「日米、トラ*プ関税で食い違い表面化 合意文書なしが裏目、石破首相の責任論に発展も」。
って、どうしてすぐそこに行くかなあ???今朝のYahoo!ニュースの見出し。
ここ数ヶ月でばたばたと低い関税を勝ち取ったのは、日本15%、EU15%、イギリス10%、韓国15%など。8月7日午前0時発効の(はずの)日本への関税は一律15%になるんじゃなくて「今の関税に15%上乗せする」って意味だったんじゃないか!?!?「ちゃんと合意文書を交わしてなかったからだ!」という批判が沸き起こった。
日本は、すでにかかっている自動車の27.5%に15%上乗せされると国の死活問題なので心配度も上がるけど、日本政府を責める前にちょっとおちついて状況を見てみましょうよ。合意文書がないのは、イギリスもEUも同じ。
騒ぎのもとになったのは Federal Register フェデラル・レジスター「連邦官報」と呼ばれるアメリカ政府の日刊だ。昨日の貿易・関税のセクションに「EUへの関税は15%を超えない」とはっきり書かれているのに日本にはそれがなく、添付の国別関税表では「EU・上乗せ0%」「日本・15%」となっているのを見て政府のみなさんがびっくりしちゃったのだ。こちらね。


こちらが噂のページのリンクです。EUについて明言してあるのは Section 2 の(d)項です。
EU(European Union)のところには「すでに15%を超えているものには追加関税はゼロ、超えていないものは15%になるよう調整する」となっていて、先日の合意によれば、日本にもこれと全く同じのはずなのに違う。ただ15%と書かれているだけ。日本と同じ表の下の方の韓国(South Korea)や一番右の表のイギリス(United Kingdom)にも「一律関税合意」をシカトしてそれぞれ追加関税が記載されている。
イギリスのニュースをかなりチェックしたけど上乗せなの???と心配している報道は見つからなかった。かえって「昨日発動した関税、イギリスは低めをゲットしたぜ」という趣旨の記事が多かったんだよね。日本、心配しすぎではあるまいか?これはアメリカ側の単なる間違いか見落としのような気がする。
ホワイトハウスの正式ウェブサイトに発表された「日本との関税合意」のページに行ってみる。

ここに、おコメやアメ車輸入や日本からの投資を条件に Imports from Japan will be subject to a baseline 15% tariff rate(日本からの輸入品の「ベースライン」関税は15%とする)と明記されている。ベースライン関税(基準関税)は上の表の「相互関税」とは違う。つまり、なんていうかもう全然ツジツマが合ってないのよ。だから、これはとりあえず間違いと考えて修正をお願いするのが良いかと思うんだけど。
石破内閣がちゃんと確認しなかった、という意見もごもっとも、と言いたいとこだが、いや、相手が悪すぎる。まじで。確認に行って合意書類をお願いします、と頼んだら「じゃあもっと投資を」なーんて「やぶ蛇」になりかねず、あのあたりでササッと帰国するのが最善策であった、というのがアメリカに住んでいるワタシらには見当がつくのです。
けど、次に何があるかワカンナイ。「最初から上乗せっていう意味でしたよ?」とシラっと言われる可能性も十分にある。それがその日のムードだったりお天気だったり見当のつかない理由でどう転ぶかわかんないのだ。そのことを日本でも理解してもらえたら、と思うんだけど。インドなんか昨日の25%からいきなり今日は50%に上がってしまったんだよ?
補足すると、日本だと、8月7日からと外国と約束なんかしたものなら何が何でもその日に発効になる。みんな徹夜でフラフラになろうとなんだろうと、決めた期日は必ず守る。アメリカはそれがとってもユルイということをお忘れなく。こんな大事なことでも特に今のアメリカでは結構ユルさや間違いがまかり通る。
そして関税の場合は、荷物が日本を出た時点で高関税になるのか、入港した時にかかるのか、そのへんが国別に交渉されるらしく、品目別のときなんかもあるらしくて、はい、8月7日です、といっていきなりアメリカ政府の関税徴収のソフトウェアが品目ごとにぱしっと切り替わる、なんてことはない。会社の方でしっかりしてもこの混乱状態では何がなんだか徴収してる関税局だってわけワカンナイという状況であることは想像に堅くない。
だから、今のところどれが最終の数字で、どの期日からどの品目がどのパーセンテージで徴収が始まるのか、というのは非常に流動的で、収まるところに収まるまでかなりの時間を要するとかんがえた方が良い。収まったあたりでまた次の変更が、というのも十分考えられるから、ああ、やっぱり貿易の多様化を目指して他の国と仲良くするのがいまの日本にとって一番大事。



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