人(うち子供が1800万人)、人口の8人に1人がスナッププログラムの補助金を受け取っていて、その補助金がなければたちまち食事に困り、地域のフードバンクや民間のチャリティに頼りざるを得なくなっている。フードバンクに並ぶ人のなかには、今月の給料をもらえなかった政府職員もいる。
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そう、政府職員には閉鎖の間、給与が支払われない。空港保安官や航空管制官も無給なので自然と欠勤も相次ぎ、各地の空港で大混乱を招いている。セキュリティチェックに3時間かかったり、空港によっては人手不足で窓口の運営ができずチェック無しで通れてしまうところもあるという(怖)。航空管制官不足を理由に、〇〇ンプ政権は来週から全国の航空トラフィックを10%削減する(飛行機の10本のうち1本がキャンセルになる計算)と発表。これからホリデーシーズンなのにますますの混乱が予想される。
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この豊かな国で、人口の8人に1人が満足にモノを食べられないという状況、そして健康保険を持つことがままならない、保険がないために治療をうけられず死亡する人がいる、という状況を想像してみてほしい。今週火曜日に行われた各地の選挙で、マムダニ・ニューヨーク市長を始め、ト○○○政権に相対する民主党の候補者が大差をつけて軒並み当選しているわけだ。
当選した候補者たちはそろって「反ト○○○政権」をはっきりと強調。市長、知事レベルから町議会、教育委員会、裁判所、と普段なら保守党が圧勝するような土地でも民主党がそろって圧勝し、民主党の色を取って「Blue Tsunami 青い津波」がアメリカを飲み込んだ、と報道された。
ニューヨーク市長に当選したマムダニ氏については、ムスリム教徒である、アフリカ生まれである、両親とも外国人で移民である…などごく表面的な報道が日本では目立つのが残念。
若く、明らかに経験不足の新市長には今後、失敗も失望もあることは容易に想像できるが、一貫して「アフォーダビリティ(まかなえる、生活していける)、一般市民の生活コスト削減」のメッセージからブレることなく、ト〇〇プ政権や超富裕層からの圧力に屈しない姿勢を強調し、長い選挙期間に疲れを全く見せず精力的にニューヨーク市の各地を握手をして回った。10万人のキャンペーン・ボランティアが合計200万戸のドアを叩いて(ギネス新記録だそうだ)草の根的に支持者を増やした。
意図的な情報操作やアルゴリズムで、有権者のもとに届く情報はとかくバイアスがかかっていがち。この政権下で何が起きているのかを正確に伝えるには、足を使って直接伝えにいかなくてはわかってもらえない。
もう今の状況はムリ。自分の側に立って真摯に動いてくれるリーダーをみんな渇望していたのだ。
昨日の勝利演説では、マムダニが市長になったらニューヨークに連邦予算を渡さない(まじか?)と明言したト○○○に、画面を通して「この演説を見ていると思いますが、私からあなたへのメッセージは Turn the volume up (どうぞボリュームをお上げください)『かかってこい』です」と声を張り上げた。
1月の新政権発足以来すごいスピードで社会と経済がめちゃめちゃになっていく。9月の雇用統計によると、1ヶ月間で16万人が失職。昨年9月のなんと3倍。選挙結果の出た火曜日は、初めて「もしかしたら歯止めをかけられるのかもしれない」と言う希望を持てた良い一日だった。
でも、いつになったら閉鎖が終わり、空の安全が戻ってきて空腹の人は減るんだろう?この21世紀に、お腹が空いたままおふとんに入る子ども、学校の無料ランチだけがまともな食事という子どもたちがいるなんて。



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