ハーバード大学のスティーブン・レビツキー教授が How Democracies Die (「民主主義の死に方」)という本を書いて、アメリカがやばいことになってるよ!と警鐘を鳴らしたのはトランプ第一期政権の最中の2018年。出版時の8年前に本を手渡されても「なーに言ってんの」って感じだったと思うけど、今、激動のアメリカに住んでいると、この世には知識と先見の明がある人がおるもんやねぇ…とつくづく思う。


この本、物語形式になっているので読みにくくはないけど、生まれてからずっと民主主義以外は知らない私らにはやっぱむつかしい。
ということで、今日は自分の頭の整理の意味もあって、AIの助けを借りて私版「民主主義の死に方」6項目をまとめてみました。
私版・民主主義の死に方・6項目
これらの項目がすべて達成されたとき、民主主義から権威主義、独裁政治、恐怖政治、ファシズムへの変貌が完了…。これら項目を押さえて、今日ニュースで聞いた出来事が一体どの項目に当てはまるかを考えるとアメリカがなんでこんな事になってんの???に対する理解につながるのではと思いマス。
1. 政権が中立であるべき法律を自分の味方にする(法治の崩壊)
裁判所や警察などを掌中に収めて、法律を無視してやりたいホーダイできてしまう。自分の敵や邪魔な人は逮捕して処罰できちゃうけど、自分は法律フリーパス。
2. 自分以外に影響力のある人たちを「脅し」か「ワイロ」で黙らせる
学術機関(ハーバード大など)、テック企業のCEOたち、大手法律事務所などに圧力をかける。
3. メディアを操作して国民に「何が起きてるの?」を分からなくさせる
大手メディアへの圧力、SNSの監視、独立系メディア弾圧で国民が無知でいるよう仕向ける。
4. 権威を国内外に誇示
戦力誇示、領土拡大、弾圧外交。国内では自分を象徴する建物や肖像、貨幣に執着する。グリーンランドやベネズエラ、ホワイトハウスの改装や「ワシントン凱旋門」建設など。
5. 人々の間の分断を進めて「怖れ」で統治する
秘密警察みたいな怖い人達を民間に送り込んで人々を不安にさせる、共通の敵を作る、発言の自由を弾圧する。
6. 国の金庫(中央銀行)を乗っ取る
「国のお金は自分のお金」状態になる。
他に選挙のルールを変えて自分たちが永遠に当選するように操作するとか、上げればきりがないけれど、上の6つが大きな要と思う。
次の段落ではこの半月の出来事をまとめてみたのでそれぞれが一体カテゴリーに当てはまるのかを考えてみるとさらに理解が深まると思う。そっか、そういうことやったんか、と合点がいく。
2026年1月の出来事、1から6のどの項目に当てはまる?
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1月1日:アメリカ入国ルールが改定、39カ国から入国禁止、入国時の検査を厳格化。
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1月3日:ベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領拘束
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1月5日:民主党が強い5州の育児・家族支援基金を凍結
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1月6日:グリーンランドの買収は国家安全保障の最優先事項と発言
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1月7日:ミネアポリスで女性がICE(移民局職員)に射殺される
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1月8日:ホワイトハウス大規模改築案の提示 すでに取り壊した東館に続いて本館(執務室のある西館も改築予定、総工費は東館だけですでに4兆円)
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1月9日:ミネアポリス事件への地元捜査機関を締め出し 地元の捜査機関を締め出し、連邦FBIのみが捜査を行うと発表、被害者は「テロリスト」だったと主張。
- 1月9日:ベネズエラやミネアポリスについての批判的報道は「国家反逆罪」と発言
- 1月10日:イランの抗議デモに軍事介入する準備があると発言
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1月11日:パウエルFRB(アメリカの中央銀行)議長への刑事捜査公表 罪状は曖昧だが大統領の指示通り利率を下げなかった議長への脅しであるとしてFRBは強く抗議。
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1月12日:政府職員を理由なくクビにできる大統領令を発行
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1月13日:ベネズエラ攻撃の正当化 ベネズエラでの軍事行動は「憲法上の大統領の絶対権限内」であり、議会の承認は不要であると発言。
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1月14日:グリーンランドについて、「米国の支配以外は受け入れられない」と発言。
- 1月14日:ワシントンポスト紙の女性記者自宅をFBIが予告なく家宅捜索。
- 1月14日:とうとうヨーロッパがグリーンランドにNATO軍を配置、最悪のシナリオ、アメリカとの武力交戦に備え。
最近のあの人の奇行もあり、それぞれの出来事には脈絡がないような、思いつきだけで行動してるような印象を与えるが、ここ30年くらいかけて練られていたのだろう漏れのない深ーい暗ーい流れのプランにブレなく基づいたものだということが見て取れる。
あの人、1月13日に ①プロテストをするような国内の敵には軍隊を派遣して弾圧してみせる、②大統領の国内外の権限行使に限界はない、③「腐った官僚」(政府職員)をすべて追い出して自分たちの政府を作り上げる、④ホワイトハウスを「強さの象徴」として作り変え世界がひれ伏す(!)世界一の場所にしてみせる、と上の6項目をすべて網羅したかのような怖いスピーチを行った。
警鐘が鳴らされた時に何かしら手立てが取られていれば、アメリカがここまで変わってしまうところまでは行かなかっただろうか、と考えても後の祭り。今はひたすらこの状況の終焉を待ち、その後のアメリカの回復に目を据えるしかない。
…というのがまあ今のアメリカの状況である。


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