長男(犬)の背中に大きなおできができて、破れたあともなかなか治らない。かさぶたができたり取れたり、高齢の彼のジュクジュクした傷が治らないのは見ていて痛ましい。
普段は痛みはないようだし、結局は消毒薬だけでもう長いのだ。完治させたければ全身麻酔でその部分を切り取るしかないと言われ、高齢の彼には負担が大きくて決心がつかない。
連日の雨で濡れ続けた傷が昨日は赤くなって、うっすら出血もしている。いつもは文句も言わず消毒させてくれる長男がひょっ、と首を引いて嫌がった。
普段は我慢強い犬だからこの動きは相当痛いんだとわかった。私の机の下のベッドから動かないし、次男がちょっかいを出しに来たら『来るんじゃねえ』と睨みつけていた。
開いた傷が感染症になったら大変だ。獣医さんに連れていくことにした。

獣医さんはいつもコミコミで予約はとても取りにくいのだけど、緊急のわんにゃんたちのために毎日いくつか空きの枠があることを長年通ううち学んだ。その一つをなんとかゲットするためさっそく電話。
カルテに背中のおできのことは書いてあるので、その傷が今日は開いてしまっていて痛みもあるみたいだ、と説明し、電話を取った受付の人に今日の午後見てもらえませんかとお願いした。
そしたら、なんて返ってきたと思う???
How do you know that he is in pain? 痛いってどうやってわかるわけ?
わたしゃ耳を疑いましたね。声も挑発的なのよ。こう来る?私がつい言い返しそうになったのは
I know it because he is MY dog! 自分の犬だからわかんのよっっ💢
でもこれを言ったらおしまいのアメリカ。相手に権力?がある場合はひたすら我慢、怒ったら負けなのだ。こちとら競争率の高い獣医さんスポットを今日の午後なんとか分けてもらわないといけないのだ。
深呼吸して、傷が開いており、赤く血が滲んでおり、触るのを嫌がり、ベッドでうずくまり、アンコンフォタブルそうだから、と落ち着いて説明をした。そしたら!!
Being uncomfortable is different from being in pain. アンコンフォタブルと痛いっていうのは違うわよ。
ハア?心のなかではもちろんファックユー!(失礼)と叫んでいたけれどそれを言ったら予約が取れない。
ねばる。何を言われても予約取れるまで電話切らないわよという『気』を送る。
どうしてかさぶた取れたの?自分で掻きむしったの?と聞く声に『なんでかさぶたがとれるようなことさせるのよ?』というニュアンスがビシバシ。
この時点でどうしてこの受付の女性が私をいじめよう(?)と思ったのかは不明だ。
かさぶたは背中のまんなかなので自分ではとどきません、連日の雨で濡れて、かさぶたになる間もなく傷が開いちゃったんです。
なんで私がこのオバちゃんにおろおろと言い訳をせんとあかんのや?
ふん、と鼻息が聞こえ、

We will see you at 3:20. じゃ、3時20分にいらっしゃい
やったー!え、でも3時20分、私、自分の歯医者さんの予約が。急いで帰ってきたらぎりぎり間に合うか?でもこれを逃したら!最悪歯医者はキャンセルすればいい…..。
ハイ、じゃ、お願いします。先生はどなたですか?と聞くとドクター・アイリーンよ、と言って電話は切れた。普通の受付の人は、希望の先生はいます?何時ごろが良いの?と一応聞いてくれる。そういうの全くなし。
電話を切ったら背後から夫が『よく頑張った!』と声をかけてくれた。キッチンで電話を握りしめてブルブル集中してたので、夫がそこにいたのさえ気が付かなかった。
全身に力を込めて『怒ったらあかん、怒ったらあかん、怒ったら負けや』とフーフー深呼吸しながら乗り切った電話。見事に予約ゲットだ。

この間近所を通過した竜巻のせいで家中の電気系統がおかしくなったときも、カスタマーサービスとの電話にこの『フーフー深呼吸』を繰り返し、なんとか生身の修理の人を派遣してもらうことに成功したのだ。
「怒ったら負け」作戦の他にもう一つ手立てがないわけではない。
『痛いってどうして分かるの?』と挑発的に聞かれた時点で、どうしてそんな失礼なこと言うの、マネージャーに代わって、と言って最後まで戦う姿勢をこちらも見せるという手だ。
しかしこれにはリスクが。どんなマネージャーが出てくるかわからないし、もしかしたらマネージャーはもっとたちが悪いかも知れない。こんなに失礼でも受付にいるということはもしかしたらオーナーの娘かも知れないぞ。
同じ獣医さんに行く私の犬友さんは、空手5段の猛者。何度も怒鳴り込んでいる。彼女だったら『痛いってわかるからわかるんだ、第一、受付のあなたがなぜそんなことを聞くんだ』とクレームを付けたんだろうな。
一体この受付のおばさん、なんだったんだろうか。虫の居所が悪かったのか、それともこれはなにかのテスト?
『痛がっている』というのは、少ない診察枠をゲットするキーワードだろう。受付で緊急の予約を依頼する人の真剣度と正直度のふるい分けテストをしているのか?

ユーミンの『シンデレラ・エキスプレス』。この中に『いじわる〜、なこの ♫ テストを〜 ♫ 私、きーっとパスしてみせるー』という一節があったな、そういえば。それを思い出しちゃったじゃないか。
なんとこの歌35年前….実はその頃カレシが大阪に赴任してたので、リアルタイムでユーミン聞いてウルウルしてた。.ひゃっ、なんかはずかし!!!



コメント