死んでなお、大西洋を隔てた2つの国をゆるがし続けるジェフリー・エプスタイン。日本でも大きく報道されているが、エプスタイン事件とは、エプスタインとそのパートナー、ジスレイン(ギスレイン)・マクスウェルが30年以上に渡って組織的に性的人身売買を行い、彼らと金銭的に癒着した世界中の権力者たちのうち一部はその恩恵に預かって(!)いたという、人身売買、金銭、権力、隠匿、賄賂、脅迫、と人間としてやっちゃいけないことがすべて盛り込まれていた組織的犯罪。
アメリカでは、エプスタイン事件の全容が記された3万3000ページのFBIの捜査記録「エプスタイン・ファイル」の開示を巡って議会もホワイトハウスも大揺れ。
イギリスでは、エプスタインとの深い関与や性的暴行を否定し続けて国民の怒りを買っているアンドリュー王子(チャールズ国王の弟)が、今週火曜日に出版された彼の被害者ヴァージニア・ジフレさん(今年4月に死去)の自伝で暴行の詳細がさらに明らかになり、出版に先駆けて爵位を返上するに至った。
内閣に授与された「ヨーク公」や「ガーター・ナイト」などの爵位や称号を「今後は使いません」と約束するのが「返上」。そんなの生ぬるすぎる、「剥奪」すべき!という世論が一般的。剥奪には内閣のプロセスと国王の承認が必要で、今のところまだその動きは見られていない。
「プリンス」アンドリューという称号は、女王の息子である限り返上も剥奪もできないらしいが、こんな人間が「プリンス」だなんて!どうにかならないの!という声も高い。
そして何より怒りを買っているのは、アンドリュー王子と前妻のサラ・ファーガソン(エプスタインに長年お金を工面してもらっていたことがバレてしまったこちらもなんともきな臭い人物で、離婚をしたものの長年のパートナーで有り続けている)が、未だにウィンザー城内の「ロイヤルロッジ」と呼ばれる30寝室の大豪邸に、家賃はほとんどゼロの状態で居座っていること。
ロンドンから西に約30キロ離れたウィンザー城はエリザベス女王の終の棲家であり、国王とウィリアム王子一家も城内の邸宅に住んでいる。「お城」だからなんとなく王様の持ち物のような気がするが、実際は「クラウン・エステート」と呼ばれる独立法人が所有・管理している「公的不動産」である。ウィンザー城以外にも広大な王室所属の不動産を所有・管理するクラウン・エステートの収入はイギリス政府に収められ、その25%のみ王室運営費に充てられる。
国王やウィリアム一家は大家さんのクラウン・エステートと賃貸契約を結んでこれらの住宅に入居しているわけだが、Grace and Favor (恩恵と特別待遇)という特別契約で賃貸料は One Pepper Corn (こしょう一粒)つまりタダ同然。
爵位を返上し、もうロイヤルファミリーでもなんでもないアンドリューたちが、なんでこの恩恵を受けて大邸宅ロイヤルロッジにただで居座るのよ???というわけだ。同感。
爵位を剥奪、ロイヤルロッジから出ていってもらい、エドワード8世のように(エリザベス女王の叔父、王位を退いたあとは一生モナコで暮らした)、どっかイギリス人の目のつかないところにExile エグザイル(海外追放)してくれ!というのが大方の意見。
海外追放?ふーん、そういやアンドリュー王子の甥っ子にあたるハリー王子。こちらは追放ではなく自分で変な嫁にそそのかされてアメリカに出ていったわけだが、アンドリュー王子がどっか行くとして、どの国がこんなハズレ王子を受け入れてくれるよ??と考えた時、あはは、やっぱアメリカしかないんじゃ?アメリカなら、エプスタインを通じて昔知り合った人も多いだろうし、甥っ子もいるから楽しくやっていけるんじゃないだろうか。
そのロイヤルロッジと同様、アメリカ連邦政府所有の不動産「The People’s House 国民の家」であるホワイトハウスを、予算と運営を管理するべき連邦議会に何の相談もなく勝手にいじっているのがあの人。執務室をキンキラキンの24金で飾りまくるくらいはまだ可愛かったが(誰が払っているかは別として)ジャッキー・ケネディが歴史的ないわれを持つ異種のバラをたくさん集めて丹精込めて作り上げた「ローズ・ガーデン」、これをコンクリートで流し固めた巨大なパティオにしてしまった。ただのバラ園ではなく、執務室のすぐ外に位置するこの庭園を散策しつつまとまった数々の「ローズ・ガーデン外交」の舞台でもあったこの場所は、今では白と黄色のパラソルが立つグレーの敷地に。来年にはここに八角系のオクタゴンケージを設置して、UFC(格闘技の世界大会)が予定されているそうだ。
先週、由緒あるホワイトハウスの東館が大きなクレーンで破壊され始めた様子が報道されてアメリカ中びっくり。これもまた彼のホワイトハウス改造計画の一部で、ゆくゆくは400億円予算の「宴会会場」となるそうだ。
ロイヤルロッジに居座るハズレ王子、ホワイトハウスを私有化するあの人、どちらもエプスタインのマブダチだった…。
ヴァージニア・ジフレさんの自伝はこちら。読む勇気はない。

http://www.amazon.com/dp/B0FLHXDQHM



コメント
イーストウィングの無残な姿を見て、かなりのショックを受けました
言葉がありません・・・